こんばんは🌙
篠田節子さんの
『弥勒』を読みました
※満遍なくネタばれしています
以前
ブロ友さんに教えていただいた
ドラマ『仮想儀礼』が面白かったので
新たに篠田節子さんの本を読んでみたくなり図書館へ
『弥勒』も『仮想儀礼』同様
チベット仏教にかするというか
背景に見え隠れしているんですね〜
もしかして篠田さんご自身が
チベットとの関わりがある方なのかと
wikipediaを開いてみましたが出てきませんでした
代わりに
ご夫婦で元公務員だったという情報を得ました
しかもご主人は『仮想儀礼』の主人公と同じ
元都庁職員ではありませんか
登場人物のキャラ設定においても
生きた知識を役立てていたのですね
分厚い小説
久しぶりに挑戦しました
…正直に申しますと
予約して受け取ってから厚みを知りました
長いことに加えて
内容が壮絶すぎて
読むのにエネルギーが要りましたが
次の展開が気になる連続で
気もそぞろな数日間でした
聞き慣れない登場人物の名前と固有名詞が多過ぎて
家事の合間に細切れで読んでいては
「この人は何してる誰だったっけ?」になって進みが遅くなってしまうので
図書館で借りた本を
また図書館に持ってって読み進めるという
面倒くさい事態に
家だと
トイレに行ってコーヒーいれて
本を開くと
「読書しているだけのこの時間を使って
何か同時進行できないかなー」と考えてしまうことを止めたいです
ざっくりあらすじ
救済とは何かを問う衝撃の超大作。
ヒマラヤの仏教美術の国、政変と殺戮の渦中に潜入した男は革命軍に捕らわれ……。
Amazonさんより
引用させていただきましたm(_ _)m
主人公の永岡は
今の地位があるのは自分のおかげなのに
感謝も愛情も感じられない妻との乾いた日々を過ごしているのだけれど
他にオトコがいることを夫に悟られたところで全く動じない妻なのです
その妻が髪に挿していた櫛がきっかけで
とんでもない目に遭うのです
ここにあるはずのない
パスキム王国の貴重な美術品が
なぜ破片となってアクセサリーに姿を変えているのだ?
実は永岡は
5年前に仕事でパスキムに行って国王にも会い美術品の素晴らしさも知っています
あの美しい町で何かが起きている…
居ても立っても居られなくなった永岡は
櫛の出所を調べ
パスキムからそのかけらと共に命からがら出国してきた男を見つけ出します
多くを語りたがらない男から
なんとか聞き出したのは
反政府勢力がクーデターを起こし
外国人は強制退去させられたこと
現地人の妻を置いてきて
当座の生活のために美術品を持ち出したことでしたその一部が永岡の妻の櫛
永岡が本来の仕事として企画した
パスキム展は実現せず
悶々としていたそんな時
永岡にニューデリーでの仕事が入ります
仕事を終えた後
欲求に従ってパスキムに密入国した永岡でしたが
待っていたのは悲惨で過酷な運命でした
ある意味当然
戦闘を交えず制圧というニュースはまったくの誤報で
実際は血みどろの大虐殺と街の破壊
人々は過酷な環境での強制労働という事実でした
で、永岡もその中に放り込まれます
反政府勢力のリーダーであるラクパ・ゲルツェンは彼なりにパスキムを救う使命感で行動を起こしたわけですが
全国民が平等な国にすると謳いながら
宗教も街も破壊し人々の犠牲にも心痛まない
とにかく一掃一新して
自分の理想の新しい国を作ることが救済と考えているのですよ
パスキムは架空の国ですが
まさに今
現実世界でも
トップのエゴに国民が振り回されている国があるではないですか
25年も前の本ですが
今を予見しているかのような内容…
結局
人間は昔から国を問わず愚行を繰り返しているんでしょうね
さて…
ゲルツェンの信念であるシャングリラ計画は壮大なもので
首都から拉致してきた人々と
村の人々を強制結婚させることから始まりました
永岡も妻サンモをめとらされます
最初こそ突き放していたものの
サンモは元々は首都カターの人間で
事情により村に嫁いできた教養ある女性だったことでコミュニケーションも取れ
ふたりはお互いに徐々に心通わせるようになります
実は
永岡が捕らえられてから終始
気になることが…
国の情勢とゲルツェンの方針も相まって
モノも食料も住まいも最低限な中
衛生状態は劣悪です
早朝から夜まで働かされ
雨の中
ドロドロになっても洗濯してる時間も場所もないため濡れた衣類は干すだけ
そして
お風呂や歯磨きの描写が一切ありません
首都カターに住んでいた人以外
元々歯磨きなんかしていないのかもしれませんが
体を洗ってなさそうです
男女関係なくあちこち汚れているだろうし
全身くまなく臭いはずなのに
どうやら夜営むことは忘れてないのですよ
三大欲求とはいえ
癒しを求めた結果とはいえ
不衛生なまま致したら
特に女子
そちら方面の病気にならないのだろうか
本筋から外れることだからスルーしなきゃと思いつつ気になりました
お隣のインド🇮🇳ではビデが普及しているようなので
パスキムの首都カターになら
ギリギリあったり…してほしいです
さらに
怪我をしても綺麗な水で洗うなんて不可能です
土壌は細菌だらけだから少しの傷でも命取りです
薬湯を冷ましたもので傷口を洗って
あとは自然治癒力頼みのようですが
栄養摂れてないのに治るのか?
極限まで働かされて
戦闘意欲なんて湧くはずもない状況でも
途中まで順調に進んでいた『反政府勢力打倒計画』だったのに
永岡の浅はかさが原因で情報が漏れて
永岡以外全員が公開処刑されるくだりは
物語といえど残念でなりませんでした
だからこの先
永岡が無傷で助かることはないんだろうなと感じましたがその時は終盤に来ました
と同時に
個人的に気になっていた伏線も回収されました
あれほど苦労して持ち帰りたかったものが
最後の最後に手から離れてしまったことの意味はどう解釈するのが正解なのか
息も絶え絶えの中
ダメ押し的にさらなる試練が用意されているような気がして最後の1行まで気が抜けませんでしたが大丈夫でした
希望が見えてましたよ
こんな酷い目に遭ったのに
パスキムで起きた真実を世界に発信した後に
本当の意味での復興のためにパスキムに戻ろうとしている永岡スゴい
今日のおやつ
またもジャイアン風
しかも空袋で失礼します
先日購入した
韓国のいろいろセット …適当が過ぎる
こちら
わたしの感覚では
ピリ辛どころではなく
異常に辛くて🌶️
ヒーヒー言いながらいただきましたが
辛い以上に美味しかった
見かけたらまた買いたいです
ではではまた