こんばんは🌙
宿なし詩人です
佐藤正午さんの
『月の満ち欠け』を読みました
図書館で予約して
待って借りたのに
半分も読まないうちに返却日がーー
そこからは図書館にて全集中シャキーン!
敢えて時系列を整えず
登場人物が多くて
それぞれが絡み合う物語は頭を使いますが
わたしにとってこの本はそれに該当するものでした
一度で理解しなければなので
相関図などメモを取りながら読みました
ジャンルとしては
ファンタジーの括りに入れるには少し重めな気もしますが…
でもやっぱり一番しっくりくるのはファンタジー?
時間が前後しながらストーリーが繋がる瞬間の
自分の脳が喜ぶ感覚が気持ちよい本でした
以下
ネタバレしますが
本を読んだ人でないとさっぱりわからない内容になっております(*´-`)
まず
正木瑠璃が三角と親しくなっていくくだりでのコーラの使い方が秀逸でありベタでした
実にあざとい
女性経験が浅いであろう大学生の三角には刺激的でしょうし瑠璃はそれを承知の上でやってるのが分かります
アラフィフ主婦も
チベスナ顔になりました
この感じ…
映画『君の膵臓をたべたい』本は未読での
「この小悪魔め!」
主観です浜辺美波ちゃんは悪くない
と思ってしまったシーンと本質は同じです
古今東西
男子はこういうベタなやり方に弱いんですかね
正木瑠璃→小山内瑠璃→希美→緑坂るりと
何度も生まれ変わりながらやっと繋がれた緑坂るり(正木瑠璃)と50代後半となった三角に関しては念願叶ったんだから良かったとしても
おじさんと小学生では会うこと自体ハードルが高いけれど…
わたしは正木瑠璃の夫の竜之介が不憫でした
ろくでなしだとしても
妻の瑠璃の心が離れたのは竜之介の不貞行為のせいでしたが
それほど相手への気持ちがこもったものでもなかったのになぜこうも踏んだり蹴ったりなのか
瑠璃も火遊び要素ありなので
綺麗に描かれすぎているように感じてしまう
彼に救いが欲しかったです
ところで
正木瑠璃の
「神様がこの世に誕生した最初の男女に二種類の死に方を選ばせた」という話
人間の祖先は樹木のように死んで種子を残す(自分は死んでも子孫を残す)道を選んだのに
瑠璃はなぜ月のように何度も何度も生まれ変わる道を選んだのか
そして「三角の前に何度でも現れる」と言ったのか
ただ単に三角への愛からだったのかがよく分かりませんでした
『何度でも』ってけっこうインパクトあってちょっと怖くもありますし
もっと執念に近い動機が書かれていたのに
読み落とした箇所があったのかも
わたしなら…
亡くなる前に
生まれ変わってからのサインを決めて
時を経て再び出会った時に自分だと気付かせたいなんて思いませんね
人生が終了したら喜んでリセットして
次の人生も人間ならば
元のわたしの意識なんか要らないです
別の人生を生きてみたいです
いつかその時が来たら
わたしはこの世に未練なく逝くことができそうと再認識した一冊でもありました