- 瘋癲老人日記 [DVD]/山村聡,東山千栄子,川崎敬三
- ¥4,725
- Amazon.co.jp
内容:谷崎潤一郎原作の耽美文芸映画をDVD化。軽い脳溢血で寝たり起きたりの日々を送る77歳の老人・督助をある日、息子の嫁が浴室から誘惑してくる。彼女の脚に魅了された督助は、消え去ろうとする性欲を甦らせようとするが…。若尾文子が若妻役を好演。 (Amazonより)
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はい!今週の若尾文子様 枠は、1962年製作「瘋癲(ふうてん)老人日記」です!
監督は「初春狸御殿」 の木村恵吾、原作は谷崎潤一郎の同名小説です♪
七十七歳の卯木督助は、軽い脳溢血で寝たり起きたりの日日を送っている。それに今では完全に不能である。が、--不能ニナッタ老人ニモ或ル種ノ性生活ハアルノダ--と思っている。そんな督助の性と食欲だけの楽しみを息子浄吉の嫁、颯子は察している。ある日、老人がベッドでぼんやりしていると、突然浴室の戸が開き、颯子が顔を出した。「アタシ、シャワーノ時ダッテ、ココ閉メタコトナイノヨ」老人を信用しているからか、入って来いというのか、老いぼれの存在なぞ眼中にないのか、なんのためにそんなことを言うのだろう。夜になりシャワーの音がして来た。幸い誰もいない。老人は浴室へにじりよった。「入リタインデショ、早ク入ッテ……」 (goo映画より)
ええええエロォォォーーースッ!!!(ノ゚ο゚)ノえろー!!
はい、いかにも谷崎文学らしい倒錯したエロティシズムに満ち満ちた作品でした!
いやーワタシ好きだなぁコレ。もちろんただ単にエロいワケじゃ無くて、男という生き物の
ある種の本質を鋭く暴きだしていると思いますよ。
77歳の資産家卯木督助(山村聰)は、神経痛でほぼ寝たきりの日々を送っている。
そんな彼の唯一の愉しみが、息子浄吉(川崎敬三)の嫁颯子(若尾文子)だ。
したたかな颯子は巧みに誘惑して督助を籠絡、姑や小姑を差し置いて卯木家内で
絶対的な地位を築いていた…ってなお話。
この作品はとにかく主演の御二人に尽きますね。
まずは嫁の颯子を演じる若尾さん。シャワーの時だって風呂場の鍵は閉めてないのよなどと
督助を誘惑するような事を言いながら、いざ督助がむしゃぶりついてくると、
「ダメ、(接吻は)膝から下だけよ!唇はいいけど舌は付けないで。あー気持ち悪い!!」
と高飛車な態度で“おあずけ”を食らわせます。 オニ!鬼ですこの女!!(/TДT)/ 笑
舅である督助に「年寄りのクセにつけ上がらないで」だの「分をわきまえなさい」だの
ドSな発言を繰り返す若尾さん、・・・・なんて素敵なんでしょう(///∇//)ポッ ←おいおい
マゾヒズムを刺激されること請け合いですよっ!!
そしてもう一人、督助を演じる山村聰さん。
もう喜寿を迎えたジジイが息子の嫁にむしゃぶりつく様は普通に考えたらおぞましい事
この上ないんですが、演じる山村さんが巧いから厭らしいどころかむしろ滑稽にすら
見えてくるんですよねー。颯子にかまって貰いたいがために痛いいたぁーーいと
駄々っ子のように泣きわめく姿は、「しょうがねぇなぁこのジジイは。。。(^_^;)」と
呆れる一方でなんだか可愛くも見えちゃったりして。これは本当に70過ぎのお歳を召した
俳優さんじゃ無くて、実際はまだ壮年期の山村さん(当時52歳)を配役した効果だと
思いますよ、ホントにおじいちゃんだとリアル過ぎてやっぱり気持ち悪いもん(汗)
んでもってこの二人のやりとりというか関係性はさすが谷崎潤一郎、倒錯しつつも
現実味があってお見事でした。
例えばですけどね、颯子がもし万事従順で媚びた女だったら、督助があんなにのめり込む事は
無かったと思うんですよ。女帝のように傲慢で商売女のようにしたたか、まるで思うように
ならない女だからこそ地位も身分もある男が我を忘れてのめり込んでしまうワケで。
こういったマゾヒズムは「春琴抄」 同様よくわかるなぁ、まぁワタシは足フェチじゃ無くて
おでこフェチだからその点は共感できなかったんですけれどもー♪( ̄▽+ ̄*) ←ぇ゛
ちょっと広めでゆで卵みたいにツルンとしたおでこが好きなのです!!ヘ(゚∀゚*)ノ ←何を宣言しとんねん
ってワケで(?)総評。
まーおそらく女性にはなかなか共感していただけないであろう作品です(苦笑)
しかし同じ谷崎文学でも、「卍」 や「痴人の愛」 といった増村保造 監督作品ほど
コッテリ濃厚ではないので、観やすい半面観終わった後は若干の物足りなさも
感じてしまうかも。
ともあれ若尾さんの傲慢セクシーキャラは珠玉の出来栄えですし、M気質の男性諸氏には
きっとご満足いただけるかと思いますよー♪
オススメです。