大停電の夜に | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

大停電の夜に スペシャル・エディション (初回限定生産) [DVD]/豊川悦司,田口トモロヲ,原田知世
¥4,935
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内容:実際にニューヨークで起こった大停電をモチーフに、真っ暗の状況の中で繰り広げられる心温まる愛の奇跡を壮大なスケールで描いたファンタジー作品。光が消えた夜だから、本当の想いを伝えたい…。初めて大切なことに気づいた12人の男女が織り成す奇跡。出演は豊川悦司、田口トモロヲ、原田知世ほか。(Amazonより)


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はい!街はクリスマスムード一色ってことで気分だけでも浸ろうかと思い借りてまいりました、

2005年製作「大停電の夜に」です。





街が突然大停電になったら、その時あなたは誰と一緒にいたいですか?かつての恋人を待ちつづけるバーのマスター。妻と恋人の間で揺れる会社員。「ある迷い」に悩む主婦。大切なものを失った元ヤクザ。過去を捨て、新しい結婚によって心の幸福を求めた妊婦。未来のない関係に「さよなら」をするOL。遠い上海の恋人に想いを馳せる中国人研修生。初めての恋のときめきに戸惑う天体マニアの少年。病気を患い希望を見失っている人気モデル。秘密を抱える老婦人。そして、街行く人の幸せを願いつづけるキャンドル・ショップの女店主・・・真っ暗になって、キャンドルに火を灯した瞬間、あたたかな光が想いを勇気に変える。はじめて大切なことに気づいた12人の男女が、いままで予期しなかった “想い”に向かって、走り出す・・・(Amazonより)




・・・はい、クリスマス・イヴの夜に突然大停電に見舞われた東京を舞台に、12人の男女が

迎えるそれぞれのドラマを描いた群像劇です。この日限りで店を閉めるバーのマスター

(豊川悦史)、妻との関係がうまくいかず部下と不倫しているサラリーマン(田口トモロヲ)、

50年以上連れ添った妻の秘密を告白され困惑する夫(宇津井健)、出所したばかりで

かつての恋人に会いに行く元ヤクザ(吉川晃司)・・・それまで無関係だったそれぞれの人生が、

大停電をきっかけに交錯していきます。



で、感想。




・・・うーん、これはファンタジー映画ですねぇ、良くも悪くも。



「大停電に見舞われたクリスマスイヴの夜」という非日常、この題材はいいと思います。

この点はいい意味での「ファンタジー」ですね。

ただ、登場人物の言動が非現実的で違和感を覚えるところが多々見受けられるんだよなー。

これが悪い意味での「ファンタジー」。分別ある初老の男性が他人の車を勝手に

乗りまわしたり、「ここでそんな事言う奴いねーよ」的なセリフが行き交ったり。

“非日常的”と“非現実的”は全然違います、特に本作では「不倫」という非常に現実的な

テーマが根っことしてあるだけに、それぞれの繊細な心の機微を描く上で

作り手の作為性を強く感じさせられてしまうと、どーにも物語に入り込めないんですよねー。

話の筋自体は悪くないだけに、ダイアログの稚拙さが何とももったいないですねぇ。

大人の恋愛を描くならもうちょっと大人の台詞にして欲しかったなと。

 あとはトヨエツの経営するバーがある裏路地の雰囲気は良かったんだけど、

セット感が丸出しなのも非現実性を強めてしまいましたね。下北あたりならあーゆー店

実際にあってもおかしくなさそうだし、ロケーションじゃダメだったのかな?

って下北なんて一度も行ったことありませんけれども―♪(・∀・)



キャストに関しては、まぁ12人全員に触れるのはちょっとしんどいので気になった人だけ

言うと、原田知世は良かったですねー♪・・・ただコーヒーを淹れるシーンで

これ見よがしに商品名(「B●endy」)を見せるのは激しく興ざめでしたけど。

あとトヨエツもまぁ良かったし、田畑智子も可愛かったッス。




総評。

同じ「クリスマスの群像劇」でも、これだったら「ラブ・アクチュアリー」の方が

ずっといいなぁ、ダイアログの稚拙さのせいで結局誰にも感情移入できないまま

終わっちゃいましたもん。

ってワケで興味のある方はドゾ。