3月の終わり頃、沖縄から1枚のはがきが届きました。

 

 

 

亡くなった写真家の友人の奥さんからです。

 

 

 

そこには、

 

 

彼の七回忌の法要の日時が決まったこと

 

 

彼の故郷、山形に向かう前に

 

よかったら東京でお会い出来たら嬉しいです。

 

 

という内容が

 

桜の枝にとまった小鳥のイラストのはがきに書かれていました。

 

 

 

LINEでのメッセージではなく

 

こんなふうにわざわざはがきを送ってくれたことに

 

彼女の人柄と

 

私をとても大切に思ってくれていることが伝わってきました。

 

 

 

 

 

7年前、がんで亡くなった写真家の友人。

 

 

彼の死を知ったことがきっかけで

 

奥さんのHさんと連絡を取るようになりました。

 

 

私は結婚前の彼のことしか知らないので

 

お互いに、相手の知らない彼との思い出を語り合うことで

 

彼を失った哀しみを癒していくような

 

彼を悼むような

 

そんな感覚がありました。

 

 

 

 

庭のバナナの木になったという、まだ緑色のバナナの房

 

大学生になった娘に宛てた天国の彼からのお花

 

沖縄の特産品

 

空や海の写真

 

 

Hさんから届くプレゼントには

 

いつも、あたたかな真心がこめられているのを感じました。

 

 

 

 

 

 

Hさんが素敵な人だということは、とっくに知っていたけれど

 

実際に会ったHさんは、想像以上に素敵な人でした。

 

 

 

 

「ご自分のことを、どんな性格だと思いますか?」

 

という私の問いに

 

「楽天的で、好奇心旺盛だと思います。」

 

と言ったあと

 

「自分のことって、よく分からないですね。」

 

と、ちょっと恥ずかしそうに笑う彼女。

 

 

 

 

私のお仲間かしら…(*^.^*)

 

と、最初は思ったのですが

 

 

よくよく聞いてみたら、行動力も精神力も内容も

 

私とは格段にスケールが違いました。

 

 

けれどそれを

 

「すごいこと」としてではなく

 

割と淡々と、そして謙虚に話してくれるんです。

 

 

 

凛として 媚びない。

 

自分をよく見せようとすることも 卑下することもなく

 

自然体で 目の前の相手との時間をとても大切にしている。

 

 

 

一言もそんなことは言わなかったけれど

 

彼女の話を聞いていると

 

おそらくこの方の原動力は

 

「人の役に立ちたい」という思いと

 

他者への慈しみとリスペクトなのではないかという気がしました。

 

 

 

 

 

2人で、いろんな話をしました。

 

 

料理を運んで来たスタッフに、丁寧にお礼を言う姿や

 

全身をこちらに向けて話を聞いてくれる真っすぐな瞳の奥に宿る温かな光を見ていると

 

亡くなった写真家の友人と話しているような不思議な気持ちになって

 

普段は人に話さないような、心の内まで彼女に打ち明けていました。

 

 

 

 

実は、私にはこのところ嬉しくないことが立て続けに起こり

 

不可抗力としか思えないいくつかの出来事に、自分なりに意味を見出そうとしてみても

 

どうにもやりきれない思いを抱えて過ごす日が続いていました。

 

 

 

あることについては、彼女は偶然その道のプロであり、主観を入れずに、けれどとても寄り添ったアドバイスをしてくれて

 

別のあることについては、「私が感じたことですが…」と驚くほど的確な感想を伝えてくれました。

 

 

 

 

メッセージのやり取りでは、敢えて伝える必要もないと思っていた、いわゆる「ネガティブ」な出来事を

 

彼女もまた同じく経験し、乗り越えて来たことを知りました。

 

 

 

 

 

「仏縁」

 

 

この言葉を、恥ずかしながら私は初めて知りました。

 

 

人が亡くなることで繋がるご縁のことだそうです。

 

 

 

「芽々さんはじめ、私は仏縁で出会ったたくさんの人たちに助けられてきました」

 

と。

 

 

 

私は何も助けるようなことはしていませんが、

 

考えてみたら、姉が亡くなったときに助けてくれたTさんや従姉妹達との縁は

 

まさに「仏縁」なんですね。

 

 

 

 

 

私も大変な思いをしましたが

 

Hさんもまた、相当大変な経験をされていました。

 

なぜか、辛いことって、時期が重なったりするんですよね。

 

 

でも、長い目で振り返ってみると

 

そこには大切なギフトが隠れていたりもするんです。

 

 

 

 

 

 

 

Hさんと出会う前の、私の知っている友人について

 

結婚してからの、私の知らなかった友人について

 

お互いたくさん話をしました。

 

 

Hさんと結婚して、海外に渡り

 

安住の地を沖縄に見つけて暮らしていた友人は

 

たくさんの人たちと出会い

 

たくさんの活動をして

 

私が知っていた時よりも、もっとずっと素敵になって

 

豊かであたたかな毎日を送っていたことが分かりました。

 

 

 

 

よかったね…。キラキラ

 

 

 

 

 

 

Hさんの新幹線の時間が近づいてきたので

 

お店を出る前にお手洗いに行って戻ってきたら

 

既にHさんがお会計を済ませてました。

 

 

私がご馳走するつもりだったのに…あせる

 

 

 

 

 

 

私の方がずっと年上なのに

 

Hさんからは、とても大切なことをたくさん教えてもらった気がします。

 

 

 

 

 

ありがとう。

 

これもきっと、友人からのギフトでしょうね。

 

 

 

 

 

なんか、うまく言えないけど

 

 

人間って、すごいなあ。

 

ご縁って、不思議だなあ。

 

 

 

 

 

 

 

新幹線の改札でHさんを見送って

 

 

まだ帰路に就くにはなんだかもったいなくて

 

 

駅前の階段のベンチで読書をしました。

 

 

 

大きな帆のような 布の天井ごしに射す光

 

肌にあたる風の心地よさ

 

 

階段の横で、すずめが二羽、チョンチョンと遊んでいます。

 

 

 

 

ああ、私たちは生きているんだよなあ…。

 

 

 

 

 

 

五月

 

美しい季節です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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