行ってきました。
ローム ミュージック ファンデーション
スカラシップコンサート
2025年8月23日(土)14時開演
京都府立府民ホール アルティ(京都)
去年のロームスカラシップコンサートから、もう一年が経つんですね。
(↓去年の記事)
京都と東京で、2回ずつ開催されるこのコンサート。
チケットぴあで発売当初、7月26日の方に牛田くんの名前があったので買いました。
が、そのあとよく確認したら、8月23日の出演者の中に牛田くんの名前があったので
そそっかしい自分が間違えたのだと思って買い直しました。
そしたら数日後、チケットぴあのスタッフから連絡が来て
掲載日を間違えていたとのこと。
えーん(T^T)゚。
かろうじて買い直せたから良かったけど
最初に買った方が全然いいお席だったのにぃ~!![]()
7月のチケットは、返送・返金となりました。
小さなホールなので、とりあえず買えただけでもよかったわ。
今回の会場は、初めて行く京都府立府民ホール。
地図で調べたら、京都御所のすぐ隣です。
ちょっと早めに家を出て、ファン友さんと京都在住の彼女のお友達とのランチに便乗させてもらうことにしました(〃∇〃)
地下鉄烏丸線の丸太町駅を出ると、絵本に出てきそうな素敵な洋館。
なんだろう、ここ。建物好きの血が騒ぎます。
帰って調べてみたら、「大丸ヴィラ」という建物で、1932年に建てられたもの。
大丸百貨店の創業者一族が、取引先や来賓をもてなすために使った迎賓館のような別邸だそう。
細部の意匠が素敵なイギリスのチューダー様式の洋館で、時々見学ツアーが開催されているんだって。
そんな素敵な洋館の向かい側に、京都御所はありました。
広い!
歴史があるだけあって、大きな木がたくさんあります。
日本史に弱い私、知的なファン友さん達にあれこれ教えてもらいながら、ジャリジャリと小石を踏んで目的地に向かいました。
目的地はあそこです!
京都御苑内の休憩所。
狭くてわちゃわちゃした休憩所をイメージしていたけれど、広々したとっても素敵な空間です。
お料理も豪華でした。
御所車の器に乗った二段重ねの御膳。
鶏や魚、うなぎなどバリエーションに富んだメニューがありましたが、すき焼きを選びました(*^.^*)
こんなにお料理立派なのに、お値段はリーズナブルなんです。
景色もいいし、最高!
かき氷もありました。
強く惹かれたけど、時間ないし演奏会前にこんなの食べたら絶対トイレ行きたくなりますよね![]()
会場は、京都御所のすぐ近く。能楽堂の隣にありました。
今年も完売。さすがです!
ロビーには、不思議な芸術作品が並んでました。
特にニンジンが気になる。
牛田くん、この猫ちゃん見たかな。
今回のチケット、一般2000円でU30は1000円という破格の安さ。
しかも、一般は1ドリンク付で、受付でチケットを見せてドリンク券をもらい
何種類かの中からドリンクを選んで 頂きました。
お得~!と思ったけど、よく思い出してみたら、去年は一般も1000円だった気が…(^^;)
素敵な日本庭園があると聞いていたので、窓の中から眺めました。
京都府立市民ホール(560席)
(画像お借りしました)
京都の町の景観のように、色味を抑えたシックな色調のホールです。
舞台は低く、両サイドに階段が4段ずつ。
積み木のような直方体を組み合わせて舞台を自由自在に用途によって変えているようです。
客席は、5列目あたりから一列ずつ階段のように高くなり
その段差が他のホールに比べて高いので、視界を遮るものが何もなく
どの席からもバッチリ舞台が見渡せる素晴らしい設計でした。
座席も、木の直方体の間にシートを並べたような感じで
昔の小学校の体育館のような、どこか懐かしい雰囲気でした。
素晴らしいのは、前の列のシートと自分の足元の床に隙間がなく
荷物が置きやすい上に、広々していて人が通りやすい。
横の階段を人が通るたびにミシミシと軋みました。
座席の座面は西陣織のようなシルバーの布製で
天井を見上げると、羽を広げた白い鳩のようなものが無数に並んでいました。
舞台の真ん中にはスタンウェイピアノが置かれ
その奥に見える茶色い四角いオルガン。
舞台上には、横長の
「ロームミュージックファンデーション スカラシップコンサート “はじまり” 」
と書かれた白い看板。
去年のテーマは「輝き」でしたが、今年のテーマは「はじまり」なんですね。
プログラム
奨学生19名。ソロやチームを組んだ16組が演奏します。
(プログラムは打つのが面倒なので写真をご覧下さい m(_ _)m)
一人一人が今日演奏する曲の紹介を、今年のテーマ“はじまり”に絡めたりしながら紹介しています。
フランスの作曲家フォーレの最高傑作のひとつであるカルテットを素晴らしい方々とともに演奏できることをとても光栄に思っています。
彼はこの作品の第三楽章について「私はほとんど無意識のうちに、幼いころに訪れた渓谷で夕暮れに聴いた微かな鐘の音の思い出を音に描いた」と語っています。
つまり記憶のなかに眠る過去の情景が作品の着想を導いたということで、これは作品の“はじまり”として興味深いケースの一つなのではないかという考えからこの作品に引き寄せられることになりました。
皆様にお楽しみいただけることを願っています。
途中休憩は2回。
牛田くんの演奏は、2番目と大トリの一番最後の2つです。
開演時間になると鐘が鳴り、ロームミュージックファンデーションの代表の方の挨拶がありました。
去年と同じく、若い女性です。
本日の公演が完売であるということと、知らない曲が多いかもしれませんがお楽しみください、というようなお話をされました。
あらためてプログラムを眺めると、確かに知らない曲ばかり。
この中で聴いたことあるのって、一番最初のリストのメフィス・トワルツくらいかも。
敢えてメジャーではない曲を演奏しようという主旨なのでしょうか?
演奏会にしては珍しく、舞台右側の下手からトップバッターの奥井紫麻さんが登場しました。
黒いベルベットのドレスに身を包み、ピンヒールで階段状の床を降りて中央へ。
リストのメフィストワルツはかつて牛田くんのリサイタルで何度か聴いたはずですが
久しぶりに聴くと、あまり自分の中で印象に残っていないことが分かりました。
こんな曲だっけ…?
牛田くんのリサイタルで何度か聴いた曲でも、印象に残るものと、そうでないものがあるんですね。
小さなホールは音響がよく
視界もよかったので、舞台が近く感じられました。
岩井さんのメフィストワルツは、光と闇が押しくらまんじゅうしているような印象を受けました。
次はさっそく牛田くんの登場です。
一緒に演奏するのは、ヴァイオリニストの荒井里桜さん。
「りお」さんですと!?
牛田くんの愛猫と同じ名前じゃないですか!
「僕の猫も、りおちゃんって名前なんです」
「あら、ウフフ…」
なんて会話をしたに違いない!(`Δ´)
などと軽く嫉妬していると、お二人が登場しました。
里桜さん(素敵なお名前ですよね)は黒いドレスで、身頃が斜めのカットで上の方が白く
片方の肩からマントのように白い布が垂れていました(こんな説明で分かります?(^^;))。
シスターの衣裳のようでもあり、女性騎士のようでもあります。
牛田くん、黒髪が伸びきった7月のミューザの時とは一転して
茶色いサラサラヘアーです。
衣裳は黒のスーツとグレーのベスト、紺色っぽいネクタイ。
手にはブルーのタオルを持っています。
ピアノの椅子は、背もたれのあるタイプでした。
それぞれ椅子に座ると、まず牛田くんが「ラ」の鍵盤を押して音合わせ。
しっかりとアイコンタクトを取って始まりました。
曲は、シューマン:ヴァイオリンソナタ 第1番 イ短調 Op.105。
予習を怠っていた私、前日にYouTubeで一回だけ聴きましたが、ほとんど憶えておらず
シューマンの曲が聴けるのが嬉しかったです。
荒井さんの音色は、落ち着いてあたたかく
ヴァイオリンなのにチェロのような響きでした。
よくブラッシングされた、ツヤツヤの馬の毛並みのよう。
陰鬱で重苦しい音楽は
灰色に濁った流れの速い川。
ライン川に身を投げようとしているシューマンの姿を見ているようで
不安な気持ちになります。
シューマンの音楽がそうなのか
牛田くんの演奏がそうなのか
牛田くんのシューマンを聴くと
なぜかいつも、私は生々しいほどの 生きたシューマンをそこに感じます。
不安の次に展開された
朝の庭園のような第二楽章にホッとしました。
何度も荒井さんの方を見て、呼吸を合わせる牛田くん。
こんな至近距離で何度も見られたら
私なら動揺してギザギザな音しか出せないわ…(/ω\)きゃー
(↑邪道)
情熱的な第三楽章。
それぞれが同じ熱量で
互いに両極に引っ張り合うようにして生まれる音楽の調和は
うまく言えませんが、ミシンの上糸と下糸のように絡まって
一つの芸術作品を作り出している様を目の当たりにしているようでした。
同時にフィニッシュを迎える瞬間
牛田くんがよく、「様々な楽器の中で、ピアノだけは音が減退していく」
と言っていたのがよく分かりました。
立ち上がったお二人は
「ヤッタね!」「お疲れ様!」と言うように
ニッコリ笑って爽やかにゲンコツをぶつけ合いました。
次は松岡井菜さん(ヴァイオリン)、亀居優斗さん(クラリネット)、坂口由侑さん(ピアノ)のトリオによる
ハチャトリアン:ヴァイオリン、クラリネットとピアノのための三重奏曲。
ハチャトリアンといえば「剣の舞」。私はそれしか知りません(^^;)
登場した3人の衣裳に意表を突かれました。
一瞬男性二人はアロハを着てる?と思ったけれど
よく見たらそれぞれ大胆な花柄模様の長袖シャツでした。
ヴァイオリンの松岡さんは白いドレスですが、右肩から裾に向かって大ぶりの牡丹がプリントされており
3人の衣裳に統一感があるんです。
全体の演奏の中で
このトリオの演奏はとても印象的でした。
滑り出しは、靄(もや)のかかった海を漕ぎ出す木の小舟。
冒険物語の始まりみたい。
注目すべきは、亀居さんのクラリネットの多彩な音色。
滑らかな光沢を放つビロードのよう。
松岡さんの芯のある繊細なヴァイオリンは絹糸のよう。
いや、柔軟だけどこの弾力ある強さはデンタルフロス?笑
だとすると、坂口さんのピアノは風にたなびくインド更紗?
亀居さん、松岡さんの、心のまま自由に踊るように膝を使った柔らかな体の動き。
演奏を心から楽しんでいるのが伝わってきて、聴いているこちらもワクワクと楽しくなりました。
一人一人のエネルギーが共鳴し、混ざり合い、新しい何かが熱を持って生まれてる。
目に見えないけれど、しっかりと伝わる何か。
やがてピアノは足音のように 白い砂漠に一歩一歩足跡を残して進みます。
目の前に広がるシルクロード。
エキゾチックな音楽は、ちょっとアラビアっぽくもあり
クラリネットはヘビ使いの笛のよう。
最後は、アマゾン川を進むカヌーのように
目の前に広がる極楽鳥や南国の花の鮮やかな世界。
あー、楽しかった~!
演奏後、舞台袖に向かう松岡さん。
こんなに小柄な人だった?と意外に思うほど
パワーを凝縮したような魅力がありました。
薄暗い照明の下で、目を凝らしてプログラムを眺めました。
牛田くんのソロ・リサイタルやコンチェルトの時とは全く違う趣向の今日の演奏会。
楽しいな。
知らない曲、知らない演奏家。
いろんなものがギュッと詰まってて
子供の頃、学習雑誌が届いたときのような気分。
紐で括られた膨らんだ雑誌の中に挟まった
組み立て式の付録や、いろんな読み物、
漫画や読者からの投稿、懸賞のページ。
ハサミで紐を切り、ページをめくるときに感じるインクの匂い。
今日の演奏会は、そんな感じ。
しかも、ちょっと後ろの席になったおかげで
全体を客観的に気軽に楽しめるのも心地よい。
次のピアニストの名前が「島多璃音」とあったので、女性ピアニストをイメージしていたら
登場したのは、黒いシャツとパンツ姿のメガネをかけた若い男性ピアニストでした。
ピアノの前に座り、弾き始めるまでにかなりの「間」がありました。
彼が弾いたのは、
ラヴェル:「…風に」より 1.ボロディン風に、2.シャブリエ風に と、ラ・ヴァルス(ピアノ独奏版)。
無知な私には、ナンノコッチャなタイトルです(^^;)(フランス料理みたい)。
前半で、誰かの携帯電話のメロディが鳴って、ちょっとヒヤヒヤする場面もありましたが
島多さんの演奏、さっきまでのピアノとは、まったく違う音色で驚きました。
おぼろげに 何かが琴線に触れる懐かしさ。
砂糖をまぶした缶入りドロップの優しい色調。
ずっと昔好きだった、母の使う香水の瓶や宝石みたいな化粧石鹸。
子供の頃に感じた、大人の女性への憧れや夢。
おしゃれで優しくて、ふんわりと繊細で。
次に浮かんできたのは、幾何学模様の蓋のオルゴール箱。
大切な宝物をしまう箱。
森で拾ったどんぐり、綺麗な色のボタン、おもちゃの指輪…。
なんかもう、ウットリ。
彼が創り出す世界観にすっかり引き込まれ
ちょうど1年前のこのコンサートで、中川優芽花さん(皆さん本当に素敵なお名前ですね)の演奏に魅了されたときの感覚によく似ていました。
最後の方はパリの夜。
紫色を背景に、ぐるぐる回るメリーゴーランド。
流れるように繰り返されるグリッサンド。
島多璃音(りいと)さん。
独特の美学や世界観をお持ちの方だと思います。
今後注目したいピアニストです。
演奏が終わった瞬間、男性の声でブラボーの声が上がりました。
第一部の最後は、保科瑠衣さん(ソプラノ)と奥井紫麻さん(ピアノ)。
モーツァルト:「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」K.165。
保科さんが登場した瞬間から、釘付けになりました。
貫禄と自信に満ちた存在感。人を惹き付ける笑顔。
プログラムの写真ではロングヘアだった黒髪はショートカットで、大ぶりのイヤリングが耳元で揺れてます。
ギリシャ神話に登場しそうな白いドレスの保科さんの歌声は本当に美しく
舞台中央に立つ その立ち姿や表情
指先や視線の動かし方に至るまで
歌を歌う人って、音楽を学んで歌うだけでなく、その人自身が役者でもあるのだと思いました。
「演奏家は舞台に登場した瞬間から、聴衆を魅了しなければならない」
中村紘子先生が言っていた言葉の意味がよく分かりました。
奥井さんのピアノも透き通るようで
清らかなマイナスイオンがホール中に満ちているように感じました。
あらためて、今日のこの演奏会は、音楽を学ぶ若者のエリート中のエリートが集結しているのだと実感しました。
なんて贅沢な演奏会。
今日、この舞台に立つ19人の若き音楽家一人一人の
今日までの道のりに思いを馳せてみたら
なんだか急に胸が熱くなりました。
彼ら彼女らが、音楽と出会った瞬間。
音楽を学び、音楽と共に生きていこうと決めるまでの経緯。
彼らを見守り 支えてきた家族の存在…。
歌が終わると、今回もブラボーの声が飛びました。
休憩時間にトイレに行きましたが
トイレの数が少なすぎてびっくり。
私が行ったところは、2つしかありませんでした![]()
休憩が終わって席に戻ると
舞台中央にはさっきまでピアノの向こう側にあったオルガンがセットされていました。
奏者が客席に背中を向けるような形で置かれているので、オルガンの様子がよく見えます。
昔、従姉妹の家にあったエレクトーンにちょっと似てるかも。
椅子が長い。ものすごく長い。
オルガンの鍵盤と同じくらいの幅があります。
そして、その下には たくさんのペダル。
これ、パイプオルガン…?
登場した東方理紗さん(パイプオルガン)は、ノースリーブの黒いブラウスとパンツ姿という、ちょっとラフな衣裳でしたが
演奏が始まって、その理由が分かりました。
椅子の左側から、お尻をスライドするようにして中央まで移動すると、演奏が始まりました。
バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564。
タップダンスみたいに、20個はありそうなペダルを踏んで演奏します。
すごーい。難しそう!
低いバリトンで奏でる、足だけのオルガンの音色。
こんな演奏を聴くのは初めてです。
手の演奏が加わると、重厚感が増しました。
オルガン独特の、寂しげで どこか陰鬱な音色。
石造りの暗い教会の中にいるように あまり色を感じません。
十字架に磔(はりつけ)になったキリストの石像
細長く尖った アーチ型のステンドグラス
ろうそくの光
おごそかな気分になりました。
こんな体験、なかなか出来ない気がします。
続いて、北村陽さん(チェロ)による、ゴダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.8より第3楽章。
「Z.ゴダーイ」という作曲家を初めて知りました。
曲のタイトルから、勝手にバッハの無伴奏チェロ組曲のようなイメージを抱いていましたが
まっったくの別ものでした。
わざとなのか 偶然なのか
弓の硬い部分がチェロに当たる音が、和太鼓のバチの音のようにも聴こえたりして
これはもう、アクロバティックなチェロの超絶技巧!
斬新です。
次の亀居優斗さん(クラリネット)、山本航司さん(サクソフォン)によるB.マントヴァニ:メタルは
作曲家もタイトルも初めてで想像がつきませんでしたが
フランスの現代音楽作曲家のブルーノ・マントヴァニは、サクソフォンの山本さんがパリ音楽院に入学した当時の学長でもあったそうです。
それぞれ2本ずつ楽器を持って登場し
それを交互に使い分けて演奏されました。
「メタル」というタイトルから想像するのは「ヘビーメタル」的な硬くてとんがったイメージでしたが(私はヘビメタをよく知りませんが)
車のクラクションがずっと鳴っているような不思議な曲で
正直、私にはよく分かりませんでした(^^;)
次に登場したのは、作曲家の室元拓人さんでした。
プログラムに、モーツァルトやバッハと名前を連ねてこの方の名前がありましたが
奨学生の中には作曲家もいらっしゃるんですね!
室元さんは、これから演奏される2曲について説明して下さいました。
曲名は『凍てつく火花』と『シュヴィムシヒテン-虹の幻影』。
熱い火花が「凍てつく」とは、矛盾した面白いタイトルです。
シュヴィムシヒテンは、「世界初演」とプログラムに書いてありました。
化石の瑪瑙(メノウ)から着想を得た曲だそう。
凍てつく火花を演奏するために、再び島多璃音さん(ピアノ)が登場したので嬉しくなりました。
がしかし、
さっきと打って変わって斬新すぎて衝撃的で、コメントのしようが…(^^;)
弾き終わって立ち上がると、室元さんを称賛するように胸に楽譜を抱えてニッコリ挨拶する様子が可愛らしかったです(男子ですよ)。
シュヴィムシヒテンを演奏する亀居優斗さん(クラリネット)は、今度は黒い上下で登場しました。
メタルの時はベスト姿だったと思うので、本日3回目のお召し替えです。
手には2本のクラリネットを持っており、譜面台のような小さな台もありました。
え…?
台の上の2つの石を手に取ると、火打ち石のように打って始まりました。
で、クラリネットを吹く前に「ココッ」とか「カッ」とか言ってます。
え…?
かと思えば、リードの着いた1番上のパーツをはずした状態でクラリネットを吹いてみたり
またしても、なんか「カッ」みたいなことを言ったり…。
ど、どう受け止めれば…。
どうしよう。突然ツボに入ってしまった…![]()
必死で自分の腕に爪を立てましたが
「面白い」という視点で見始めると面白すぎる(^^;)
イカん!芸術の冒涜になってしまう。
気のせいでしょうか?前の席の男性の肩が震えています。
あまりにも斬新すぎて、古い人間の私にはちょっと理解できませんでした。
「斬新」「世界初」で思い出したのが、今年2月に愛知の東海芸術劇場で聴いた向井航さん作曲の「不死鳥」です。
さっきパラパラとプログラムをめくっていたら、
最後のページに、この向井航さんが登場していてびっくり。
しかも、「向井響さん、航さん」って連名になってますよ。
知らなかった!この方、双子だったのね!!
第二部の最後は、白井翼さん(テューバ )、安並貴史さん(ピアノ)、荒井里桜さん(ヴァイオリン)による
A.S.アレンスキー:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op.32より 第1、3、4楽章でしたが、長丁場だったので、このあたりからちょっと集中力が途切れてきました。
嬉しかったのは、ピアノが安並さんだったこと。
牛田くんが第二位に輝いたときの、浜松国際ピアノコンクール以来です。
黒いシャツに真っ赤なネクタイの安並さん。
アニメのルパン三世みたい。
長い髪を後ろで結んだ白井さんのテューバは、大地のような音色でした。
休憩後のトップバッターは、坂口由侑さん(ピアノ)によるブラームス:4つの小品Op.119。
美しいメロディの曲を、気持ちよさそうに恍惚の表情で演奏されてました。
このあたりから私は牛田病発症…。
ふと突然、一昨年の春、八ヶ岳高原音楽堂で 牛田くんのブラームスソナタを聴いたときのことを思い出しました。
ピアノの向こうに広がる 芽吹く前の山の景色。
世界中の楽器が一斉に鳴り出したような最終楽章。
演奏が終わって、ちょっと心もとない少年のように見えた 柱の近くに立ってお辞儀をした牛田くん。
ああ、また牛田くんのブラームスが聴きたい…。
続く五十嵐健太さん(サクソフォン)、安並貴史さん(ピアノ)によるモーリス:プロヴァンスの風景は、
すみません、集中力が途切れて印象に残ってません![]()
安並さんのネクタイが茶色っぽいのに変わったことだけ憶えています。
あ、あと五十嵐さんが頭に巻いていた黒いハチマキ(?)が、私のところからは二次会のゴキゲンなサラリーマンが頭に巻いたネクタイのように見え(ごめんなさい)、
「え?ネクタイ?なわけないよね?ハチマキだよね?」と、低次元なことで秘かに自問自答してました(;^ω^)
奥田ななみさん(ピアノ)は、ストラヴィンスキー:ピアノ・ラグ・ミュージック、J.P.シェーニュ:賛美歌Ⅳ、プロコフィエフ:トッカータ ニ短調Op.11の3曲を披露。
シェーニュの賛美歌Ⅳも世界初演でした。
黒いブラウスに白いイカの頭のようなパンツのデザインが印象的でした。
3曲目のプロコフィエフは、パワフルでキレッキレでしたが、不協和音が多くてうっとりする感じではなく
あまりよく知らないけれど、プロコってやっぱりちょっと苦手かも、と思いました。
コンチェルトの3番は好きなんだけどね。
こういう、うっとりするような美しいメロディというよりは、ちょっと理解が難しい曲って
聴く側よりも、きっと演奏する側が楽しいんでしょうね。
複雑なゲームを攻略してるみたいで。
うちの娘も美しい曲を好まずに、破壊的だったりクセのある曲を好んで演奏します。
文学、アート、音楽など
芸術全般に言えるのかもしれませんが
現代的で、理解できる人間を選ぶような難しい作品って
なんだか頭がよさそうな印象があります。
私は原始的で単細胞な人間なので
やっぱり分かりやすくうっとりできるものが好き(*^.^*)
でも、ピカソの絵なんかもそうだけど
最初は時代を先取りすぎていて、すぐには受け入れられなかったものも
時代と共に評価されたりしますもんね。
そのうちに、今私が「理解できない」と思っているものも
支持する人が増えて行くんでしょうか。
だけどやっぱり、理屈抜きに美しいものって
大昔から愛され続け
これからもずっと、人々に愛されていく気がします。
モーツァルト然り
ショパン然り
…って、話が逸れました(;^ω^)
演奏が終わって立ち上がり
ニッコリ微笑む奥田さん。
んまあ!なんてチャーミングな方でしょう!
さあ、とうとう大トリ、牛田くんの登場です。
戸澤采紀さん(ヴァイオリン)、笠井大暉さん(ヴィオラ)、水野優也さん(チェロ)とのカルテットで演奏するのは
フォーレ:ピアノ四重奏曲 第2番 ト短調 Op.45より 第2、3、4楽章。
天井まで続く、高い高い扉が開き
演奏者が順番に登場しました。
水色の表紙の楽譜を手にして登場する牛田くん。
サラサラの茶色い髪
颯爽とした足取り。
ただ歩いているだけなのに、なぜにこうも清潔感と品格に溢れているのでしょう。
いきなり激しく始まりまった、テンポの速いピアノと弦楽器のピチカート。
そっか、第2楽章からだもんね。
軽やかな疾走感。
猛スピードで走る馬車の窓から、移り変わる景色を眺めているみたい。
ピアノが繰り返す旋律は、なんとも印象的なフレーズです。
うわあ、新鮮!
勝手に伴奏的な役割かと思っていたら
牛田くん、こんな凄い曲を練習してたのね!
穏やかで心地よい第3楽章。
静かに歌い、囁く弦の音色。
ゆらゆら揺れる 月影のようなピアノ。
静かな祈り。
深い海の底から
水面に向かい上がっていく いくつかの小さなあぶく。
淡いブルーグリーン。
夢見るような世界。
ああ私、こんなふうにうっとりさせてもらうのを待ってたの。
弦とピアノの穏やかな対話。
プログラムに戸澤さんが「美しい転調がフォーレ自身の新たなる世界の“はじまり”を彷彿とさせる」と書いてありましたが
本当に。
混沌と、現実世界と夢の世界を行ったりきたりしているみたい。
大きく広がり、深まる世界。
時々ひとりごとを言うピアノ。
やがて白い貝が、ゆっくり閉じるように第3楽章が終わりました。
初めて聴く曲なので、どんな風に着地するのだろうと思っていたら
第4楽章は嵐のような激しい曲でした。
牛田くんの上体が、ダンスをするように前後に揺れて
髪がふわりと踊ります。
ん?いきなり挟み込まれる三拍子。
肉厚で上質なピアノ。
3つの弦楽器の音色の美しさ。
次々調を変え、高まる緊迫感。
それぞれの音が重なり合って、太い一本の音色になり
樹齢何百年もの巨木を見上げているような気分。
昆虫目線になって、黄色い蝶の羽ばたきをスローモーションで見ているみたい。
軸を変え 時空を越えて 大小様々な命が息づく世界。
ああ、やっぱり安心する正統派の音楽。
結局私は、いつもここに戻りたくなる。
牛田くんが創り出す 揺るぎない音楽に。
何度も3人の方に目をやる牛田くん。
こんなにも共演者に視線を向けて、呼吸を合わせるピアニストはほかにいない気がします。
エネルギッシュに盛り上がり、フィニッシュを迎えると
同じく熱くなった会場から、ブラボーの声が飛び、大きな拍手が起こりました。
素晴らしかった!
互いを讃え合い、笑顔で舞台袖に消えた奏者達。
今度はすぐさま牛田くんを筆頭に再び登場し
4人に続いて、出演者全員が舞台の上に姿を現わしました。
横一列になって挨拶をする若き音楽家達。
今日演奏を聴いた全員に、これからもエールを送りたい。
ホールを出ると、もう外はすっかり暗くなってました。
時計を見ると7時近く。
駅に向かう途中、京都在住のファン友さんのお友達が、ちょっと珍しい神社を教えてくれました。
護王神社。足腰に御利益のある神様がいるそうです。
足の裏が描かれた巨大な御守りが鳥居の所にぶら下がっています。
うわ~、面白い!
足腰の神様なので、お年寄りにも人気だそう。
狛犬の代わりに、足腰丈夫な狛イノシシが祀られているのも珍しい。
今度明るいときに、ゆっくり訪れてみたいです![]()
アーカイブ配信チケット 本日よりこちらで購入できます。
金額:500円
配信期間:2025年9月26日まで
それでは、また。
(^-^)ノ~~




























