個人的な内容になりますが、備忘録として書いておこうと思います。

 

 

 

 

 

 

先日、姉の納骨が無事に終わりました。

 

 

 

 

 

何もかも、突然で初めてで、分からないことだらけで

 

なのにやらなければならないことが多すぎて

 

まるで別の人生を生きているような最近の毎日です。

 

 

身体が5つくらい欲しい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

火葬が済んで白い箱になった姉。

 

 

母が入院してからは、実家の割と近くに住む母の妹(私と仲良しの松本の叔母と区別するために「おば」と書きます)の家に置かせてもらっていましたが

 

いつまでもそのままにしておくわけにはいきません。

 

 

 

 

 

とはいえ、

 

 

高校卒業と同時に地元を離れてしまった私には

 

田舎のこんなときのしきたりや手順、お金のことや「常識」が全くわかりません汗

 

 

祖母や父の時、どうだった?と聞いてみたくても

 

母は何も憶えていないと言うし、姉はもういません。

 

 

家は焼けてしまい、お経をあげてもらう場所もありません。

 

 

 

何人かに聞いてみると、お経をあげてもらう「お布施」には決まった金額がなく

 

戒名(かいみょう)をお願いした場合、宗派やお寺によって本当にまちまちで

 

文字数や字の「格」によっては100万円以上するとのこと。

 

 

 

 

え…?あせる

 

 

 

 

名前をつけてもらうだけで100万円?

 

どんな基準…?

 

(思わず「坊主○儲け」という言葉が頭をよぎりました(^^;))

 

 

要るの?そんなの?

 

 

 

 

とはいえ、祖母も父も

 

たしか戒名をつけてもらっています。

 

 

 

 

親身になってくださる民生委員さんのアドバイスも頂いて

 

お寺に直接電話して

 

恥を忍んで事情を話して方丈さまに相談してみました。

 

 

「正直あまりお金が出せません。失礼を承知でお願いしますが、シンプルでいいので戒名をつけていただけますか?」

 

と。

 

 

 

祖母の時も父の時もお世話になった、おそらくまだ40代前半の若い方丈さま。

 

 

電話の向こうで、ちょっと悩んでいる様子がうかがわれ

 

 

とても良心的な値段で戒名をつけていただくことになりました。

 

 

 

 

当日はお墓で集合することにして

 

石屋さんを手配しておいてください、ということと

 

お線香とお花、お供え物を用意してきてください、とのこと。

 

 

 

 

「石屋さん」…?

 

 

そっか。お墓の下にお骨を納めたり、墓石に名前を彫ってくれる石屋さんが必要なのだそうです。

 

 

知らないことばっかり😅

 

 

 

 

これまたどうしてよいか分からず

 

そしたら、おばが知っている石屋さんを紹介してくれました。

 

 

 

 

 

 

 

今回の納骨は、私一人でもいいと思っていました。

 

 

母は入院中だし、松本の叔母の家から我が家のお墓は遠く

 

姉の火葬にも来なかった妹が納骨に来るはずもなく

 

火葬の時来てくれた従姉妹達は

 

一人は海外に住んでいる娘家族を訪ねて不在、

 

もう一人はこの4月に新しい仕事に変わったばかり。

 

 

 

 

ちょっと寂しいかもしれないけど

 

その分うんと心を込めて姉を送り出してあげよう…。

 

 

 

 

 

 

東京から長野に行って

 

母の病院を訪ねたり、役所や銀行で様々な手続きをしたあと

 

80代のおばが車を運転して、打ち合わせのため石屋さんに連れて行ってくれました。

 

 

 

 

それが…

 

 

 

 

店の前にこんなものが!

 

image

 

 

 

急にテンション上がって興奮する私に、やや引き気味のおば…😅

 

 

だって、だって

 

石で出来たこんな大きくて立派なだるまさん見るの初めて!

 

 

 

 

 

 

 

お店の中に入って、明日の打ち合わせをさせてもらいましたが

 

 

石屋さん、既に我が家の墓に行って様子を見て下さったそうで

 

・戒名を彫るのか

・元々の自分の名前を彫るのか

 

これもまた、様々なパターンがあるのだそうです。

 

 

一般的には、戒名の方が長いことが多い(&ありがたい?)ので、戒名を彫る方が高くなるそうなのですが

 

「当日自分も行くので、そこで方丈様も含めて相談しましょう。値段は一律で大丈夫です」

 

と、こちらもとても良心的な値段(相場が分かりませんが、多分)で請け負って下さいました。

 

 

 

 

それよりも、

 

「墓石」「納骨」という言葉から、暗くて重々しいイメージをしていた私。

 

 

入口のダルマ様ですでにハートを掴まれましたが

 

この店内、なんだか芸術的な香りがプンプンします。

 

 

おばとの会話を聞いていると、ご両親は有名な吟遊詩人とお茶の先生だったとかなんとか。

 

私と同世代のこの石屋さんも、元々は普通の会社員だったのに

 

あるとき焼き物体験でろくろをまわしてみたら、先生もびっくりするほど上手に出来てしまい

 

強く勧められて、彫刻師に3年ほど弟子入りして、彫刻を学んだそう。

 

とても立派な観音様の写真も見せて下さいました。

 

(すみません、結構このへんの記憶は曖昧です(^^;))

 

 

 

 

 

 

店内に、こんなものが。

 

image

 

 

なんとこれ、お骨を砕いた粉を使って作った「想い玉」。

 

 

ボーンチャイナからヒントを得たそうです。

 

 

 

時代も変わり、「亡くなったら墓に入る」という昔ながらのしきたりも

 

様々な事情で多様化してきている昨今。

 

 

大切な家族の骨と常に一緒にいたいと思う人も多い。

 

 

そこで、芸術家気質のご主人が考えたのが、この「想い玉」。

 

 

家族のお骨をお墓に入れなかった人や

 

入れたけれども、亡くなった家族をいつも近くに感じていたい人や

 

お別れした大切なペットを何かの形にしたい人達のために

 

粉にしたお骨を混ぜて、玉にすることを思いついたのだそうです。

 

 

 

 

試行錯誤を重ねて出来た、こんなに沢山の美しい想い玉。

image

 

 

うわあ、いいですね。すごくいいですね!

 

 

生前のご家族の好きな色とか、誕生石の色とか

 

宝石みたいな色のもあるし、地球や惑星のような色もありました。

 

 

「たとえば、サッカーボールや野球のボール、プラネタリウムみたいなデザインも出来るんですか?」

 

と尋ねると

 

「ああ、球体だから出来るかもしれませんね。それ、面白いですね。」

 

とのこと。

 

 

 

 

入れ物や、置き台、座布団なども、いろいろ考えているそうです。

 

image

 

ペットの猫ちゃん用のこんなものも。

 

 

 

 

 

 

 

山好きのジャックは「自分が死んだら墓はいらないから山に骨をまいて欲しい」と昔から言っていましたが

 

めんどくさいので自分が先に逝きたいと思ってました(笑)

 

 

石屋さんによると

 

「分からないようにやる人もいますが、山は私有地のことが多いので、ヘタしたら犯罪になってしまいます。海にまくのを請け負ってる業者もあるんですよ」

 

とのこと。

 

 

 

 

 

興味津々で楽しくなって話が終わらなくなり

 

さっきからやや引いているおばに促されて店を出ました(^^;)

 

 

 

 

 

 

 

帰りに、懐かしい神社に寄って二人でお参りしました。

 

image

 

 

子供の頃、この神社の隣の保育園に通っていて

 

毎日神社の境内で遊びました。

 

私の印象では、もっともっと古くて暗かったので、途中で新しくなったのかもしれません。

 

 

 

境内には、大きな木がいくつもあって、洞のようになっていたり、根っこの近くにドアのような形の模様があったり。

 

園児だった私達は、その木の中にタヌキが住んでると信じていました。

 

 

 

 

タヌキの木は、伐採されてしまったのか、もう見当たらなかったけど

 

綱が巻かれた高いご神木を見上げると

 

枝にいくつものヤドリギがあって

 

その遙か上を、飛行機が白い線を引きながら飛んでいるのが見えました。

 

image

 

 

 

 

 

 

 

花や野菜を栽培する職場で働いている従妹が、職場からお墓に持って行くための花をたくさんもらってきてくれました。

 

 

おばは、お供えのお菓子を、いくつも用意してくれてありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

納骨の日、おばも一緒に行ってくれました。

 

 

久しぶりに行った我が家のお墓。

 

花を供えていたら、石屋さんと方丈さまが到着しました。

 

 

 

 

白い木の札に墨で書かれた姉の戒名を、方丈さまが見せて下さいました。

 

 

全部は覚えていませんが、「覚」「静」「純」の文字、そして、ひらがなの姉の名前を漢字にあてた文字が入っていました。

 

 

父が亡くなったとき、打ち合わせに来た方丈さまは、白いノートを広げて

 

生前の父の性格や趣味などを聞いて、戒名の参考にされていました。

 

 

今回はそんな時間も余裕もなく、姉に関する情報も伝えずに不躾に電話で頼んでしまったというのに

 

勉強が出来て、控えめで、少女のように純粋だった姉そのもののようなその文字を見たら

 

ありがたくて 嬉しくて、なぜか姉に再会したような気持ちになって

 

じわっと目が潤んできました。

 

 

 

お線香に火をつけて

 

お経を唱える方丈さまの後ろに立って合掌しながら

 

 

それまでずっと堪えてきた感情の糸が切れたように

 

涙が溢れて止まらなくなりました。

 

 

寂しくて 

 

悲しくて

 

恋しくて 

 

可哀想で 

 

せつなくて…。

 

 

 

 

 

止まらない涙と一緒に

 

咳も出て止まらなくなり

 

 

そんな私の背中を、腰の曲がりかけたおばが

 

隣でずっとさすってくれました。

 

 

 

祖母の時も 父の時も

 

こんなに泣いたことはなかったのに。

 

 

 

 

 

 

 

でも、お経が終わって、方丈さまがこちらに振り返るときまでには

 

涙を止めて、背筋を伸ばそう。

 

そう心に決めました。

 

 

 

 

お経を終えた方丈さまは

 

短いお話を聞かせて下さいました。

 

 

2年前、我が家で行った父の49日の法要のあと

 

方丈様もお誘いして家族と一緒に食事をしました。

 

その時の姉の印象を思い出しながら、戒名を考えて下さったそうです。

 

 

 

葬儀や法要で、数えるほどしか会ったことのないはずの方丈さまが

 

姉のことを、ちゃんと見て下さっていたこと

 

こんなに素敵な戒名をつけてくださったこと

 

本当に嬉しかったです。

 

 

 

父の時は、棺桶の中の父にの頭に白い三角の頭巾を乗せ、足元には草履を置き

 

三途の川を渡る道具や、生前のお気に入りの道具を入れ、たくさんの花で飾りました。

 

そうすることで、亡くなった人は、あの世に旅立つ準備が出来るのだと聞きました。

 

 

けれど今回の姉は、あまりにも損傷が激しく

 

死に装束の浴衣さえ着せることが出来なくて

 

白い袋に入れて棺桶に入れたそうです。

 

対面することも出来ず、当然お棺の中には何も入れてあげることができませんでした。

 

 

だから、この新しい名前をつけてもらったことで

 

姉は生まれ変わって、あちらの世界に旅立つことが出来るような気がしたんです。

 

 

最初は迷ったけれど

 

戒名をつけていただいてよかったと心から思いました。

 

 

きっと姉も喜んでいるだろうな。

 

そう思いました。

 

 

 

よかった。

 

 

私自身も、たくさん涙を流したことで

 

どこかスッキリして

 

次に進めるような気がしました。

 

 

 

 

 

 

 

風が強かったこの日

 

奇しくも姉の誕生日でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに実家を訪れて

 

いくつかの書類を運び出しました。

 

どれも煤(すす)で真っ黒でした。

 

 

 

 

色を失った庭の片隅で

 

白い水仙と、紫色のクロッカスがひっそりと咲いていました。

 

 

 

この家でどんな大惨事があっても

 

愛でてくれる家族がいなくなっても

 

静かに咲いている花。

 

 

この春は、大変なことがありすぎて

 

桜の開花を気にしたり見たりする余裕もなかったけど

 

ちゃんと季節は巡って、花は咲くんですね。

 

 

 

 

 

 

 

おばの家に滞在させてもらって

 

アメリカに行っている従姉夫婦の部屋を使わせてもらい

 

実家から運んできた大量の書類の煤を拭き取って

 

1枚1枚、目を通しました。

 

 

 

18歳で私が離れたこの家の

 

いや、もっと前、父と母が結婚した時からの

 

家族のいろんな歴史がこの中にありました。

 

知らなかったこと、驚くこと、泣けること…。

 

 

 

 

 

母は何をどこにしまったのか、すっかり忘れてしまったようで

 

そもそも、それらが存在しているかどうかさえ分からず

 

印鑑や必要書類や充分な情報がないまま様々な手続きを進めていくのは本当に大変です。

 

母本人が役場に出向いて手続きが出来ないため、何をするにも委任状が必要になり

 

その都度電車に乗って、役場と病院を往復しないといけません汗

 

 

 

何度も役所や銀行に足を運ぶうちに

 

窓口の方達と顔見知りになりました。

 

 

「大変ですね。お身体壊さないで下さい。」

 

と、優しい言葉をかけてくださったり

 

高齢化社会に伴う手続き上の様々な問題点や今後の課題を話してくれる職員の方もいて

 

今まで考えてもみなかったことを考えるきっかけにもなりました。

 

 

 

 

 

手続きとか、書類とか、大の苦手な私です(T-T)

 

 

それでも、やらざるを得なくてやっているうちに

 

少しずついろんな仕組みが分かってきて、ちょっと賢くなったような気がします(*^.^*)

 

 

司法書士の先生からスマホに送られてきたメールに添付された書類のPDFを

 

あれこれ調べてアプリをインストールしてQRコードに変換し

 

病院の近くのコンビニで用紙に印刷し

 

母に署名・捺印してもらい、なんとか手続きを完了させたのですが

 

 

後に別件で事務所から送られた料金表を見て

 

私が一人で完了したこの一連の手続きが

 

もしも委託していたら9万円かかっていたと分かったときは

 

ちょっと小躍りしたくなりました(〃∇〃)

 

 

私でも、やれば出来るのね!

 

 

 

 

 

納骨を済ませ、重い荷物を引きずって東京に戻り

 

久しぶりの我が家に着いたら力が抜けて

 

10分だけ休もうと横になったつもりが

 

なんと気付いたら翌朝の6時半。

 

11時間も寝てました(;^ω^)

 

 

 

 

 

 

 

それでもまだまだ、やることが山のようにあります。

 

1ヶ月前は、想像もしていなかった毎日です。

 

 

 

 

明日からまた、長野に行ってきます。

 

実家の近くのかかりつけの病院に母が転院します。

 

 

けれどここが最終の場所ではなく、なるべく早く施設を決めなければいけません。

 

 

 

一緒に住むことは出来ないけれど

 

 

目の前で娘を亡くす、という

 

考えられないほど辛い思いをした母のこれからの人生が

 

少しでも穏やかで幸福であって欲しい。

 

 

そのために、私の出来る限りのことをしようと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、この記事を書き終わって、投稿ボタンを押そうとしたら

 

お友達から私宛の荷物が届きました。

 

 

 

 

 

 

お花だ!

 

image

 

 

 

(T^T)゚。

 

 

 

 

 

昨日LINEで「手違いで贈ってしまった」って謝ってくれたけど、なんのことかよく分かってなくて

 

お誕生日の日にち(21日)を間違えちゃったってことだったのね。

 

 

 

 

ミモザの花はもうとっくに枯れちゃったし

 

何よりお花を買って飾る余裕も

 

お散歩して季節を味わう余裕もありませんでした。

 

 

手違いどころか、ベストタイミングだよ!

 

 

今日はちょうど東京のこの家にいて、受け取ることが出来ました。

 

 

 

ありがとう。

ありがとう!

 

 

 

明るくて優しいこのお花から元気をもらって

 

明日からまた頑張ります。

 

 

 

 

 

 

人は一人では生きていけないんだなあ。

 

 

 

「自分がしっかりしなきゃ!」って、肩に力を入れて頑張っているけれど

 

 

本当はこうやって、たくさんの人達に支えられて生きているんですね。

 

 

 

 

image

 

 

 

 

ありがとう。

 

 

 

今日も感謝をこめて。

 

 

 

 

 

 

 

 

返信する余裕がないので、今回もコメント欄を閉じさせていただきます。

 

m(_ _)m