行ってきました。

 

 

 

2024年2月18日(日)16時30分開演

NHK交響楽団特別講演

パブロ・エラス・カサド&牛田智大

レイボックホール(埼玉)

 

 

 

 

 

日曜の演奏会なので、開演時間が14時からだとずっと思い込んでいて

 

手帳にも「14:00~」と書き込んでいたのですが

 

チケットを取りだして16:30開演だったと気付きました。

 

 

やりかけの作業があったので、なんか得した気分(*^.^*)

 

 

 

 

 

 

会場のレイボックホールがあるのはさいたま市大宮区。

 

あ、そっか。もう「大宮市」じゃないんですよね(〃∇〃)

 

…って、いつの話だ…(^^;)

 

 

 

 

大宮のホールといえば、駅の反対側にあるソニックシティのイメージしかありませんでした。

 

学生の頃、大学の仲良しグループ4人で大江千里のコンサートに行って、そのまま大宮在住の友人宅に泊まり、そこからみんなで学校に行った思い出が。

 

 

 

 

 

 

 

このところ、大宮駅は東北新幹線に乗るときの乗換駅として行くくらいでしたけど、降りてみたら人が多くてびっくり。

 

 

 

 

いつものクセで、マンホールに注目しながら歩いていると

 

 

サッカーボ-ル?

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ああそうか。大宮にはオレンジのユニフォームの大宮アルディージャがありますもんね。

 

 

 

 

 

こんなマンホールも。

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さいたま市の木ケヤキと、市の花サクラが描かれています。

 

 

私、いつのまにかマンホールオタクにもなってる気が…(///∇//)

 

 

 

 

 

 

レイボックホール(別名:さいたま市民会館おおみや)は大宮駅から徒歩2分。

 

 

…ん?このビルがそうでしょうか?

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1階で「レイボックホール」の看板を持ったスタッフがいたので分かりました。

 

 

ホールはこのビルの7階です。

 

 

エスカレーターで上へ上へ。

 

 

新しいビルのようで、内装も入っているお店もオシャレです。

 

 

 

 

途中4階に印象的なオブジェ「生命の門」

(画像お借りしました)

 

 

 

 

 

 

ビル内で何度も目にしたこのロゴ。

 

かろうじて「大宮」までしか読めなかったけど、2022年に建設された官民複合の再開発ビルの名称「大宮角街」だそう。

 

つまり、ホールも一昨年出来たばかりなんですね。

 

 

 

 

 

 

 

到着しました。レイボックホール。

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ビルのロゴ同様、壁のデザインもどこかちょっぴり中華風

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看板の隣に今日もファンからのお花

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バレンタインだから深紅の薔薇の花?

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うわ、めちゃくちゃ素敵~!ラブ

 

なんだか私まで嬉しくなって、何度も見に行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイボックホール(RaiBoC Hall)(1400席)

 

 

 

 

(画像お借りしました)

 

 

新しいだけあって洗練されたデザインです。

 

客席に向かって台形に広がる舞台はひのき張り。

 

座面の明るいグリーンは、関東の最強パワースポットと呼ばれる武蔵一宮氷川神社の新緑のイメージ。

 

「RaiBoC Hall」の名前の由来は、大宮ゆかりの「Railway(鉄道)」、「Bonsai(盆栽)」、「Comic・Cartoon(漫画)」の頭文字からつけたそう。

 

 

 

 

舞台にはオーケストラ用の椅子と譜面台が並び、中央には赤い指揮台、向かって左奥にピアノが置かれているのが見えました。

 

コントラバスやファゴットの人達が舞台で音出しをしていました。

 

 

 

 

 

 

プログラム

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♪ベートーヴェン:序曲《コリオラン》Op.62

 

♪モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491

 

    ~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~

 

♪ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op.67《運命》

 

 

 

 

重厚感ある立派なプログラム。

 

ページをめくると、ベートーヴェンとモーツァルトの肖像画と救いを求める民衆の絵。

 

血のような赤い色は、さっき見た深紅の薔薇と同じ色。

 

 

モーツァルトのピアノ協奏曲第24番も、

 

ベートーヴェンの序曲も「運命」も、全部ハ短調。これは偶然?

 

 

 

 

 

そして指揮者のパブロ・エラス・カサドさん。

 

情熱の国、スペイン・グラナダのご出身なのね!

 

 

なんかもうこれを見ただけで熱い血潮が騒ぐ感じ(≧▽≦)

 

 

 

 

 

 

 

 

オーケストラが登場しました。

 

 

16時半という昼とも夜ともいえない中途半端な開演時間でしたが

 

男性は夜の正装 燕尾服です。

 

 

コンマスは若くスタイルがよくかっこいい。

 

ちょっとのだめの千秋先輩を思い出しました。

 

 

 

 

 

 

そして、登場しました、マエストロ。

 

 

 

あれ…?

 

 

 

パンフの写真を見て私が勝手にイメージしてたのは

 

開襟シャツからモジャつく胸毛を見せつけて、朝から赤ワインを飲むようなタイプの人だったんですけど

 

 

黒っぽいネクタイと三つ揃えのスーツで登場したマエストロは

 

髪にも髭にも白いものがかなり混じり、温厚で優しそうな雰囲気でした。

 

モジャつく胸毛と言うよりは、雪の結晶を編み込んだとっくりのセーターを着て

 

ニコニコしながらホットワインとかサングリアを飲んでそう。

 

 

そして、ちょっとアルパカっぽい。

(失礼になってないでしょうか…(^^;) )

 

 

 

 

 

 

タクトを持たずに登場し、指揮台に上がると手を振り上げました。

 

 

気合いに満ちた息遣いが聴こえ、すべてのエネルギーをひとつにまとめるような

 

この瞬間の集中力たるや凄かったです。

 

 

この方の指揮は、まるで気功みたい。

 

いや、実際指揮って気功に通じるのかもしれない…。

 

 

 

そして、なんとも安心感のあるN響さんの弦の音色の重厚感。

 

さすが、日本を代表するオーケストラ。

 

 

ああ、N響だなー。

 

ベートーヴェンだなー。

 

 

 

 

 

 

 

序曲が終わり、指揮台の手すりがはずされて

 

木の譜面台と赤い表紙の譜面が置かれました。

 

 

中央に運ばれてきたのはスタンウェイ。

 

 

あ、蓋を持ち上げているのは調律師の佐々木さんです。

 

 

牛田くんのことをよーく分かってる佐々木さんなら安心だわ♡

 

 

 

 

 

 

 

 

登場した牛田くんは、今日もスーツの下にハイネックの黒牛田スタイルでした。

 

左手に黒いタオルを持っています。

 

 

 

挨拶をしてピアノの前に座ると、確認するようにマエストロと視線を合わせました。

 

 

 

モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番

 

 

モーツァルトらしからぬ重苦しい短調の3拍子で始まるコンチェルト。

 

一般的にハ短調は「粗野で大胆」なイメージと言われているそうですが

 

N響さんの音色は、気品ある洗練された音でした。

 

 

 

冒頭のオケのパートを聴きながら

 

牛田くんは、確かめるように右足をそっとペダルに乗せたり離したりしていました。

 

 

 

やがて前屈みになり、ものすごい集中力で「無」から「音」を生み出す様は

 

まるで錬金術師のよう。

 

 

落とした一滴のインクが、ゆっくり水に溶けていくように

 

胸の中に心配事が静かに広がっていくようでした。

 

 

 

やがて調を変えモーツァルトらしい軽やかな音楽に。

 

 

冬から春へ。

 

 

心躍らせるように鍵盤の上を走り回る音の妖精。

 

 

 

端正で毅然としたピアノとオケの音色は

 

重い土を持ち上げて地上に顔を出した植物の芽が、もりもりと上へ向かって生命力を漲らせているようでした。

 

 

 

春の訪れに一瞬浮かれたものの

 

我に返って悩み事や孤独を思い出し、行ったり来たりする心。

 

自分の内側から聴こえるたくさんの声に耳を傾けているみたい。

 

 

 

どこまでも深く澄んだ湖をのぞき込むようなカデンツァは

 

完成度の高い芸術作品を眺めているようでした。

 

 

金色の額に縁取られた一枚の絵画。

 

油絵の具で何層にも塗り重ねられ

 

それでいて透き通るような水の色。

 

 

 

第一楽章が終わり、ソリストとマエストロは互いに視線を交わし

 

口を閉じたままの牛田くんが、にっこりと微笑みを浮かべたのが私の場所からも見えました。

 

 

 

 

 

 

第二楽章

 

 

なんて優しく柔らかく心地よい音色。

 

 

一言で表すならば

 

 

「ちょうどいい」

 

 

本当にちょうどいいんです。

 

 

この音色にたどり着くまでに、何度も何度も同じフレーズを弾いている牛田くんの姿が目に浮かびました。

 

 

たった一度の舞台のために、彼はたくさん遠回りをしながら

 

自分の目指す音色を探り当てているのではないかしら。

 

一人、果てしない場所を目指して歩く旅人のように。

 

 

 

普段は人に見せない素顔を見せて

 

葛藤する自分の内面を吐露しているようなピアノ。

 

 

“がんばれ”と、後押しするようなあたたかなオケの音。

 

 

シンプルで規則正しい左手は

 

いつでもどんな時でも寄り添い味方してくれる心強い存在。

 

 

 

楽章の終わりの右手の装飾音は

 

薄桃色のドレスを着た女神がふわりと後ろに立って

 

“大丈夫、それでいいのよ”と、優しく肩に手を当てているようでした。

 

 

 

 

 

 

第三楽章

 

 

胸ポケットに挿した薔薇の花のように

 

胸に燃える青い決意の炎。

 

 

 

前髪がピアノの角に着きそうなほど、前かがみになって奏でるカデンツァ。

 

さらに決意を固めるように音楽に厚みが増し

 

牛田くんの左足が、タップのようにダンダンと床を蹴る音が聴こえました。

 

 

強い意思表明のような音楽のバトンをオーケストラが受け取って

 

自分の中の2つの声のように交互に交わされる会話。

 

 

 

雲が晴れ、聴こえてくるオーボエやフルートの音色は空を舞う鳥の声。

 

束の間の心の休息。

 

 

 

この曲は自己との対話。

 

一人の青年の心の成長物語を見ているみたい。

 

 

 

自分の進むべき道を決め、空想から現実世界へと乗り出していく。

 

向かい風を受け、人の流れに逆らって

 

一歩一歩力強く。

 

 

 

再び厚く垂れこめて、渦巻きながら高速で流れる雲。

 

キレのいいフィニッシュ!

 

 

 

鍵盤から離れた右手が上がり、髪が跳ねました。

 

 

 

 

立ち上がりマエストロに手を差し出して両手で握手。

 

マエストロが右手で牛田くんの手の甲をねぎらうようにトントンと叩きました。

 

 

今さらだけど、音楽に国境はないんだなあ。

 

 

 

 

コンマス、副コンマスにも手を差し出して握手。

 

オーケストラに手をかざし、正面を向いて深々と頭を下げました。

 

 

 

ブラボー、牛田くん!

お疲れさま、牛田くん!

 

 

 

 

 

 

 

 

アンコールは「トロイメライ」でした。

 

 

 

 

加熱したホールの熱を冷ますように

 

すべてを浄化するように。

 

 

浮かんできたのは冬の森。

 

 

しーんと静かな音のない世界。

 

黒い木々の枝や地面を覆う白い雪。

 

 

誰も知らない 足を踏み入れたことのない場所。

 

 

黒い空の上でチカチカと瞬く星。

 

何百年、何千年も前に生まれた光。

 

 

 

 

ありがとう、牛田くん。

 

彼の持つ この深遠で静謐な世界が好きです。

 

 

 

 

 

 

弾き終わり、両膝に手を当てて深々と頭を下げる彼のつむじを眺めながら

 

これから先、一年でも長く、一度でも多く彼のピアノを聴きたい。

 

これからも、彼のピアノと共に生きていきたい。

 

 

そう思ったら、鼻の奥がつーんとしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半の「運命」も最高でした。

 

 

一本の絹糸のような、弦の弱音なんてもう神レベル。

 

 

弦楽器はもとより、フルート・オーボエ・ファゴット・クラリネット

 

それぞれの楽器の音色の美しいこと。

 

やっぱり実力派揃いです。

 

 

巨人・大鵬・卵焼き

 

 

あ、古くてスミマセン(///▽//)

 

 

 

今で言うなら…

 

 

スタバ・N響・オオタニサン…?(≧∇≦)

 

 

とにかく、やっぱりN響さんに任せておけば間違いなしのオーケストラの王道です。

 

 

 

 

そして、注目のカサドマエストロ。

 

柔軟に膝を曲げ、体全を使ったエネルギッシュな指揮。

 

 

 

ベートーヴェン交響曲第5番は、第3楽章の助走から、「ド・ミ・ソーファ・ミレドレド」の勝利の歌が始まる瞬間がたまりません。

 

 

 

 

ああ、幸せ~!キラキラ

 

 

 

 

 

アンコールで登場するとき、マエストロの口が客席に向かって「アリガトウ」と動いていました(^^)

 

 

アンコールは知らない曲でしたが、演奏が終わると、指揮台の手すりに両手をついて、日本風に深々と頭を下げてくれました。

 

 

ちょっと俳優の岡田真澄さんみたいな雰囲気でした。

 

 

 

 

 

 

やっぱり音楽っていいな。

 

今回も、明日を生きるエネルギーをもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

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「シャーマン」…?🤣

 

 

 

 

 

 

ベートーヴェンにちなんで、ファン友さんとドイツビール(多分)で乾杯しました。

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(^-^)ノ~~