行ってきました。
2022年1月10日(月・祝)15時開演
山響ユアタウンコンサート南陽公演
山形交響楽団/指揮:飯森範親
シェルターなんようホール(山形)
元々は行かないつもりだったんですよ。
2日前は、お隣福島の郡山で演奏会。
郡山よりさらに1時間かかるし、今回は見送ろうと。
だけど、発売開始から随分経った頃
どんなホールかな?と、なんとなく公式サイトを見てみたら…
一目惚れしてしまった!
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それに、
お値段2000円と あり得ない価格の上に
「やまがた文化応援キャンペーン」対象公演とやらで
大人でも1600円でチケットが買えるなんて!![]()
え、いいの?
山響さんや牛田くん、損してないのー?
でも、これはもう…
行くっきゃない!
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目的地のシェルターなんようホールがあるのは、山形新幹線の赤湯駅。
温泉のある街らしいけど、駅はパラグライダーを模して建てられたとかで意外と近代的。
山形に行くにはちょっと注意しなければいけません。
東京駅から、同じ時刻に発車する東北新幹線「やまびこ」と、山形新幹線「つばさ」。
この2つ、連結してますが、福島駅で仙台方面の「やまびこ」と、山形方面の「つばさ」に切り離されるんです。
私はこれを5年前にお勉強したから大丈夫![]()
ちゃんと、「つばさ」に乗れるよう、ホーム前方で新幹線の到着を待ってました。
が、
突然、こんなアナウンス。
「山形新幹線の福島-米沢間で発生した人身事故のため、電車は東京駅に1時間遅れて到着します。」
ニャンですとっ!?
1時間遅れ…?
赤湯の駅やホール周辺には時間が潰せそうな施設や観光地がなさそうなので、
ギリギリの時間設定で家を出てきてしまった…。
間に合わないじゃん!
(ToT)(ToT)(ToT)
でも、大丈夫だった。
折り返しの新幹線は、到着から出発までに、時間に余裕を持っているんですね。
清掃などが速やかに行われ、予定通りに東京駅を出発しました。
よかった~!
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山形の天気予報も、明日から雪みたいだけど今日のところは大丈夫そう。
ちょっと寒そうではあるけれど
一昨日の郡山も、拍子抜けするくらい雪とかなかったし(^^)
車内はあったかくて快適。
綺麗なお弁当食べていい気分![]()
窓から見える、さいたまスーパーアリーナの前に人だかり。
身を乗り出して見てみたら、晴れ着を着た新成人達の姿。
そっか、今日は成人の日でしたね!
新成人の皆さま、おめでとうございます!
天気も良くてよかったですね(^^)
福島を過ぎたあたりから、窓の外の景色に異変が…。
あれ?雪景色…?
「南陽」という字ヅラから
なんとなくあったかいイメージを抱いてたんだけど…
めっちゃ雪積もってるじゃん!
(↑ナニモノ?)
普通の靴で来ちゃった…![]()
降りた赤湯駅のホームから写真を撮ったら、まるでスキー場みたい![]()
着きましたーっ!
シェルターなんようホール
(南陽市文化会館)
見晴らしがよく、広々とした中にありました。
少し先には、雪帽子をかぶった山の姿もよく見えます。
郡山に続き、こちらも感染対策が徹底してます。
入り口に立つスタッフの方が、不織布以外のマスクをつけたお客さんに声をかけて、不織布のマスクに着け直してもらってました。
見て!
入ってすぐの光景。高い天井と立派な木の柱。
優しく注ぐ自然光。
まるで教会みたい。
壁には大きなギネスの看板が。
このホール、世界最大の木造ホールとして、2015年にギネスに認定されたそう。
オープン当初から人気のホール。
近くに赤湯温泉もあるので、コンサートがあると温泉宿やホテルが満室になるのだとか。
泊まりで来てもよかったかもなあ…![]()
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館内すべてが木。
建設工事の様子が写真で展示されてましたが、本当に全部木です!
この日はコンサート開催のためクローズしていましたが、小さなお子さん達が木のおもちゃで遊べる「木育ひろば」なるものもあるそうです。
ホールに足を踏み入れて、あまりの美しさと開放感に声をあげそうになってしまいました。
1403席の大ホールは、床も壁も天井も椅子も、ぜーんぶ木。
主に杉、桜などが使われているそうです。
コンセプトは「静けさと響きがよい音響空間」。
「シェルター」というネーミングから、「何か災害があったときに逃げ込める施設?」というイメージを持っていましたが、
もちろん耐火・耐震はしっかりしているものの、スポンサーの「株式会社シェルター」からつけた愛称のようです。
画像を一目見たときから好きだったけど
足を踏み入れ、椅子に腰を下ろして、もっとこのホールが好きになりました。
客席はほぼ満員。
なんでしょう。なんだかとってもいいエネルギーで満たされている気がします。
プログラム
♪ ドヴォルザーク : スラヴ舞曲集 第2集 作品72より 第6曲
♪ ショパン : ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~
♪ シューマン :交響曲第3番 変ホ長調 「ライン」 作品97
オケの曲、郡山ではベートーヴェンだったけど、今日はドヴォルザークとシューマンです。
今日も開演15分から飯森マエストロのプレトークがありました。
スタッフの男性との対話形式でお話しされましたが、お二人のやりとりが軽妙で楽しかったです。
坂本龍一さんもプロデュースに携わったというこのホールは、ホール自体が生き物であり
生き物というのは可愛がってあげればあげるほど言うことをきいてくれる。
というようなお話。
飯森さんと牛田くんは、牛田くんが十代の頃から共演しているけれど
彼の奏でるショパンの美しさはまるでフランスのバカラのワイングラス。
強く触れるとパリンと割れてしまうほどデリケート。
というお話。
今日のプログラムについても、ブラームス、シューマン、ショパンの関連性で繋がっている、と。
「スラブ舞曲集」は、ブラームスがドヴォルザークに依頼して作曲された曲。
シューマンと深い親交があったブラームスは、ショパンと同じ年。
「ライン」とはライン川のこと。40歳頃から精神を病んでしまったシューマンはライン川に投身自殺を図った。
シューマンの繊細さは、病弱だったショパンとも、どこかしら共通するものがある。
こんな感じだったと思います。
オーケストラが登場しました。
1曲目のスラヴ舞曲集。
エレガントで美しい曲調に既にうっとり。
手袋をしたスタッフにより、スタンウェイが運ばれてきました。
赤い布をピアノの上に置くと、鍵盤の上部分の蓋を折り返してその上に倒し
曲線を描いた大きな蓋をゆっくりと持ち上げました。
ピアノがとても大切に扱われているのを見て嬉しくなりました。
拍手の中、登場した牛田くん。
衣装は今日も黒蝶ネクタイのタキシード。
歩きながら軽く右手を胸に当てる仕草が牛田くんらしくて素敵♡
椅子に座ると上着のボタンをはずし、マエストロに向かってにっこりと頷きました。
ショパン ピアノ協奏曲第1番。
ヴァイオリンの音色が絹糸のように艶やかです。
紡ぎ出されたピアノの音色は、
厚みがあり雄大な低音。
クリスタルのようにクリアで繊細な高音。
そして見事なオケとの調和。
う、美しい…![]()
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そして、なんだろう?この心地よさは…。
さっきから感じていたのですが、音の、ホールの息吹を感じます。
楽器から生み出された豊かな音色が、伸び伸びと羽を伸ばし
植物が二酸化炭素を吸収するように
ホールと音色が呼応して、息づいているのを感じます。
一音一音すべてに魂が宿ってる。
繊細なピアニッシモは、
まさに薄いバカラのワイングラス。
妖精の羽ばたき。
光に溶けるように優しくて、明るくて
キラキラと歌う音色にうっとりと身を任せました。
不思議ですね。
二日前の郡山では悲しみを感じた第一楽章が
今日は明るく幸福だと感じるんです。
瑞々しい音色の波は
若く美しい女性が、ドレスの裾をつまみながら
軽やかに素足で踊っているみたい。
やがてくっきりと男性的な音色に姿を変えて
ティンパニーと一緒に力強く着地。
隅々まで血の通ったサウンドは
苦悩や葛藤と対峙しながら
黒蜜のようにとろりと胸に流れ込み
そのせつなさと、甘い痛みに胸がヒリヒリしました。
少しの間を置いた後
マエストロと視線を交わし、こくりと頷いて始まった第2楽章。
地平線からゆっくり昇る朝日。
闇から光へ。乳白色に変わっていく空。
ヴァイオリン、ホルン、ピアノ…。
それぞれの楽器が繋ぐ命のリレー。
ああ、なんて優しく、美しいんだろう…
あたたかなもので胸が満たされて
涙が出そうになりました。
男性的で誠実なピアノの音色。
太い旋律。深く厚い包容力。
この音色は、きっとそのまま牛田くんの器の大きさ、心の広さだと思いました。
あったかくて、優しくて
とろけるような幸せに、思わず口元がほころびます。
ダイナミックに音を立てて溶けていく
春の流氷みたい。
第3楽章は雪溶けのしずく。
透明度が高く、キラッキラです。
雪国信州の私の実家では、毎年たくさんの雪が積もりました。
春先になると、屋根に積もった雪が溶けて
ポタリポタリと雫が落ちる音がします。
長かった冬の終わりと春の兆し。
もうすぐ訪れるあたたかな春を想いながら
心躍らせた幼い日のことを思い出しました。
雪溶けの水は小川となって
勢いよく野山を駆け巡ります。
ピアノとオケは息がぴったり。
笑い声を上げて、ボールのように弾みながら転がる音色。
水を飲む小鳥。
合流して太く逞しくなった川の水は
しぶきをあげながら勢いよく海を目指して走ります。
キャンバスを色鮮やかに塗り上げていく牛田くん。
ああ…。よすぎる!幸せ過ぎる!![]()
私、牛田くんのショパンコンチェルトは2番の方が好きってずっと思ってたけど
牛田くんの1番、最っっ高!
まだ演奏も終わっていないのに
「1番、次いつ聴けるだろう?」
って、思い巡らせてしまいました。
いつも「今回が最高!」って思うのに
牛田くんは軽々とそれを超えてくる。
今日もやっぱり最高!
ステッキを一振りして、カボチャを馬車に変える魔法使いのように
鍵盤を撫でるだけで音の洪水を巻き起こし
突き上げるような喜びと共に
第3楽章が終わりました。
ああ、どうしよう。幸せ過ぎるーっ!
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立ち上がり、マエストロと右手のげんこつをぶつけ合う牛田くん。
深々とお辞儀をする彼に湧き上がる拍手。
アンコールを弾くためにピアノの前に座ると
会場が水を打ったように静まりかえりました。
弾いたのは「トロイメライ」。
牛田くん、このあとの「ライン」のシューマンに繋げたんですね![]()
こんなに優しく美しいトロイメライを初めて聴きました。
ホールに使われているたくさんの木。
それぞれが大地に根を張っていた頃の
枝を広げ葉を繁らせていた頃の姿が思い浮かびました。
そんな木々の一本一本に、そっと子守歌を歌っているようで…。
ああ、木々が聴いている。
ホールが喜んでいる。
人と楽器と自然が三位一体になって生み出されるような音楽。
ホールが深呼吸しているような感覚に思わず涙が溢れ
自分の中で音楽の概念が覆りそうでした。
今日のこと、きっとずうっと忘れません。
休憩時間に入ると、客席のあちこちからため息がもれました。
おばちゃん達が東北訛りで感嘆したように彼を褒める言葉を
とっても嬉しくあたたかな気持ちで聞きました。
来て良かった…![]()
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第二部の「ライン」も素晴らしかったです。
ショパンのコンチェルト1番第3楽章の、海へ向かう雄大な川の続きの物語を見ているような気持ちでした。
そして、山形交響楽団、いいオーケストラだなあ…と。
このホールが、美しいだけでなく
地元の方達にとても愛されているのを実感しました。
またここで聴ける日があるといいなあ。
オーケストラの演奏が終わると
飯森さんが
「アンコールはありません。」
と。
赤湯駅から出ている新幹線は1時間に1本。
お客さんの帰りの足を心配してくださってのことではないかと思います。
先ほどの牛田くんの「トロイメライ」を舞台裏で聴いていて感無量だったと。
皆さまが元気で過ごせますように。
これからもこんな風に音楽を楽しめますように、と話されました。
マエストロの音楽に対する愛と、素敵なお人柄を感じました。
素晴らしい演奏会でした。
素晴らしいひとときでした。
アンコールの紙は、外にありましたが、パタパタしちゃってちゃんと写せなかった(^^;)
駅と会場の距離は徒歩20分。
今回も人の波に付いていけば駅まで行けるだろうと思っていたら
みんな車で来てたのね。次々駐車場にはけてしまった…![]()
手が凍傷になりそうなくらい冷たかったけど
何度も雪で足を滑らせながら、無事に駅まで着きました。
パラグライダー風の駅舎を激写(←韻)したつもりが
足元が滑ってこんな写真に…![]()
とにかく雪がいっぱいでした。
山形交響楽団のTwitter
「ユアタウン南陽公演」終了いたしました✨
— 山形交響楽団🍒Yamagata Symphony Orchestra (@y_symphony) January 10, 2022
ほぼ満席のお客様に感無量。。😭✨
ご来場ありがとうございました!!
ドヴォルザークから始まり、牛田智大さんのショパン、シューマンのライン🎶
プログラムにも繋がりがあり、楽しんでいただけたのではと思います☺
牛田さん、本当に素晴らしかったです✨ pic.twitter.com/D6nYsIvdEy
皆さま!
飯森さんと牛田くんのショパンピアノ協奏曲第1番、6月にありますよ!
2022年6月4日(土)14時開演
練馬区立練馬文化センター(東京)
このお2人のピアノ協奏曲第2番が聴けるのは、こちら。
5月7日(土)15時開演
昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ(東京)
指揮者はカーチュン・ウォン氏ですが、牛田くんのショパンピアノ協奏曲第1番が聴けるのは、こちら。
6月24日(金)19時開演
ザ・シンフォニーホール(大阪)
https://www.century-orchestra.jp/topics/2022-23season-lineup/
(画像、一部お借りしました)








































