行ってきました。

 

 

 

2020年11月29日(日)15時開演

牛田智大 ピアノ・リサイタル

川西市みつなかホール(兵庫県)

 

IMG_9478.jpg

 

 

 

 

実は、迷ってたんです。

 

 

チケットは取ってあったものの、

 

日々激増している感染者の数。

 

そんな中、京都に行ってきたばかりの私。

 

週末とはいえ、前日も予定びっちりでかなりのタイトスケジュール。

 

高齢の義両親のことを思い、見合わせた年末年始の帰省。

 

なのに、両親の住む場所から目と鼻の先の会場に足を運ぶ自分は身勝手ではないかという罪悪感。

 

 

 

だけど、自分の心の声に従うことにしました。

 

 

牛田くんのピアノが聴きたい。

 

後悔したくない。

 

 

 

 

週末とはいえ、

 

コロナ、コロナのこの時期に、

 

特に、大阪での感染者の急激な増加が問題視されているこんな時に、

 

わざわざ関西まで行く物好きも少ないのでしょう。

 

新幹線の自由席はガラガラでした。

 

窓から見えるのは、今日も真っ青な空。

 

おととい京都から帰ったばかりなのに、また東海道新幹線に乗っている自分がなんだか不思議でした。

 

 

 

 

ジャックの実家への帰省のたびに乗る阪急電車。

 

あずき色の外装と、抹茶色のシート。

 

「和」を連想させるこの電車は、私の知る中で最も美しい電車です。

 

 

 

 

 

 

 

「すみっこぐらし」とコラボしているらしく、可愛らしいラッピングが。

 

IMG_9487.jpg

 

車両の中の広告も、すべて「すみっこぐらし」でした。

 

それも、商品広告ではなく、「今日もおつかれさま」とか、そういうの。

 

 

どこまで癒やされるんだ、阪急電車。

 

 

 

最寄り駅の改札で、ファン友さんが待っていてくれました。

 

 

行く途中に、リサイタルの看板。

IMG_9453.jpg

 

 

 

到着しました。みつなかホール。

IMG_9454.jpg

 

 

 

入り口の看板。「完売御礼」です。

IMG_9455.jpg

 

 

 

ロビー上方の壁が、なんだか可愛かったです。

IMG_9457.jpg

 

 

そして、ギリギリまで調律している音が聞こえてきました。

 

 

ホールに足を踏み入れた瞬間、思わず声をあげてしまいました。

 

480席と、小ぶりな今日の会場。

 

失礼ながら、地方の公民館のような場所をイメージしていたのですが、

 

木のぬくもりと、まるで西洋の教会の窓のような石の壁。

 

 

 

ピンク色の椅子の背もたれも、教会の窓のような形をしています。

 

 

舞台に置かれたピアノはスタンウェイ。

 

 

久しぶりにお会いする、遠くからいらしたファンの方の姿もあって嬉しくなりました。

 

 

この日を待ちわびて、今日やっとここに来ることが出来た人。

 

来たくても、どうしても来ることが出来なかった人。

 

みんな牛田くんのピアノを聴きたい一心でチケットを購入し、

 

チケットの数だけ、その人の日常や、事情や、思いがあります。

 

 

座席は、すべて1つおきのソーシャルディスタンスというわけでもなく

 

あれ?密じゃない?いいの…?と思うようなところも。

 

けれど全体的に埋まっているのは3分の2くらいでしょうか?

 

完売御礼のはずだったのに、かなりの人が感染を心配して来場を見合わせたのでしょうか?

 

 

スタッフの方にお尋ねしたところ、

 

当初は座席数の半分の販売だったけれど、

 

一時コロナが落ち着いてきたため追加販売し、座席数の約70%とのこと。

 

先が予測できない中で試行錯誤され、本当に大変だと思います。

 

 

 

 

開演前のアナウンスの前に、教会の鐘の音が鳴ったところも素敵でした。

 

 

 

 

さて、すっかり前置きが長くなりましたが、登場しました牛田くん。

 

 

衣装は今日も黒いジャケットと黒の蝶ネクタイ。

 

手には黒っぽいタオル。

 

サイドの髪は後ろに美しく流れ、前髪は半分おでこが出ています。

 

清潔感ある彼の登場に、会場の空気がさらに研ぎ澄まされた気がしました。

 

 

 

プログラム

IMG_9479.jpg

 

< J.S.バッハ >

 

♪ イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971

 

<F.ショパン>

 

♪ ノクターン第16番 変ホ長調 Op.55-2

 

♪  ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調Op.35「葬送」

 

♪ ワルツ5番 変イ長調 Op.42

 

♪ ポロネーズ第6番 変イ長調Op.53「英雄」

 

      ~ ~ 休憩 ~ ~

 

<F.ショパン>

 

♪ 3つのマズルカ Op.56

 

♪ 幻想曲 ヘ短調Op.49

 

♪ バラード4番 ヘ短調 Op.52

 

♪ 舟歌 嬰ヘ長調 Op.60

 

 

 

 

 

イタリア協奏曲。

 

 

奏でられた音色は、ほろほろとまろやかで、まるで転がるよう。

 

 

うわあ、この音色、大好き!

 

なんて、この会場の持つ雰囲気にピッタリなんでしょう。

 

 

生み出されたあたたかな音色は、ゆっくりと立ちのぼり

 

舞台天井の美しい光に吸いこまれていくようでした。

 

ちょっとヤマハホールに近い印象を受けました。

 

 

直線的な1曲目から、なだらかな曲線の2曲目へ。

 

石造りの教会で、マリア像の前でひざまずき、祈りを捧げているような気持ちになりました。

 

柔らかく慈悲深い音色は、聖母マリアのまなざしのよう。

 

 

跳ねるような3曲目。

 

前屈みの姿勢で演奏する牛田くんの髪や頬が小刻みに震えます。

 

先の見えないトンネルのその先に

 

希望の明かりを見つけたような。

 

今のこの状況から、早くまた穏やかな日々が戻りますように。

 

そんな、牛田くんの祈りのように感じました。

 

 

最初から全力の渾身の演奏に、大きな拍手が起こります。

 

立ち上がり、お辞儀をすると、袖の中へ。

 

 

 

ノクターンは、構えに入ったその瞬間からエレガントでした。

 

で、もうこの時点でバッハではないんですよね。

 

まだ1音も出していないというのに。

 

 

ため息が出るような美しい演奏でした。

 

初めて愛する人に愛された深い喜びを全身で味わっているかのよう。

 

 

これ以上誰かを愛せるのか。

 

 

ショパンのそんな思いが伝わってきます。

 

特にトリルや高音のパッセージの美しさは、もはや「音」というより「光」です。

 

 

牛田くんが中学生だった頃、彼の弾く「乙女の祈り」の甘やかな美しさに魅了され

 

自分の体が溶けて液状化したかと思いましたけど(///∇//)

 

これ、その上をいってますね。

 

 

本当にショパンを「苦手な作曲家」と言っていた人の演奏でしょうか?

 

 

ため息と共に湧き上がる拍手に、座ったままお辞儀をして応えました。

 

 

 

 

ソナタ第2番。

 

 

苦悩の叫びから始まりました。

 

今回の演奏で、私にとって一番印象的だったのは、この、ソナタの第1楽章です。

 

情熱的で、ドラマチックで、重厚で…。

 

ううん、どんな言葉でも足りません。

 

魂の壮大な物語を見ているみたい。

 

ピアノはまるで大きな劇場のよう。

 

たった88の鍵盤から生み出されているのが奇跡のようでした。

 

 

なんで私は、今日ここに来ることを一瞬でもためらったりしたんだろう。

 

 

1楽章が終わった瞬間、立ち上がって「ブラボー!」と叫びたい衝動に駆られました。

 

 

 

断崖と穏やかな凪が交互に繰り返されるような第2楽章。

 

 

ゆったりと始まった第3楽章。

 

死者を悼み、棺を運ぶ人たちの沈鬱な表情。

 

 

展開部では、魂が棺の中から空に昇っていく様子を見ているようでした。

 

 

うなだれたように、目をつぶって演奏する牛田くん。

 

徐々に近付いてくる棺をを運ぶ足音のモノクロの短調と

 

解放され、天上からそれを見下ろしている長調。

 

その対比が見事でした。

 

 

シューマンは、この曲を

 

「ショパンは乱暴な4人の子供をソナタの名で無理やりくくりつけた」

 

と評し、これは斬新なショパンの独創性への最高の賛辞だそうですが、

 

私も牛田くんの演奏を聴くまで

 

「葬送」は、ただ陰鬱な曲だと思ってました。

 

 

こんなに魅力的な曲だったのですね。

 

聴くごとにこの曲の虜になります。

 

 

境目が分からないくらい、続けて始まった第4楽章。

 

もう、死者の魂はここにはなく、

 

あるのは夜の墓石と、塵を巻き上げて音もなく去って行く一陣の風。

 

 

拍手を受けて立ち上がり、挨拶をしてくれました。

 

 

 

ワルツ5番。

 

このトリルが始まった瞬間から、

 

体の奥底から喜びが湧き上がってきます。

 

 

ああ、このワルツ、大好きーっ!

 

(///∇//)ラブラブラブラブラブラブ

 

 

金箔で縁取られた繊細なティーカップが、くるくると回りながらダンスを踊っているみたい。

 

 

エレガントで気品あるその音色は、まるで魔法の粉を振りまいているかのよう。

 

幸せが胸いっぱいに広がります。

 

うっとりと身を委ね、心地よさそうに体を揺らしている人が何人もいました。

 

 

気高く上品。そして華がある。

 

そして、牛田くんのワルツ5番の魅力は、こんなに華やかで楽しいのに、常に知性を感じるところではないかと思います。

 

 

モー牛しっぽ牛あたま

サイコーっ!

 

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

弾き終わった瞬間、ブランと振り下ろされた左手が美しく弧を描きました。

 

 

 

 

続く英雄ポロネーズ。

 

 

毎度同じ表現しか出来ず恐縮ですが、

 

雄々しく凜々しく頼もしく

 

気品に溢れ、すべての人を魅了する、牛田くんの英雄ポロネーズ。

 

魅力的すぎる、この黄金の音色。

 

 

なんというか、「すべてを委ねて大丈夫」と確信するような説得力。

 

 

もしも今、彼が大統領選に出馬したとして、

 

スピーチで一言も語らずにこの曲を演奏するだけで

 

きっと勝利は彼のものになるでしょう。

 

 

たとえ世界の秘宝を手にしていなくとも、

 

この曲を捧げるだけで

 

かぐや姫は月に帰らず彼のものになるでしょう。

 

 

どんな栄養ドリンクよりも、牛田くんの英ポロを聴くとパワーが漲ってくる。

 

 

ああ、やっぱり牛田くんの英ポロは絶品!キラキラ

 

 

 

 

3つのマズルカ。

 

 

秋の収穫期に、金色の光が踊っているような1曲目。

 

 

土の匂いを感じる2曲目。

 

 

両手を高く上げたフィニッシュポーズから、3曲目に入る時の動作の流れが独得です。

 

 

怖がりながら、夜の沼をのぞき込んでいるような3曲目。

 

この3曲目の短調部分は、なんとなく昔からある日本の子守唄を思い出させます。

 

だからいつも郷愁を感じるのでしょうか。

 

 

 

 

幻想曲。

 

入り方がとても丁寧で、牛田くんが作品ひとつひとつを大切にしているのが伝わってきました。

 

 

流れるように。雲の下の大地のように。

 

日向と日陰が交互に訪れます。

 

 

独得のタメ。

 

 

落下して、流されて、

 

一体自分は何者なんだろう?

 

なぜ、ここにいるんだろう?

 

まるで記憶を失ったかのように、自分探しの旅を続ける流浪の民。

 

 

ハッと我に返り、アイデンティティを取り戻す瞬間。

 

 

まるでショパンが憑依したかのような牛田くんの演奏に、つかの間、時空を超えた旅にいざなわれました。

 

 

 

 

バラード4番。

 

 

揺れる木漏れ日のような導入部。

 

やがて表情を変えるこの曲は、いつも胸がざわつきます。

 

今より遙かに無力だった子供の頃の自分が

 

果てしない闇の中で迷子になったかのような。

 

 

かすかにイヤイヤをするように、首を振りながら演奏する牛田くん。

 

命を削るような渾身の演奏に

 

その音色の深さと厚さに

 

圧倒されて鳥肌が立つ。

 

 

運命のうねり。激流。狂気。

 

 

迷子になった魂は、やがて神の存在に気づき、自分が護られていることを知ります。

 

 

運命とは、人生という修行。

 

20歳を過ぎたばかりの青年が、なぜこんなふうに人生を凝縮したような演奏が出来るのでしょう。

 

 

間の取り方。音のない余白。

 

この余白こそ、雄弁な音楽だと思います。

 

またしても、彼の魂の成熟度を見せつけられ、畏怖の念を抱きます。

 

 

時間よ、止まれ!

 

どうか、この指の間から、さらさらとこぼれていかないで。

 

 

身じろぎ出来ない。

 

言葉が見つからない。

 

 

 

これでもかと聴衆を翻弄し、そのまま続けて舟歌へ。

 

 

穏やかな海にたゆたう舟。

 

流されて、彷徨って、旅を終え着地する場所。

 

人生という長い長い旅の終わりに辿り着く、ご褒美のような美しい場所。

 

 

え?このプログラム、すごくない…?

 

生を享け、教会で洗礼を受けて

 

恋をして、青年期を過ごし

 

労働し、充実し

 

人生の荒波に翻弄されて

 

辿り着く港。

 

 

 

もう、完全に白旗。

 

(T T)

 

 

 

…てなことを考えてるうちに、

 

ますます深く力強く、輝きを増す音の波。

 

最後の高音パッセージの美しいことときたらっ!キラキラ

 

 

ああ、今ここが、ショパンコンクールの大舞台だったならーっ!

 

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

 

 

アンコールは「子犬のワルツ」かと思いきや

 

「雨だれ」でした。

 

この柔らかなピアノの音色に合う曲を

 

牛田くん、敢えて選んだのではないでしょうか。

 

聖なる教会のようなホールで、聖母のような音色が奏でる「雨だれ」は

 

まさに「慈雨」でした。

 

今日ここに足を運んできたみんなを

 

不安で窮屈な毎日を頑張ってきたみんなを

 

優しくねぎらってくれているかのように。

 

最後のピアニッシモがどこまでも優しくて

 

じんわりと涙が滲みました。

 

 

ああ、来てよかった。

 

本当によかった。

 

今日も牛田くんのピアノで、旅に連れて行ってもらいました。

 

 

ありがとう、牛田くん。

 

お疲れさま、牛田くん。

 

 

 

 

 

 

梅田阪急百貨店の前は、クリスマスの飾りが綺麗でした。

 

IMG_9469.jpg

 

 

毎年、ここで、その年ごとのコンセプトのディスプレイが行き交う人の目を楽しませてくれると、関西在住のファン友さんが教えてくれました。

 

今年のテーマは「くるみ割り人形」。

 

IMG_9461.jpg

 

 

 

IMG_9463.jpg

 

 

 

IMG_9464.jpg

 

 

 

IMG_9466.jpg

 

 

 

IMG_9467.jpg

 

 

 

IMG_9468.jpg

 

 

 

IMG_9470.jpg

 

 

不安定で我慢を強いられてきたこんな時ほど、こういうのを見ると心が明るくなりますね。

 

 

 

 

阪急百貨店のデパ地下は、素敵なお菓子がいっぱいラブラブラブ

 

 

京都で甘いお菓子をたくさん買って、

 

「しょっぱいお菓子が欲しい」

 

と娘に言われていたので

 

ここでしか買えない期間限定のこんぶだし味のポテトチップスを購入。

 

IMG_9452.jpg

 

 

 


あまりにキュートで、結局買ってしまった甘いお菓子。

 

雑誌で見たことあるわ。行列の出来る人気のお店、Tartine(タルティン)

 

 

箱も

IMG_9480.jpg

 

 

お渡し用の袋も

IMG_9482.jpg

 

 

パッケージも

IMG_9483.jpg

 

 

お菓子そのものも

IMG_9484.jpg

 

ぜーんぶキュートラブラブラブラブラブラブ

 

 

 

 

帰りの新幹線で1人打ち上げ。

 

IMG_9472.jpg

 

北海道でカニを食べられなかった無念さから、かに飯&カップ酒。

(こちら、キュートとはほど遠い(^^;) )

 

 

あっという間にかに飯を食べ終わったので、酒の肴に、お土産のポテトチップス(3袋入り)開けて、1袋食べちゃった(≧▽≦)

IMG_9475.jpg

 

かさばる箱を東京駅のホームのゴミ箱に捨てて、最初から2袋のみ買った顔して帰りました(〃∇〃)

(サイテーか!)

 

 

 

 

トナカイのおせんべいが可愛くて買ったのに、

 

なんと、胴体が割れていた(ToT)

IMG_9486.jpg

 

 

 

 

 

 

最後に、

 

 

仕事のため行くことが出来ず、

 

自分が取った大切な席に私を座らせてくれたファン友さん。

 

 

行き帰りの新幹線でLINEのお相手をしてくれた、

 

体調不良で京都のリサイタルに行くことの出来なかったファン友さん。

 

 

本当にどうもありがとうm(_ _)m

 

 

 

早くすべての皆さまが

 

なんの心配も不安もなくコンサートに足を運び

 

智に幸せな時間を共有出来る日が来ますように。

 

予定されたコンサートすべてが

 

無事に開催されますように。

 

牛田くんが、存分に、思いっきり演奏を楽しめますように。

 

 

 

 

もみじ もみじ もみじ もみじ もみじ

 

コンサート情報です。

 

 

 

2021年3月6日(土)15時~

ピアノ・リサイタル

入善コスモホール(富山県)

 

 

 

 

2021年4月10日(土)14時~

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団

名曲全集第166回(神奈川県)

 

 

 

2022年1月10日(月)15時~

山形交響楽団 ユアタウンコンサート2021

シェルターなんようホール(山形県)

 

 

 

(@^^)/~~~

 

 

 

(画像は一部お借りしました)