その人はいつも
私の職場がある駅から同じ電車の車両に乗ります。
栗色の髪を
顎のラインでバッサリと切り揃えて
背がすっと高く
オーソドックスな品のいい服に身を包み
首元にはたいてい素敵なスカーフを巻いています。
年の頃は50代後半から60代前半くらいでしょうか。
薄く色のついた大きめのサングラスをかけ
口元にはいつもかすかな微笑みを湛えています。
ある日、駅員さんが
「手を貸しましょうか」
と その人に声をかけていました。
その人は「大丈夫です」と
ニッコリ笑って答えていました。
電車が新宿駅で停まり、
大勢の人が行き交う雑踏の中
彼女は白い杖を
右に左にと動かしながら
しゃんと背筋を伸ばして
階段を下りて行きました。
しっかりとしたその足取りと
カツン、カツンと杖が階段に当たる音に
何か歴然としたものを感じ
彼女自身の生きざまを
物語っているように感じました。
しゃんと背筋を伸ばして歩くその姿は
柔らかな微笑みを浮かべたその表情は
「凛としている」
という言葉そのもので
私は彼女を見るたびに
憧れに似た感情を抱きます。
目が見えない彼女の世界は
真っ暗なんかじゃない。
とっても鮮やかで豊かな世界を生きている。
そう思います。
こんな素敵な「今」に至るまで、
もしかしたら彼女は深い絶望を経験してきたかもしれない。
それとも生まれつき
ハンデをハンデと思わず
自分を(周囲さえも)幸せにする術を
知っている人なのかもしれない。
健常者である私よりもずっと
この人は自分の足で歩いている。
そう感じて
ちょっぴり自分のことが恥ずかしくなります。
しっかり生きよう。
この人を見るたびに
そう思います。
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さて、4月になりNHKの新しい朝ドラ
「半分、青い。」が始まりました。
主演は、UQのCMでお馴染みの永野芽郁ちゃん。
名前に「芽」という文字が入っているからでしょうか。
妙に親近感を感じます。
主題歌は今をときめく星野源さん。
俳優に、歌手に、執筆業に、彼は本当に多才な方ですね。
私、彼の書いた本を全部読みましたが、
ユーモアあふれる飾らない文章に、どれも大爆笑でした。
そして脚本はロンバケやあすなろ白書で有名な北川悦吏子さん。
ヒロインの幼馴染みは佐藤健くん。
1971年生まれのヒロインが青春時代を送るのは
あの、日本中が浮かれていたようなバブル全盛期。
もうこれだけ揃ってて、面白くないはずがないです!
私は毎朝7時半に家を出るので放送には間に合わず、
録画して帰ってから見ることにしています。
星野源さんの疾走感ある歌声と、可愛くて爽やかな映像。
今のところまだ子供時代ですが、
この子役の子がとっても上手。
昨日なんて、鈴愛(すずめ)という名前をからかわれて
男の子と喧嘩をするのですが、
それを母親に諫められ、でも理由が言えず、
母親に食って掛かりながらだんだん目がウルウルしてきて
そのうち両目から大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちる。
大好きなお母さんがつけてくれた名前をからかわれたことを言いたくない。
お友達のお母さんと自分の母親を比べて母親を傷つけていることも分かっている。
もう意地らしくって、こっちまでもらい泣きしちゃいました。
テレビをつけると聖子ちゃんやもんたよしのりが歌っていて、
テレビの前にカセットレコーダーを置いて録音するも
家族の雑音で邪魔が入る、なんてところも
自分の子供時代そのもので妙に懐かしい。
まだ見てない皆さま!今からでも全然間に合いますよ~(^^)
ところで、今日の放送は、すずめが左耳に違和感を感じ、
病院で検査を受けるシーンがありました。
このあとすずめは左耳の聴力を失うという、ちょっと胸の痛む設定になっています。
けれどこのハンデをマイナスととらえずに、
むしろどこか楽しみながら生きていくすずめ。
やがて、くらもちふさこさんの「いつもポケットにショパン」を読んで感銘を受け、
漫画家を目指すことに…。
実は私、小学校低学年の頃かかった中耳炎が原因で
右耳が半分ほどしか聞こえません。
人の話がうまく聞き取れず、何度も聞き返しちゃったりします。
電話も左耳でしかしたことがありません。
このブログを昔から読んでくださっている方はご存知かと思いますが
3年前、左耳が突発性難聴と診断されました。
大きな耳鳴りが鳴り続け、
楽しみにして行った牛田くんのリサイタルで、
最初の一音が耳の中で大きく歪んだ時は
ショックのあまり最初から最後まで涙が止まりませんでした。
後にこの病名は突発性ではなく「急性低音性感音難聴」だと分かりましたが、
半年近くたって治ったこの病気、ストレスが溜まると再発すると言われています。
私はこの時、本当に怖かったです。
ただでさえ右耳がよく聞こえないのに、
左耳まで聞こえなくなってしまうのか。
牛田くんのピアノを、もうちゃんと聴くことは出来ないのか。
日常生活さえ、普通に送れなくなってしまうのではないか、と。
今でもあの時期のことは、ちょっとしたトラウマになっています。
あれから3年経ちました。
私の左耳は大丈夫です。
片耳が聴こえなくても日常をハッピーに生きる朝ドラのヒロインに元気をもらっています。
ハンデがある = 不幸・可哀想
では決してない。
それは、周りが決めることではなく
本人が決めること。
朝ドラのヒロインを見て、
電車で会う素敵な女性の事を思い出しました。
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さて、こっちも始まりましたね。
NHKアニメ『ピアノの森』
日曜の夜12時10分(関西圏は12時50分)というすごい時間帯なので、
こちらも録画して見ています。
映像がとってもリアルで美しく、
ピアノを弾くシーンでは、ちゃんと音と鍵盤を押す指が合ってるんですよ!
制作陣の思い入れを感じずにはいられません。
結局明かされなかった一ノ瀬海のピアノの吹き替えは誰かしら?
と、ドキドキしながらエンドロールを見てましたが、
ピアノの吹き替えの名前は一切出てきませんでしたね。
ねえ、一体誰なのーーーーっ!?
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そして、大学生になった牛田くんは、
超多忙な毎日を頑張っているでしょうか。
facebookが終わってしまった今、
想像することしか出来ませんが、
いくつもの新しい扉を開いて充実した毎日を送られていることと思います。
私も大学進学で長野から東京に出てきた18歳の春は、
カルチャーショックと、ドキドキとワクワクとホームシックと…。
人生の大きな節目になる年でありました。
牛田くんは、どんな人たちと出会い、どんな発見をし、
何を学んでいるのでしょう。
22日の八王子で大学生になった牛田くんのラフマニノフを聴けるのが楽しみです。
まとまりのない文章をつらつらと書き連ねてしまいました。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
今日という日が 皆さまにとって素晴らしい一日でありますように。


