みなさまこんにちは。

 

とっても寒い日曜日、群馬県桐生市までコンサートに行ってまいりました。

 

1月28日(日)15:00~

群馬交響楽団 第44回東毛定期演奏会

桐生市市民文化会館

指揮:大友直人

ピアノ:牛田智大

 

前日の27日、高崎の群馬音楽センターで、牛田くんはプロコフィエフピアノ協奏曲第3番を初披露しています。

 

行かれたファン智さん達から、とても素晴らしい演奏だったとうかがっていましたので、それはそれは楽しみにしておりました。

 

 

しかし、群馬県桐生市。

ネットで行き方を検索すると、あまりにもいろんなルートが出てくる。

高崎経由で新幹線を使うと簡単だけど、新幹線代を浮かして在来線で行こうとすると、乗り換えはざらに5~6回。

 

JR湘南新宿スカイライン(こんなのいつ出来てたんかい?)、両毛線、初めて乗る電車を乗り継いで桐生に向かいました。

 

停まる駅が、なんとなく聞いたことあるな、と思ったら、栃木の壬生に行った時とかなり近いルートを通るのですね。

 

そして最後に乗った両毛線は、電車に乗るのにドアの横のボタンを押してドアを開き、中に入ったら「閉」のボタンを押す、という手動式。

外はすごく寒かったので、こういうのいいな、と思いました。

 

それにしても、こっちの電車のシートって、横に長い。

東京ではだいたい7人がけが主流だと思うのですが、数えてみたら14人は座れる。

 

すごいぜ!群馬。

 

 

そういえば、途中の駅の発車のメロディが、森高千里の「渡良瀬川」。

 

 

帰りに乗った「わたらせ渓谷鐵道」は、一両編成のワンマン。

 

夜に乗ったせいでしょうか。

なんだかとっても雰囲気があって、そのまま夜の星空に走り出していきそうな感じでした。

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駅のイルミネーションも綺麗でしたよキラキラ

 

 

 

会場の桐生市市民文化会館。

(お写真お借りしました)

 

座席が薄い黄緑色の布張りで、とっても重厚感があって座り心地も最高。

 

開演前に、渡辺和彦氏(どういう肩書きの方か忘れてしまいました(^_^;) )によるプレ・コンサート・トークが。

 

流暢にいろんなお話をされてましたが、今回はアメリカ音楽特集

だということ。

なのにロシア人のプロコフィエフのピアノ協奏曲が入っていて不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、プロコフィエフは日本を経由してアメリカに亡命してパリに住んだ。

そんな繋がりもあって、今日はアメリカ音楽の演奏会なんです。

 

と言う感じの事をおっしゃってました(ほかにもいろいろ)。

 

 

オーケストラの団員がぎっしりと舞台の上の椅子を埋め尽くし、指揮者大友さんが登場しました。

 

この方の指揮は4回目くらいになると思いますが、スラっと背が高く、ロマンスグレーの髪で物腰も柔らかく、とってもダンディで素敵なんです。

 

 

この日のプログラム。

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♪ジョン・ウィリアムズ:

 映画《ハリー・ポッターと賢者の石》組曲から「ヘドウィッグのテーマ」「ハリーの不思議な世界」

 

♪プロコフィエフ:

 ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26

 

 ~ ~ 休憩 ~ ~

 

♪コープランド:

 バレエ組曲《アパラチアの春》

 

♪ガーシュウィン:

 パリのアメリカ人

 

 

ハープチェレスタの妖しい音色から始まったハリーポッター。

 

クラシックのコンサートでジョン・ウィリアムズの曲が聴けるとは思ってもいませんでした。

なんだかとっても得した気分♪

 

ちょっと薄暗い映画の場面を思い出し、

USJのアトラクションでほうきにまたがり空を飛び、すっかり酔ってしまったことを思い出しました(笑)。

 

 

さてさて。魔法の世界の余韻を残し、ピアノが中央に運ばれてきました。

今日のピアノはスタンウェイ。

 

オケの椅子の間を縫うようにして、登場しました、ソリスト、牛田智大。

 

燕尾服に身を包み、手にはブルーのタオル。

表情はにこやかでリラックスしている様子です。

 

颯爽と舞台中央に立ってお辞儀をする様子は、とっても爽やかで素敵でした。

 

椅子に座り、大友さんと目を合わせ、にっこりと頷きます。

 

マエストロが手を振り上げ、始まったクラリネットの独奏。

 

幻想的で、おとぎの世界の森と湖が浮かんできます。

 

そして、のぼり詰める音の波。

 

来るぞ来るぞ来るぞ。

 

来たーーーーっ!

 

 

まるで今までの幻想的な世界の絵を突き破って宇宙空間に飛び出したような瞬間。

 

牛田くんの紡ぐキレっキレで、弾力のある音色。

 

ああ、遥か下に地球が見える。

 

ヒューッと音を立てて、流星がすぐそこをかすめて行く。

 

予想を裏切る つかみどころのないプロコフィエフの世界。

 

でも待てよ。

それなりに予習してきたつもりだったけど、こんなにキラキラした素敵な曲だった?

 

ハリー、じゃなくて牛田くん。いったいどんな魔法をかけたの?

 

さっき聴いたハリー・ポッターのイメージと繋がり、今度は西洋の古いお屋敷の中に入り、暗闇の中でドアに手を伸ばしているような気持ちになりました。

 

牛田くんの演奏は、神業かと思うくらいオケとの呼吸がピッタリでした。

ひとりよがりにならずに、しっかりと指揮者を見て、オケの音を聴いている牛田くん。すごい。

 

力強い打鍵は決して雑ではなく、しっかりと芯を持っています。

 

時々クロスする右手と左手。

キレのいいグリッサンド。

右手が左手に、左手が右手にかぶさるように鍵盤の上をせわしなく動き回ります。

 

ピタっと定規で線を引いたかのように、見事に揃って終わった第一楽章のフィニッシュ。

大きく手を振り上げた牛田くんのポーズがとってもとってもかっこよかったです。

 

 

第2楽章。

 

絵にするなら幾何学模様。

 

明るく強く芯のある音色。

牛田くんの指が、牛田くんの指から紡ぎ出されるまっすぐで誠実な音色が、本当に好きだと実感しました。

 

途中で調が変わったり、不協和音が登場したり、どこに連れていかれるのか分からない。

 

ディズニーランドのスペースマウンテンに乗っているような気分。

 

第2楽章が終わり、汗を拭う牛田くん。

 

 

第3楽章。

 

10本の指が、絡まるのではないかと思うような、

いったい楽譜どうなってるの?と思うような、

右手と左手がもつれ合うダンス。

 

指の動きだけ見ていると、めちゃくちゃに鍵盤とジャレているように見えるけれど、一音一音はしっかりと人格を持って生きています。

 

音が命を宿して

跳ねてる!

舞い上がってる!

呼吸をしてる!

 

牛田くんが、音に命を吹き込んでる!

 

 

日本の長唄を取り入れたという第3楽章。

和のテイストもなんなくこなし、次々と難解なパズルを紐解いて、道なき道をガシンガシンと切り拓きながら突き進んでいくような牛田くんのピアノとオーケストラ。

 

大編成のオーケストラに「負けない」というよりは、その見事な掛け合いで、お互いがお互いを引き立てています。

 

その瞳は明るく輝き、口は自然に軽く開き、自信と喜びに満ち溢れているように見えました。

 

難解であればあるほど喜びを感じるように、

誰も探せなかった鍵を見つけて次々と扉を開いていくように。

 

牛田くんにはやっぱりプロコフィエフがとっても似合う。

 

 

強い打鍵の嵐が続き、三位一体、見事に息の合ったかっこよすぎるフィニッシュ!

 

素晴らしい!

思わず「ブラボー!」と叫んでしましました。

 

立ち上がり大友さんとガッチリ握手。

両手を握り合い、お互いの拳に顔を近づけるようにして。

 

そこには言葉にしなくてもお互いが十分わかっている達成感や相手への感謝と称賛。

同じ時間を共有し、ひとつの至高の音楽を生み出した者同士の熱い想いが通い合っていたのでしょう。

 

コンマス、副コンマスとも握手を交わし、大友さんと繋いだ手を高く掲げました。

 

会場からは割れるような拍手。

 

燕尾服を着た牛田くんは、180㎝くらいありそうな大友さんとほとんど同じくらいに見えました。

本当に凛々しくて立派な一人のピアニストでした。

 

牛田くん。最高!

本当に本当にあなたという人は…。

 

どんなに力いっぱい拍手を贈っても、彼を讃えるには足りないと思いました。

 

頬に光る汗と輝く瞳。

 

きっと牛田くん自身も満足のいく演奏だったのでしょう。

 

自分一人でなく、オケとの見事な掛け合いと調和が心地よく、楽しくて楽しくてたまらなかったのではないでしょうか。

 

 

アンコールの『エディット・ピアフを讃えて』を聴きながら、思いっきり拍手した両手のひらがジンジンと熱を持っているのを感じていました。

熱狂の余韻をこの手で抱えているような気持になりました。

 

ピアニストによっては、ちょっと奇をてらったりして、これでもか!というような技巧をアンコールで披露する人もいますが(これはこれで好きです)、牛田くんの選曲はいつも誠実でお客さん思いだと感じます。

ヒートアップして熱く火照った体をゆっくりと冷ますように。

なだめ、癒して、一人一人の心の中に、そっと可憐な花びらを残していくように…。

 

大人の色気さえ漂うエディット・ピアフ。

牛田くんのピアニスト人生で、これからもずっと牛田くんと共にいて欲しいと思う曲です。

 

 

2014年の9月、愛知県立芸術劇場で牛田くんがプロコフィエフの戦争ソナタを初披露した時は、少年ピアニストだった牛田くんが、突然大人になって知らない世界に行ってしまったようで、

背後から頭を殴られたような衝撃と寂しさで思わず涙が溢れてきました。

 

今回の牛田くんも、難解なプロコフィエフを軽々と弾きこなし、十分に驚かせてくれたけど、もう寂しくはありませんでした。

 

牛田くんが、素晴らしいピアニストとして、また1つ階段をかけ上がった。

複雑で難解な曲を、こんなに素敵に聴かせてくれた。

そして、牛田くん自身が、この曲を演奏することをとても楽しんでいる(ように見える)。

そのことが、とってもとっても嬉しかったし、牛田くんのファンであることをあらためて誇りに思いました。

 

胸に手を当て、深々と頭を下げるその姿に、「ありがとう!ありがとう!」って心の中で叫び続けました。

 

ああ、ごめんなさい。

私、まだ興奮していて、言葉が次から次へと溢れてくるんです。

 

支離滅裂な文章になってしまいましたm(_ _ )m

 

 

この日またひとつ、新しい扉を開いたあなたに。

 

また一歩前に進んだ眩しいあなたに。

 

最高の演奏を聴かせてくれたあなたに。

 

心からの感謝と称賛をこめて。

 

牛田くん、ありがとう!

そして、おめでとう!

 

 

心をこめてラブラブ