牛田くんと札幌、新潟、福島、盛岡で共演したワルシャワ国立フィルの最終公演が1月15日、サントリーホールでありました。
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
ニューイヤーコンサート
サントリーホール
2018年1月15日(月)19:00~
なんて華やかなチラシでしょう。
私、このチラシを見るたびに、シュワシュワと金色の泡がグラスの中で立ち上るシャンパンをイメージしちゃいます![]()
月曜の夕方、仕事を終えてサントリーホールに向かいました。
サントリーホール。
何度も足を運んでいるのになぜかいつも迷う。
この日は初めて今の職場から行ったのですが、
ネットの乗換案内で調べると、職場のある駅からたったの2分で最寄り駅の溜池山王に着くのに、サントリーホールに到着するのに20分くらいかかる。
なして?
行ってみて分かりました。
駅から出口までがやたらと遠い![]()
歩いて、歩いて、やっと13番出口までたどり着きました。
ここで友人と合流。
メキシカンのお店で早めの夕食を取り、会場へ。
サントリーホールの重厚さ、華やかさ。
訪れるたびに少し圧倒され、そして気分が高揚します。
プログラムも立派。
おととい福島で同じオーケストラ&指揮者で同じ曲目の演奏会を聴いてきたばかり。
唯一違うのは、ソリストが牛田智大くんではなく、ロシアのピアニスト、ニコライ・ホジャイノフだということ。
このお方、牛田くんのファンには馴染みのあるお名前なのではないでしょうか。
牛田くんの本、「リトル・ピアニスト」の中に、こんな貴重なスリーショットが掲載されています。
ともきゅん、キャワイイ!(≧∇≦)
7年前の2011年、浜松国際ピアノアカデミーコンクールで最年少で優勝した牛田くん。
そこで中村紘子さんはじめ著名なピアニストから一緒にレッスンを受けたニコライ・ホジャイノフとチョ・ソンジン。
お二方とも今や世界各国を飛び回る超有名ピアニストです。
もちろん、牛田くんも。
今でも十分活躍されていますが、この春高校を卒業し、さらに活動の幅を広げ、世界に飛び出して行かれることでしょう。
そんなわけで、ホジャイノフさんのピアノ、一度は聴いてみたいなあ、と思っていたんです。
今回、席は左寄りの2階席でした。
席について会場を見渡すと、舞台上手の真上あたりの席に、ズラッと大きなカメラを構えた人たちが。
ポーランド独立100周年のニューイヤーコンサートの最終日なだけに、雑誌等の取材でもあるのかしら?
…と思っていたら、アナウンスがありました。
「本日は、第1部のみ、天皇皇后両陛下がお聴きになります。」
とのこと。
えーっ!Σ(・ω・ノ)ノ!
そういえば、2階席の最前列のど真ん中の席が、いくつも空いています。
舞台上の椅子をオーケストラのメンバーが埋め尽くした頃、たくさんのSPとともに、天皇、皇后両陛下が姿を現しました。天皇はグレーのスーツ姿。
美智子さまはベージュのツーピースの上に同色の上着を羽織られ、お二人からは気品あふれる、そして穏やかで慎ましい、なんとも言えないオーラが発せられていました。
会場にお二人をお迎えし、会場中の人たちが立ち上がり拍手をしました。
見ると舞台上の団員達も立ち上がってお二人に拍手を送っていました。
うわあ!なんてラッキーなんんでしょう![]()
指揮者のカスプシック氏が登場し、演奏が始まりました。
プログラムは2日前の福島と全く同じ。
Program
♪パデレフスキ:序曲 変ホ長調
♪ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 変ホ短調 Op.11
~ ~ 休憩 ~ ~
♪ドヴォルザーク:交響曲 第9番 変ホ短調 Op.「新世界より」
新潟、福島、盛岡と、3日続けてソリストを務めた牛田くん、さぞハードだったろうと思いますが、オーケストラはさらにサントリーホールが待っていたんですね。
1曲目の序曲が終わり、舞台中央に艶消しスタンウェイが運ばれてきました。
そして登場したニコライ・ホジャイノフ。
黒いスーツに紺色の蝶ネクタイ。
同じく紺色のネッカチーフ。
赤みがかった金色の巻き毛の髪。
やっと彼の演奏が聴ける!
モー、用意していたオペラグラスで2階席からガン見です!
それにしてもワルシャワ国立フィルの音色の素晴らしいこと。
弦楽器も、金管も木管も、どれをとっても本当に極上の音色。
一人ひとりの紡ぎ出す音の糸が集まって束になり、
その束は決して太くならずに さらに繊細な一本の糸になる。
それにしても、頭が眩しい団員さん達が何人も…。
(Pさんの大好物)
ポーランドって頭の眩しい人が多い国なの?
気になって思わず「世界のハゲ・薄毛の多いランキング」を調べてみたら(←オイ)、世界で7位でした。
ちなみにハゲある…もとい、はえある1位はチェコ。
ああ、私の友人と結婚したチェコ人も見事に光り輝いていたなあ。
あ、日本は14位だそうです![]()
さて、そして注目のホジャイノフ。
とても自然にオケの音楽に乗っかるように弾き始めました。
そこには緊張や気負いなど全くなく(そう見えた)、
とても自然に、とてもラフに。
そして十分に歌っています。
オペラグラスで手元をじっくり見たら、大きな指の動きはほとんどなく、伸びたままのように見える両手の指は、お刺身の甘エビに見えて仕方ない。
十本の甘エビは、サラサラと鍵盤の上を撫でるように、滑るように。
まるでピアノとじゃれているみたい。
私、この人の演奏嫌いじゃない![]()
なんだかとっても自由で、そして、ショパンを知り尽くしている気がする。
なんとなく抱いていたイメージと違って、意表を突かれた感じでした。
タイプでいくと、ラン・ラン?
いや、まさかねー。
割と淡々とした演奏ですが、淡々とした演奏ほど、スッと胸に響いてくるものなのかもしれません。
柔らかさ。優しさ。
そんな言葉が胸に浮かんできました。
なんて軽やかにピアノと対峙しているんだろう。
いや、「対峙」という言葉も似合わないくらい、ピアノにと同化しているように感じます。
世界にはいろんなピアニストがいるんだなあ。。。
オペラグラスを何度も覗きながら、甘エビが鍵盤の上をスルスルと滑り、音を紡ぎ出す不思議に魅了されてました。
(ちなみにユンディの指はゆでエビ)
演奏が終わり、カスプシック氏とガッチリハグ。
会場からは大きな拍手と、たくさんのブラボーが贈られました。
熱心なファンでしょうか。
女性が2人、演奏を終えたホジャイノフに花束を渡していました。
さて、彼のアンコール曲は一体なんだろう。
椅子に座った彼が弾き始めたのは…
ウィリアム・テル序曲?
…だよね?これ。
というのも、子供がふざけて鍵盤を叩いているような、
もう、しっちゃかめっちゃかと言ってもいいくらいの演奏だったんです。
かろうじて原型をとどめていると言ってもいいくらいに
自由で、楽しくて、奔放で。
彼の即興の編曲に他なりません。
天皇皇后両陛下を前にここまでやってしまうとは、一体この人どんな心臓?
ああ、やっぱりこの人、ラン・ランに似てるなあ、と思いました。
大いに会場を沸かせ、彼が舞台から姿を消すと、天皇陛下と美智子さまが立ち上がりました。
会場は再び総立ちで温かい拍手を贈り続けます。
お二人は、一階席の客席に手をお振りになり、
まだ舞台に残っているオケの団員たちに拍手を贈り、
上品な会釈を何度もされました。
お目にかかれて光栄です。
いつものご公務お疲れ様です。
どうぞいつまでもお元気で。
みんなそんな気持ちだったと思います。
オケの団員も含む会場中が立ち上がり、長い長い拍手を贈る、こんな光景は生まれて初めてです。
この場にいられたことを、とても嬉しくありがたく思いました。
たくさんの拍手の中、お二人は何度も振り返り、会釈を繰り返し、控えめに手をお振りになってドアの向こうに消えて行きました。
休憩時間に喉が渇き、ホールから出ると、みなさんグラスを傾けてワインやジュースを飲んでいます。
私も喉が渇いて、このコンサートのチラシのイメージのスパークリングワインをとってもとっても飲みたかったのですが、
千円だったので400円のオレンジジュースにしました(〃∇〃)
第二部の「新世界」、ザクっとした感想ですみませんが、それはそれは素晴らしかったです。
上質な音楽は心のご馳走。
今日会社で嬉しくない出来事があったけど、こんな素敵な時間を過ごしてるとすべて忘れてしまえる。
またこんな音楽を聴く日のために、明日からまた頑張ろうって思える。
友人と二人、興奮冷めやらず、ビールを2杯ずつ飲んで帰りました。
あれ?あんなに何度も確認したのに来た道と違うところに出た。
結局また分からなくなり、来た時とは違う六本木一丁目から地下鉄に乗って帰りました。
サントリーホールまでの道のりって、いつになっても私にはミステリー。
来月、牛田くんがグリーグピアノ協奏曲を披露する時は、迷わず行けるかしら…。
帰り、乗換えで会社のある駅で降りた時は、ちょっと興ざめしたけどね(^_^;)
そんなサントリーホールも、来月から改修工事に入り、9月にリニューアルオープンするそうです。
とにかく、素敵な演奏会でした。
音楽、バンザーイ!
\(^_^)/








