台風の週末、牛田智大くんの今シーズン最後のリサイタルに、京都まで行ってきました。
2017年10月29日(日)14:00~
牛田智大ピアノ・リサイタル
京都コンサートホール(大ホール)
今回は、チラシの素敵な裏面からご紹介。
表面
台風接近で、東京を出るときすでにすごい雨。
雨用のショートブーツにすればよかったかなあ、と少々後悔。
ありがたいことに、京都コンサートホールは最寄駅からすぐでした。
駅から続く通路には、まるで道しるべのように壁に並ぶ楽器をモチーフにした作品の数々。
京都女子大学の学生さんの作品のようです。
丸い形が特徴の京都コンサートホール
(お写真お借りしました)
ホールに行くまでのらせん状の通路の壁には、数々の音楽家の写真が。
京都コンサートホール。とても美しいホールです
(お写真お借りしました)
プログラム
Program
J.S.バッバ
♪平均律クラヴィーア曲集 第1巻より第3番 嬰ハ長調 BWV848
ショパン
♪24の前奏曲 Op.28
J.S.バッバ/プゾーニ
♪「シャコンヌ」
* * * 休憩 * * *
ショパン
♪夜想曲 第17番 ロ長調 Op.62-1
♪練習曲 第5番 ホ短調 Op.25-5
♪練習曲 第5番 変ト長調「黒鍵」 Op.10-5
♪ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35
♪バラード 第1番ト短調 Op.23
♪ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」 Op.53
舞台に置かれているのはスタンウェイ。
18歳の牛田くんに会うのは今日が初めて。
なんだか胸が高鳴ります。
座席の上の照明が暗くなり、ピアノがぽっと浮かび上がるように舞台の照明が明るくなりました。
牛田くんの登場です。
溌剌として、とても軽やかな足取りで登場しました。
なんと!今日の衣装は懐かしいベスト姿。
でも、大人使用でしょうか。
後ろ見ごろの生地がてらてらと光沢を帯びていました。
牛田くんのベスト姿が大好きな私としては、これだけですでにテンションが上がりました。
紺色のネクタイに、手にはハンドマイク。
表情も明るく、リラックスしている様子。
拍手の中、深々とお辞儀をすると、だいたいこんな感じの挨拶をしました。
「皆様こんにちは。牛田智大です。
今日はお越しいただきありがとうございます。
今日はバッハとショパンを演奏します。
皆様に楽しいひと時を過ごしていただけたら、と思っています。
今日は台風の中お越しいただいて、中には泊まり覚悟で来てくださった方もいらっしゃるそうで、ありがとうございます。
僕は10月16日に18歳になりました。
今日は18歳になって初めてのコンサートです。
初心にかえるつもりで、デビューの頃に着ていたベストを着てきました。」
マイクを置くと、ピアノの前に座りました。
バッハ平均律。
美しく響き渡る音色。
今日のピアノさんは、ちょっと男性的だな、と思いました。
女性なら、ハッキリした性格の凛とした媚びない女性。
神聖な音色に、自分の吐く息まで浄化され、胸の中がしんと研ぎ澄まされていくように感じました。
バッハを弾き終わると袖へ。
24の前奏曲。
このプログラムのリサイタルを聴くのは4回目ですが、
聴くごとに1曲1曲に磨きがかかった印象でした。
スケート選手が人知れずスケート靴のエッジを磨き上げるように
料理人が店を閉めた後、一人静かに包丁を研ぐように
牛田くんは私達の知らない時間に、それぞれの曲を大切にピカピカに磨き上げていたんですね。
それはまるでクリスタルのようにキラキラと輝きを放つ音色でした。
手元を見ると、まるで10本の指に吸盤があって、鍵盤に吸い付いて踊っているかのよう。
特に秀逸だったのは第15番の雨だれで、
ここに来るまでに「雨でいやだな。」「濡れたくないな。」
そんな風に抱いていた負の感情を洗い流し、
包み込むような雨音の優しさ
大地を湿らせる豊かさ
雨粒のきらめき。
心が穏やかに今日の天候を受け入れ、
この恵みに感謝したい気持ちになりました。
その次の第16番変ロ短調がまた素晴らしく、圧倒的で、思わず拍手をしたくなりました。
私が初めて牛田くんのリサイタルに行ったとき彼はまだ13歳で、
私が座った3列目の右端の席からは、牛田くんの頭の先しか見えませんでした。
今や上半身の上半分くらいがピアノの角よりも高く、
つくづく成長されたなあ、と
精悍な横顔を見つめながら「18歳」という年齢を実感しました。
前奏曲24曲目のラスト、地獄の底から響いてくるような低音を3回打鍵し、
そのままシャコンヌへ。
シャコンヌは以前より明るく、希望の色が濃くなっていると感じました。
以前は聴いているこちらにも力が入り、
瞬き出来ない、息も出来ない、そんな感じでした。
でも今シーズンのシャコンヌは、ちゃんと聴者として聴くことが出来る、
そんな演奏に変わっていました。
後半に入り、
ノクターン。
ぽろろん、と序章を弾いて 一度両手を膝に。
さっきまで男性的だと思っていたピアノが母性を宿していると感じました。
ああ、ピアノが歌ってる…。
エチュード25-5。
聴くほどに興味をそそり、深いなあ、と好きになります。
黒鍵のエチュードをサラサラと演奏する牛田くん。
なんて気品に溢れたエチュードなんでしょう。
ピアノ・ソナタ第2番。
どの楽章もとても丁寧に、
そして深い理解と共に
より自分のものにされているなあ、と感じました。
それぞれの楽章の持つ魅力が遺憾なく発揮され、
その魅力にすっかり魅了されました。
特に高音のピアニッシモがとても美しかったです。
ショパンの世界を壊さないように、そのままバラード1番へ。
シャコンヌと同じく演奏が軽やかになったと感じたのは今回も同じ。
しっかり聴かせてくれて、堪能する余裕がこちらにも出てきました。
バラード1番が終わると一度袖の中へ。
ここまでぶっ通しで弾き続け、拍手を与える隙を与えませんでした。
袖に入っていく後ろ姿を見て、
前はフラついたりよろよろしているときもあったのに(あれはあれで好きだったんだけど)、
凛とした足取りに18歳の頼もしさを感じました。
さあ、ラストを飾る英雄ポロネーズ。
勇ましくって、迫力と気品に溢れてて、
牛田くんのピアノの魅力が終結した、おっとこまえ!なポロネーズでした。
ああ、台風の中、京都まで聴きに来てよかった。
弾き終わり、女性の声でいく筋かのブラボーの声が。
拍手の渦の中、袖に入って行った牛田くんがガッツポーズのような仕草をしていて
手を叩いてる姿が私の席から見えました。
納得のいく演奏が出来たのでしょう。
よかった!嬉しい!とっても嬉しかった!!
轟く拍手の中、笑顔で舞台に戻ってきた牛田くん。
ピアノの前に座り、鍵盤に手を近づけて構えた手を
「ん?ちょっと待てよ。」と言うように一度戻して何か思案している様子。
やがて弾き始めたピアノから「エディットピアフを讃えて」が聴こえてきたときは
嬉しくて鳥肌が立ちました。
久しぶりに聴けたエディット・ピアフ。
ああ、ずっと私牛田くんのこの曲を聴きたかったんだ…。
ここのところアンコールで聴いていなかったので、
自分がどれだけこの曲を渇望していたのかを実感しました。
甘く切なくほろ苦く、聴く者の心を媚薬のようにとろりと溶かして痺れさせる。
「エディット・ピアフを讃えて」は、間違いなく牛田くんの代表曲の1つだと思います。
弾き終わると立ち上がり、マイクを手にしました。
「アンコールを弾く前にしゃべる予定だったんですが忘れてました(笑)
今からシューマンのトロイメライを演奏しますので聴いてください。」
そう言って、大切に大切に弾き始めたトロイメライ。
牛田くんの中に父性とも言える慈悲深い愛を感じました。
思わず涙がじわり。
ああ、出来れば永遠に続いてほしいこの時間…。
でも時の流れは無情です。
弾き終わると、拍手の中、にこやかに片手をひらひらと振って
バイバイ、と袖の中へ消えていきました。
1ケ月に5回、牛田くんのリサイタルに足を運びましたが、
今日ほど牛田くんと聴衆の一体感を感じたリサイタルはなかったように感じました。
そして、牛田くんが楽しそうに嬉しそうに演奏していることが、本当に本当に嬉しかったです。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
サイン会はものすごい長蛇の列でした。
前回ここ京都コンサートホールでリサイタルをした時に比べて
倍くらいの人が並んでいたような気がします。
牛田くんは、紺色のパーカーの上に黒のダッフルコートという服装でした。
この1ケ月お疲れ様でした、ということと、
「英雄ポロネーズ、これからも弾いてくださいね。」
とお伝えしたところ、
「3月にも弾きます。」とのこと。
о(ж>▽<)y ☆о(ж>▽<)y ☆
今回は、普段なかなか会えないファン智さん達ともお会いできて、
とても素敵な時間を過ごすことが出来ました。
が、しかし!
油断してたら台風により新幹線が運転を見合わせているとの情報が。
ガーン! ( ̄□ ̄;)
でも、しばらくすると運転再開し、20分ほど遅れて新幹線が動きました。
よかったーーーー(^^)
牛田くん、ハードスケジュールの中、1ケ月間お疲れ様でした。
17歳から18歳になった2017年10月。
孵化した蝶が、湿ったその羽根の渇きを待ち、
やがて大きく羽ばたいて舞い上がっていくように、
牛田くんが邁進していく様子を共有させてもらうことが出来ました。
…と言ってるうちに、明日は東京芸術劇場でコバケンさんと「死の舞踏」の再演です。
牛田くんの死の舞踏、「英雄ポロネーズ」に負けないくらい男前です!
ああ、なんとか記事のアップ間に合いそうです。
急いで書いたため、雑な記事になってしまいましたが、
牛田くーん!
素敵な時間をありがとう!
明日の「死の舞踏」、楽しみにしていますよ~!
( *¯ ³¯*)♡ㄘゅ







