皆さまこんにちは。
もう1週間もたってしまいましたが、先週素敵なコンサートに行ってきました。
2017年10月14日(土)14:00~
第170回「0才まえのコンサート」
~ままのおなかはとくとうせき♪~
ピアノ:牛田智大
この素敵な企画、1回限りのものかと思っていたら、
公益財団法人ソニー音楽財団さんの企画で、今回で170回目になるのですね!
白寿ホールは、牛田くんがデビューの頃のCDの収録をしたり、
「献呈~牛田智大ピアノ名曲集」のDVDの特別映像、
「バックステージでの牛田智大」に登場したり、
私にとってずっと憧れの聖地でもありました(*^.^*)
都内とはいえ、なかなか行く機会のない代々木公園駅で降り、
徒歩3分ほどのところにあった白寿ホールは
白い立派なビルの7階にありました。
スタッフの方々は皆親切で感じが良く、会場入り口では妊婦さんを思いやってかブランケットの貸し出しもしていました。
会場にはお腹の大きな妊婦さん、
まだお腹は大きくないけれどバッグ等にマタニティーマークを付けた方が
思いのほかたくさんいらっしゃってました。
妊婦の奥さんに付き添った若い男性の姿も多くみられ、
客層が明らかにいつもの牛田くんのリサイタルとは違っていました。
300席とういう大き過ぎない会場は近代的でありながら木の温もりに溢れ、とても美しく
(お写真お借りしました)
天井や壁のデザインのなだらかな曲線が、なんだかお母さんのお腹の中を連想させました。
背もたれが高めでとても座り心地が良い座席は、コンサートの内容によってはリクライニングにもなるそうです。
この日のプログラムは、牛田くんが妊婦さんとお腹の赤ちゃんのために選んだ素敵な曲ばかり。
Program
♪ J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 第3番 嬰ハ長調BWV848
♪ F.ショパン:夜想曲 第17番 ロ長調 Op.62-1
♪ E.エルガー:愛の挨拶
♪ F.プーランク:愛の小径
♪ F.ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
♪ F.プーランク:即興曲 第15番「エディット・ピアフを讃えて」
♪ R.シューマン/F.リスト編:献呈(君に捧ぐ)
~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~
♪ F.リスト:愛の夢 第3番
♪ R.シューマン:トロイメライ
♪ S.ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲Op.43より 第18変奏
♪ F.ショパン:バラード 第1番 ト短調 Op.23
♪ F.ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」 Op.53
胎教にいいというと、まずモーツァルトを思い浮かべるのですが、
そういえば、牛田くん、リサイタルでモーツァルトを弾いたのはトルコ行進曲のピアノ・ソナタくらいでしょうか。
あとは、お姫様とお菓子のコンサートで1回だけ披露してくれたピアノ・ソナタ第10番くらい?
舞台の上でピアニストの登場を待つ今日のピアノはスタンウェイ。
さて、時間になり、登場した牛田くん。
黒系のスーツに、最近にしては珍しくネクタイをしていました。
色は黒っぽい色に白い斜線がはいったもの。
そして、手にはいつものタオルの代わりにハンドマイクとなんとiPad。
懐かしい場所、懐かしいピアノ、当時も担当されたという調律師さん。
そんなデビュー当時の思い出深い環境の中で、
牛田くん自身まるで胎内(原点)に戻り、優しく護られているようで、
とてもリラックスしている様子。
iPadを片手に、今日ここに集まってくれた方々へのお礼と、今日のコンサートの趣旨、
デビュー当時の思い出深いホールでまた演奏する機会に恵まれ、とても嬉しいこと、
今日のこの企画にあたって、お母さまに自分の小さかった頃の話をいろいろ聞いたこと、
今日、お母さんのお腹の中で自分のピアノを聴いてくれた赤ちゃんが、
生まれてからクラシックに興味を持ってくれたら嬉しい、というようなことを話されました。
「あさって10月16日は僕の誕生日なのですが(会場から拍手が起こります)、
本来の予定日は今日、10月14日だったそうです。
母は僕がお腹にいる頃、クラシックに限らず演歌やJ-POPなど、
いろんなジャンルの曲をお腹の中のぼくに聴かせたそうです。」
そして、
「もし演奏中に気分が悪くなられたら、遠慮せずに退席してくださって結構です。」
と。
なんという細やかな心遣いでしょう!
「胎教と言えば、やっぱりまずはバッハとショパンでしょう。どうぞお聴きください。」
と言って、マイクとiPadを置くとピアノの前に座り、
静かにスーツの前ボタンをはずしました。
澄み切った音色がホールの隅々まで響き渡ります。
最初にお腹の中で聴いたクラシックの曲がこのバッハだったとしたら、
赤ちゃん達、なんて幸せなんでしょう。
すべての澱を浄化し、洗い流すような牛田くんのバッハ平均律。
神様がこの世に生を受けてくる幼子たちを、
母になる女性たちを、
そして、毎日を生きているすべての人々を祝福するように、
その音色は、明るい希望の色を宿していました。
2曲目のショパンの夜想曲第17番もとても優しく柔らかく、降り注ぐように…。
弾き終わってまたマイクとiPadを手にすると、お話してくれました。
どのタイミングで何を話したか、ちょっと記憶が定かでないので(^_^;)
トークの内容をメインに書きたいと思います。
多少の表現の間違いはご容赦くださいね。
「僕が2歳くらいの頃、母は僕にお腹の中にいた時のことをきいたことがあるそうです。
僕はなんにも聞えなかった、真っ暗でぐるぐる回っていた、と答えたそうです。」
牛田くんすごい!ちゃんと胎内記憶があったのですね!
「僕が音楽に興味を持ち始めたのは、たまたま母の趣味で家にあった電子ピアノで、
電子ピアノは鍵盤を押すといろんな種類の音が出るので、それがとても面白いな、と思ったのを覚えています。」
「当時母はイタリアだったかな?イギリスだったかな?外国のモンテッソーリ教育(正確にはイタリアです)という教育方法を取りり入れていて、
モンテッソーリでは、『敏感期』というのがあるらしいのですが、僕にとってはその敏感期が電子ピアノと、あとスティックシュガーを束にして押しつぶすという動作が気に入って何度も何度もやっていたそうです。
だから今でも料理を作るのが好きなのかもしれません。」
「僕とピアノとの出会いは3歳の時で、その頃ちょうど中国ではユンディとラン・ランが人気で、家にあったDVDを見て、僕もピアノをやりたい、と思いました。
でも、当時3歳の日本人にピアノを教えてくれるところがあるのかどうかも分からず、両親があちこち調べて陳先生という先生に 母も一緒に習う、という条件で教えていただくことになりました。
広島に留学されていた経験もあり、日本語も出来る陳先生は、褒めて伸ばすタイプで、
僕がドレミと弾いただけで、『ブラボー!!』ととっても褒めてくれました。
そして、『アンコール!』と。つまりはもっと弾け、ということなんですけど(笑)。
おかげで僕はピアノがとっても楽しくなりました。」
「そのうち もっと本格的な先生に教わった方がいいんじゃないかということになりまして、紹介してもらったのが鄭先生というおばあさんの先生で…当時からおばあさんだったんですけど(笑)(←ココ、ちょっとツボりました)…その先生は逆にとても厳しくて、3歳の僕にいきなりモーツアルトのピアノ・ソナタなどのレベルの宿題を週に3つくらい出しました。」
そう言ってピアノの前に座ると、モーツァルトのピアノ・ソナタK.332の第1楽章の始まりをサラっと弾いてくれました。
その音色の美しかったこと!
まるで丹念に磨き上げた水晶のようでした。
「まだ3歳で、4分の4の『4』がなんなのかもわからない僕がそんな曲を弾かなければいけなかったので、母は本当に大変だったようです。」
「鄭先生は本当に厳しくて、僕があんまり練習しないでレッスンに行くと、『私は、あなたはいらないわ』と言うんです。それが怖くて頑張りました。
幼稚園で、小学校高学年が弾くような曲をどんどん弾きました。」
「僕が通っていた幼稚園にもちょうどピアノ教室があって、そこでもピアノを習いました。」
「まだ言葉を話す前から、日常会話の中の単語に敏感だったようで、バスに乗っていて『もうすぐホテルだよ。』と聞くと(ピアノに移動して蛍の曲を演奏しながら)、この蛍の曲を歌ったり、
誰かが蚊に刺されたと話していると、「カニさん、カニさん」(カニさんの曲を演奏。ちなみに私はこの曲知りませんでした)と歌っていたそうです。」
「その頃母は僕にリトミックをやらせたかったのですが、当時の中国にリトミックの教室がなく、日本に帰国した時にリトミックの教材を買って中国に戻りました。
たとえば、音楽が鳴っている間は自由に動き回って、突然音楽が止まると動きも止める、という遊びや、
和音をいくつか聴いて、その和音がドミソの時だけ手を上げる、というようなことをしました。」
「印象的だったのは、いろんな動物に変奏する、というのをやったのですが、ある日ペンギンに変奏することになって、僕は母の黒いスカートを頭からすっぽりかぶり、そしてそこにスリッパをはいたそうです。」
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か、可愛い…(≧∇≦)
そして、ともくん、なんて賢いの?!
…と、こんな感じで 幼いころの牛田くんと音楽にまつわる素敵なお話を聞くことが出来ました。
我が子のために労を惜しまず、出来る限りのことをなさった牛田くんのお母さま。
我が子が楽しみながら音楽を学べるように導かれたその知恵と努力。
同じ親として本当に頭が下がります。
牛田くんは、愛されて、愛されて、そして素晴らしい先生方との出会いに恵まれて育ったのですね(^^)
牛田くんのこれらのエピソードは、これからパパ、ママになられる方達の貴重な指針となったのではないでしょうか。
リサイタルの時は「頑張れ!」と願う気持ちが強く、ついつい肩に力が入ってしまいますが、
この日はとてもリラックスして、純粋に音楽を楽しませてもらうことが出来ました。
牛田くんは2~3曲ずつ演奏して、トークをはさむ、というスタイルを取られました。
トーク、とっても上手でしたよ![]()
どの曲も優しく響いてきて、とても心地よく、自分の中で幸福感が大きく膨らんでいくのが分かりました。
会場中が愛と祝福で満たされているのを感じました。
今日、お母さんのお腹で牛田くんのピアノを聴いている赤ちゃん達。
全員が元気で生まれてきますように。
幸せな人生を歩んでいきますように。
思わず心の中で、そんなふうに祈ってしまいました。
休憩時間にトイレに行ったら、誰かにこの祝福を伝えたくって、思わずトイレットペーパーの端を三角に折ってしまいました(〃∇〃)
休憩後に登場した牛田くん。
「実は、さっきカンペのiPadの電源が切れちゃって…(笑)」
と、自ら失敗を披露して会場をさらに和やかにしてくれました。
愛の夢も、トロイメライもパガニーニの第18変奏も、なんかもう幸せすぎて気が遠くなりそうでした。
バラード1番は最近にしては珍しくとっても力強く、この渾身の演奏で、お腹の赤ちゃん達起きちゃうんじゃないかしら、と思いました(笑)
ラストの英雄ポロネーズは、それはもうカッコよくて、勇ましくってキレがあって、
お腹の中の赤ちゃん達も、今頃勇ましくお母さんのお腹をキックしてるんじゃ…なんて思っちゃいました。
弾き終わり、柔らかな笑みで深々とお辞儀をするピアニスト。
あなたの思い出を分けてくれてありがとう。
きっと牛田くんのヒアリングを受けて、お母さまも育児に格闘していた頃を思い出し、親子でとても素敵な時間を持てたのではないでしょうか。
牛田くん、ありがとう。
お母さまも、ありがとう。
普段アンコールで演奏する曲が、ほとんどプログラムに入っていたので、
アンコールは何を弾くのかな、と楽しみにしていたら、
ショパンの24の前奏曲の中の、胃腸薬のCMの曲でした。
とても優しくて、柔らかで、胃腸薬のCMのイメージからくる「お大事に」的なメッセージも感じ取れて、
さすが牛田くん、ナイスな選曲!
嬉しいことにサイン会がありました。
今回は毎日使うパスモのケースにしてもらっちゃいました。
おっと!牛さんのサインに戻ってるではないか!
「牛さんのサイン、復活したんですか?」と尋ねたら、
「はい。あのサイン、とっても不評だったので…(笑)」
と自嘲気味に応えてくれました。
つまり、このサイン、幻のサインになったってことじゃないですか?
これはこれで、素敵でしたけどね。
とにかく素敵な素敵な、素敵な時間でした。
さて、へそ曲がりのワタクシ、
「じゃ、逆に胎教に良くなさそうな曲ってどんなだろ?」
と、またしてもロクでもないことを考えてみました(相変わらずアホ(〃∇〃) )
ではここで発表したいと思います。
ザ・胎教に良くなさそうなコンサート![]()
Program
♪ シューベルト:魔王 (お腹の中で、子供が怖がって泣き出しそう)
♪ リスト:死の舞踏 (言うまでもなく「死」の言葉が不吉)
♪ プロコフィエフ:戦争ソナタ (やはり赤ちゃんには平和が似合います)
♪ リスト:メフィストワルツ (聴いてるお母さん、嫌気がさしそう)
♪ ムソルグスキー:展覧会の絵 (牛田的解釈では死後の世界ですから)
♪ バッハ:シャコンヌ (悔い改めたくなるこの曲は、まだ赤子には早すぎる)
ま、これはこれで、聴いてみたいプログラムですけどね(〃∇〃)
(ほかにもあったら教えてください)
あーん、最後にまたふざけちゃった(無念)
とにかく素敵な素敵なコンサートでしたよ。
これか生まれてくるすべての赤ちゃんに祝福を![]()





