とっても気持ちよい秋晴れの連休最終日。

 

牛田くんが東京に来てくれました。

 

2017年10月9日(月・祝)14:00~

牛田智大ピアノリサイタル

秋川キララホール

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東京といえども今回の会場秋川は、我が家から約1時間半。

 

電車を乗り換えること3回。

 

ボヤッとしてると降りる駅が分からなくなりそうなので気が抜けません。

 

JR青梅線、乗換の拝島駅で降りようとしたら駅に着いてもドアが開かない。

 

隣に立ってる人が、ドア横のボタンを押すと、ドアが開きました。

 

Σ(・ω・ノ)ノ!

 

東京なのにボタン式でドアが開閉する電車があったのか!

 

秋川が「あきわ」でなく「あきわ」と読むことも、この日初めて知りました(^▽^;)

 

ここ、あきる野市になるんですね。

 

あきる野市って、「あきる」の平仮名がなんか「あひる」あひるっぽくて、昔からちょっと気になってた場所。

 

初めてやってまいりました\(^_^)/

 

 

会場の秋川キララホール。

見て!この晴天。

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ホールの敷地の角で出迎えてくれた牛田くん。

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会場に着くと、そこはもう牛田まみれ。

 

 

会場の前にも、

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ロビーにも

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あっちの壁にも

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こっちの壁にも

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牛田、牛田、牛田、牛田、牛田…うしうしうしうしうしうし

 

 

こんなに牛田くんに囲まれたのは初めて。(///∇//)

 

 

座席に腰をおろし、呼吸を整えます。

 

約700席のホールはとても素敵でした。

(お写真、お借りしています)

 

 

舞台に置かれているのはスタンウェイ。

 

 

この日のプログラム。

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Program

 

♪J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 第3番 嬰ハ長調 BWV848

 

♪ショパン:24の前奏曲 op.28

 

♪J.S.バッハ:(プゾーニ編):シャコンヌ ニ短調

 

~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~

 

♪ショパン:夜想曲 第17番 ロ長調 op.62-1

 

♪ショパン:練習曲 op.25-5、10-5

 

♪ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調

 

♪ショパン:バラード 第1番 ト短調 op.23

 

♪ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」 op.53

 

 

 

 

 

 

 

白い扉が開き、登場したピアニスト。

 

 

今日もノーネクタイ、手にはブルーのタオル。

 

8日前の初日の長野では「緊張しました」と言っていたし

 

2日前の高知では「楽しかった」とのご感想。

 

今日はどんな空気を纏って登場するのかな?と思っていましたが

 

ものすごく緊張してるふうでもなく、ニッコニコに楽しそうなわけでもなく、

 

いい感じに緊張感とリラックスのバランスが取れているように見えました。

 

 

拍手の中、お辞儀をするとピアノの前に座りました。

 

8日前の長野では割とすぐに弾き始めた印象でしたが、

 

目をつぶり、膝に両手を置き、ちょっとため息をつくような感じで

 

やがて構えに入りました。

 

 

最初の一音を聞いた途端に、その極上の音色にびっくり!

 

澄み切っていて、柔らかく、真綿にくるまれたみたいな温もりを持ち、

 

今日みたいな秋の日の包み込むような陽射しのよう。

 

 

途端に会場は昔のヨーロッパの教会に。

 

牛田くんが紡ぎ出す端正な音色はとても心地よく、

 

子供の頃大好きでよくやった、

 

買ったばかりの色鉛筆の缶の蓋を開けて、

 

一本ずつグラデーションになるように新しい鉛筆の香りを楽しみながら並べていった時のことを思い出しました。

 

そう。心が整頓されていく。

 

牛田くんの10本の指は、とても規則正しく粒の揃った音色を奏で、

 

かといって、決して機械的ではなく、人の持つ温もりがあり、

 

いつまでもいつまでもこの音のシャワーを浴びていたい。

 

浄化され続けたい。

 

そんな気持ちになりました。

 

気のせいだと思いますが、どこからか金木犀の香りが漂ってくるように感じました。

 

 

バッハの時代を生きた人たちも、この音楽を聴いていたんだと思うと、

 

何百年という時間を超えて、なお命を吹き込まれ、人々の心を癒やし、楽しませる

 

クラシックって本当にすごいと思いました。

 

そして、そんなふうに思わせてしまう牛田くんの演奏がやっぱりすごい。

 

 

弾き終わった牛田くん、深々とおじぎをして一度袖の中へ。

 

再び登場して椅子に座り、膝に手を置いて考え込むように、集中するように目をつぶり、

 

スイッチが入ったように弾き始めた24の前奏曲。

 

 

1曲目はやはり、自由で多彩だと思いました。

 

次々と表情を変えていく24の曲。

 

牛田くんはこの曲たちを見事に飼いならし、手懐けたように思いました。

 

前回聴いた長野から、たった8日しかたっていないというのに、

 

さらに完成度が増していると感じました。

 

 

特に印象に残ったのは、「雨垂れ」です。

 

牛田くんの演奏で聴いたことは何度もありますが、

 

より透明度を増し、余計な感情移入がなく、

 

よりイマジネーションが広がりました。

 

 

しとしとと降り続ける雨。

 

身を寄せたマヨルカ島の僧院で、ジョルジュ・サンドの帰りを待つショパン。

 

窓ガラスを打ち付け、流れていく無数のしずく達。

 

左手の低音が奏でる雷の音と不安な心。

 

やがて、ウトウトとまどろみ始めるショパン。

 

 

牛田くんのショパンは、全体を通して基本に忠実で、

 

叙情的でありながら、客観的な視点も持ち合わせていて、

 

地に足の着いた安定感がありました。

 

 

2曲目からは痛みに耐えるような苦悩の表情を浮かべたり(ウミガメの産卵ね)、

 

前髪がピアノの角にあたるくらい前のめりになったままぎゅっと目をつぶったり、

 

舌がこんにちは、と顔をのぞかせていたり、

 

目をしっかり開いて、ついでにお口も開いて、難しいゲームを攻略するのに夢中になってる男の子のようだったり。

 

牛田くんの表情もくるくると変わります。

 

私の見た限り、彼は全体の6割2分2厘(細かい 笑)は目をつぶって演奏していたように見えました。

 

この日も朝早くから会場入りしていた牛田くん。

 

今日のプログラムの曲を、もう何度も何度も何度も弾き込んで、

 

指が、体が、すべてを覚えてしまっているほど、

 

常人からしたら気が遠くなるほど曲と向き合ってきたのでしょう。

 

 

そして、24の前奏曲の途中から、それまで真綿にくるまれたような少しくぐもったピアノの音色が

 

次第にハッキリとした輪郭を持ち、歌い出した、と感じました。

 

 

私は前方の席でしたので、彼がスーッと息を吸い込む音や、唸るように息を吐く音、彼の息遣いが音色に交じって聴こえてきました。

 

1曲1曲、1音1音を彼が本当に大切にしているのが痛いほど伝わってきて胸がいっぱいになりました。

 

 

 

24の前奏曲を聴きながら、あ、この曲も、この曲も、この1週間、何度も私の頭の中で回っていたなあ、と思いました。

 

激しい24曲目、ラスト地響きのような音を2回響かせると、間髪入れず そのまま続けてシャコンヌへ!

 

思わず鳥肌が立ちました。

 

ああ、すごい!

 

全身全霊のシャコンヌ。

 

なんて圧倒的で、なんて説得力があるのでしょう。

 

何度聴いても、大いなる神の前にひれ伏しているちっぽけな自分を感じます。

 

衝撃的な余韻を残して、第一部が終わりました。

 

 

もうこの時点でプログラム全部を聴き終えたような満足感。

 

うふふ。でも後半には大好きな英雄ポロネーズが最後の最後に待ってます。

 

 

 

後半1曲目のノクターン。

 

あまりにも美しく、目をつぶって大きく深呼吸しました。

 

晩年のショパンは、なんと美しい曲を作ったのでしょうか。

 

水面の輝きのようなトリルも、寄せては返す波のようなよアルペジオも(この言葉で合ってます?(〃∇〃))

 

うっとりするほど澄み切ってキラキラしていました。

 

それも、ケバケバしくない、ささやかなキラキラですキラキラ

 

 

拍手をする隙を与えず、「さて、次の仕事に移るぞ。」というように弾き始めたエチュード2曲。

 

特に前回ノーマークだった黒鍵のエチュードが素晴らしく、キレッキレで、

 

10本の指たちが鍵盤の上をキャッキャッと笑いながら走り回っているようでした。

 

あまりにも素晴らしかったので、演奏後拍手が起こりましたが、

 

牛田くんは既に次のピアノ・ソナタ2番の体制に入っていて、

 

椅子に座ったまま片手を胸に当ててにっこりとお辞儀をしました。

 

 

ピアノ・ソナタ2番。

 

これまたすごかったです。

 

疾走するような第1楽章。

 

怒りや葛藤、、寂寥。いろんな感情の揺れを感じる第2楽章。

 

陰鬱で、絶望的で、やがて自分よりか弱きものにそっと慰められているような第3楽章。

 

摩訶不思議な第4楽章。

 

 

 

演奏した後、おじぎをして袖に入りました。

 

彼が舞台から姿を消しても、まるでアンコールをせがむような拍手が続きます。

 

少し照れたように笑いながら登場した牛田くん。

 

 

バラード1番。

 

もうすっかり自分のものにしています。

 

迷いがなく、感情に走り過ぎず、洗練されていて、

 

前は力いっぱい、指を振り上げるようにして弾いていた最後の音も、8割くらいに抑えられているような気がしました。

 

手が疲れたのかな?ダラリと下に向けた右手を、何度かフルフルと揺らしていました。

 

 

このあとまた袖に入り、

 

さあ、とうとう英雄ポロネーズです!

 

ああ、牛田くんの英ポロは、なぜにこうも人を高揚させるのでしょう。

 

力強くたくましく、凛として馬に跨り祖国のために前進する騎士。

 

少年だった騎士は、立派な青年となって、祖国を勝利へと導きます。

 

それはとても男前で(私が英ポロと書くとき絶対はずせない枕詞)、

 

信じがたいほどにキレが良く、力強いのに繊細で、

 

聴く者のアドレナリンを大放出させます。

 

 

あまりにも素敵で、あまりにも嬉しくて、思わず子供のように泣いてしまいました。

 

 

今日ここにいられることが、

 

牛田くんの息遣いまで聞こえるような場所で、牛田くんのピアノを聴けることが、

 

大好きな牛田くんの大好きな英雄ポロネーズを今聴いていることが、

 

そしてそれが、極上の演奏であることが、嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて…。

 

 

牛田くん、FBで移動の電車の揺れが気持ちよく、睡魔に襲われているけれど、

 

ここで寝てしまうと夜眠れなくなるので、と一生懸命起きてましたよね。

 

普通の高校生なら、いや、大人でも、心地よい揺れに身を任せてウトウトしてしまうと思うんです。

 

でも、牛田くんは、睡眠不足になると翌日寝不足になってしまうからと、

 

電車の揺れに身を任せることなく、起きていたんですよね。

 

それは小さなことのようだけど、実はとても大変なことで、

 

私はこれこそが牛田くんの決意だと思いました。

 

いい演奏会にするために、私達に最高のコンディションで最高の音楽を届けてくれるために、

 

牛田くんはまだ小さなリトルピアニストだったころから、日常のいろんなことを犠牲にしてきたんだと思います。

 

それが牛田くんのポリシーであり、プロ意識であり…。

 

 

・・・って書いてたら、なんだか私またうるうるしてきちゃいました(:_;)

 

 

そう、そんな牛田くんの「覚悟」があるからこそ、私たちはいつも彼の演奏に心奪われ、度肝を抜かれ、浄化され、胸ときめかせ、幸福感で満たされるんだと思うんです。

 

 

 

アンコールは「トロイメライ」でした。

 

とっても大切に大切に、心を込めて弾いてくれているのが分かってまた泣きそうになりました。

 

 

 

 

サイン会は今日も長蛇の列。

 

先頭の方がわざわざ青森からインコちゃんを連れてきたんですってね。

 

見てみたかったです。

 

サインはやっぱり大人バージョンでした。

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来週とうとう18歳のお誕生日を迎える牛田くん。

 

 

今日もたくさんのありがとうと大きな拍手を。

 

 

心を込めて。