皆様こんにちは。
12月も10日が過ぎました。
12月から転職したワタシ、なんとか頑張って生きてます。
覚悟はしていたものの、この年で環境を変えることがどんなにハードなことであるか、
あらためて実感している毎日です。
勤務時間が長く、職場が遠くなったうえに、私の配属された部署が笑ってしまうくらいいろいろ酷い![]()
実は誰もが嫌がる「3大嫌われ部署」の1つだそうで、大勢いて活気があるのはいいのですが、とにかくみんな忙しくて余裕がない。
狭いところに人がぎっしり。常に走り回っているような状態で、すれ違うのもままならず、常に職場は戦場のごとし。
四六時中電話が鳴り、次々といろんな問題を抱えた人たちが外部から訪れる。
さっそく風邪菌をもらうという洗礼をうけてしまいました![]()
今までの職場との常識が違いすぎ、驚きの連続。
事務補助と聞いていたので気楽に考えていたのですが、職員の男性のやっていた超めんどくさい仕事を私がまるごと引き継ぐことに…。
私がちょっと予想外のことをすると「ああ~っ!」と世界の終りのような声を出すこの男。
早く私に仕事を丸投げしたいのが見え見え。
彼自身も忙しい上に、右も左も分からない機械オンチのおばさんに引き継ぎで時間を取られるのがすごくいやそう。
「私が徐々に仕事を覚えたら楽になっていくはずですから、もうちょっと辛抱して頑張ってください。」
と、なぜか私が彼を励ましているという…。
そして、容赦なく次々やってくる書類の山、確認作業、資料作成、下っ端の仕事、メール当番(大勢いすぎて配るのがほんと大変
)
一日でホチキスの芯が3箱も終わる!
トイレに行く時間もままならない!
忙し過ぎて、人間関係築くのなんてずっと先の気がする…。
ほかにも守秘義務で書けませんが衝撃的なことの数々…。
帰りは走って電車に飛び乗り、家に帰ってから自転車出して買い物に行き、家事の合間にその日職場でメモした仕事をノートにまとめる苦学生のような毎日。
・・・がんばれるんだろうか?自分。
世の中にはこんな世界もあったのかと、この年にして大きな社会勉強してる感じ。
とにかく、自分で決めた道ですから、なんとか頑張ってみます。
10日、1ケ月、3ケ月と過ぎれば、少しはリズムもつかめてくるかも。
それでもどうしようもなかったら、その時考えればいいか。
とにかく大変なのは多分今がMAX。
がんばれ!自分!
☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜
さて、12月に入ってから、コンサートに3回行きました。
が、ゆっくりレポを書いている時間がとてもありません。
なのでまとめてサラっと書かせていただきます。
まずは、12月4日(日)14:00~
サントリーホールにて
ラン・ラン ピアノリサイタル
2年半ぶりに来日したラン・ラン。
少し痩せて、前回ヤマアラシみたいだったヘアもサラサラに。
あくの抜けた好青年といった印象でした。
プログラムは前半がチャイコフスキーの「四季」、
後半がショパンのスケルツォ第1番~4番。
「四季」は勉強不足で6月の舟歌と11月のトロイカくらいしか知らなかった私。
なので他の人の演奏と比べることも出来ないのですが、
おかしな表現ですが、とてもしんとしている。
そこにはランランの奏でる音のみが存在している。
なぜか「静寂」を感じました。
後半のショパンはもう絶対的!
ショパン以上にラン・ラン!
たゆたうようにゆっくりになったかと思えば突然物凄い速さで指が駆け巡る。
鍵盤を撫でているだけのようにしか見えないのに、音がコロコロと転がるようにこぼれ落ちてくる。
そして、その恐ろしいほどの説得力は、2年前、ここサントリーホールで聴いた、故中村紘子先生がアンコールで弾いた「幻想即興曲」を彷彿とさせました。
つけ入るスキのなかった紘子先生の演奏に比べて、スキがあるのがラン・ラン。
彼ならではの遊び心がプラスされた感じでしょうか。
スケルツォ2番を弾いたあとで、椅子に座ったままズボンのポケットから何やら取り出しました。
何かと思ったら目薬です。
まるで自宅にいるようなラフな感じで目薬をさすと、何事もなかったように3番の演奏に入りました。
演奏後、聴衆に向かって挨拶するラン・ラン。
正面に、2階席に、右に、左に、後ろにも。
聴衆一人一人を「愛しているよ。」と言っているように。
ラン・ランの舞台には愛が溢れてる。
演奏ももちろんですが、彼の人柄が、こんなに人々を魅了してやまないのでしょう。
アンコールはポンセの間奏曲。
これ、2年前にもアンコールで弾いてくれました。
とてもせつなく、心の琴線に触れてくる。
そして、今まで隠し持っていたラン・ランの色気や翳りの部分を感じます。
ラン・ランにとってのこの曲は、牛田くんにとってのエディット・ピアフに近いのではないかと思いました。
ピアノの周りを1周ぐるりと回るようにして、聴衆全員に愛を投げてくるようなラン・ランの独特の挨拶。
1階席のファンが、花束やプレゼントを渡しに次々と飛び出してきました。
袖から再び登場して、ピアノに近付いて、急に小走りに、倒れ込むように椅子に座りました。
愛嬌たっぷり。さすがです。
2曲目に弾いた曲がまたすごかった!
両手の交互のトリルから始まり、右手と左手をクロスさせるように交互に鍵盤にたたきつけている。
見ているだけだと小さな子供がおもちゃの太鼓を力任せに叩いて遊んで入るようなのに、その音たるや細やかで煌びやかで繊細で。
目からと耳からの情報が一致しない。
まるで魔術を見ているかのよう。
ファリャの「火祭りの踊り」という曲だそうです。
弾き終わって、再びピアノの周りをぐるりと回りながら、全方向のお客さんにご挨拶。
彼が向いた先の聴衆は立ち上がりスタンディングオベーション。
まるでウェーブです。
会場中が熱気の嵐。
こんなの初めて!
そして、ラン・ラン、汗を拭いた白いタオルを、最前列で立ち上がっている女の子に向かって投げました。
なんというサービス精神!
この女の子、この夜眠れなかったに違いありません。
再三舞台に姿を現すと、またまたチョコチョコと倒れ込むように椅子に座り、またしても迫力の超絶技巧。
ガーシュウィンの前奏曲第3番よりアレグロ。
さっきも書いた通り、新しい職場でさっそく風邪をもらってしまった私。
足元から駆け上がってくる悪寒と喉の痛みを感じながらも、こんなチャンスはまたとないのでサイン会に並びました。
1時間近く並んで、やっと会えたラン・ラン。
通訳さんがいらっしゃったので、「指は痛くないですか?」と訊いてみました。
おおらかに笑って「全然大丈夫。問題ない。」と英語で答えてくれました。
握手もしてもらっちゃいました。
ラン・ランの手、肉厚で、とっても柔らかかったです。
(≧∇≦)
いただいたサイン
☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜
12月8日(木)19:00~
麻生市民館大ホールにて
牛田智大 ピアノ・リサイタル
プログラム。A4を二つ折りにした中に、曲解説の紙が入っていました。
♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調Op.110
♪ショパン:4つのマズルカより Op.33-1,2
♪ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
♪バッハ/ブゾーニ:シャコンヌ ニ短調
・・・ 休憩 ・・・
♪チャイコフスキー/プレトニョフ:バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲 Op.71より間奏曲
♪チャイコフスキー:18の小品より「瞑想曲」Op.72-5
♪ムソルグスキー:「展覧会の絵」
ベストに赤系のネクタイ姿で登場した牛田くんの手にはハンドマイクが。
「皆さまこんばんは。牛田智大です。今日は初めてここ新百合ヶ丘でリサイタルをさせていただくことになり、とても嬉しいです。皆さまに是非楽しんでいただけたらと思います。」
そして弾き始めたベートーヴェン。
第1、2楽章は柔らかく。
第3楽章では苦悩の表情に。
この痛みをこらえるかのような表情、たしか初披露の調布の時でもこんな感じだったなあ。
演奏は嘆き、苦しみ悶え、静寂の時を迎え、そしてゆっくり再生していく。
その過程が見事に伝わってきました。
ショパンのマズルカは、牛田くんも体を小さく左右に揺らし、踊るように。
幻想即興曲は「懐の深い」演奏。
シャコンヌはまたしても異次元に連れていかれました。
何かが降臨しているのではないかと思うほど。
休憩のあと、ベストからジャケットに衣装を変えて登場した牛田くん。
再びマイクを持ちました。
「今、上海から父が帰ってきていて、前半の演奏を聴いていたんですけど、『お前年寄り臭いぞ!』と言われちゃいました(笑)。なので後半は頑張って若々しく演奏したいと思います。」
あの苦悩の表情を「年寄り臭い」って!
そんなこと言ってくれるお父様の身内ならではのコメント、ありがたいですよね。
これ、最初の予定にはなかったトークのはず。
牛田くん、どんどん余裕が出てきましたね。
チャイコフスキー2曲を弾いて、ラストの展覧会の絵を弾こうと椅子に座った瞬間、音声のミスで「ガヤガヤ」というざわめきの音が流れました。
ん?という感じで袖の方を振り返る牛田くん。
すると、再び「ガヤガヤ」が。
牛田くん、立ち上がり、マイクを手にすると、
「弾いていいかどうかわからないので…。」
と、展覧会の絵について説明してくれました。
ムソルグスキーが友人のハルトマンの描いた絵からインスピレーションを受けて作ったこの曲は、いくつの小曲といくつのプロムナードで構成されているか。
プロムナードはどれも24小節の公約数(だったかな?)から出来ていて、24というのは1日の24時間という意味を表している。
といった感じの内容を、少し緊張されていたのでしょうか(そりゃするよね)。ちょっとかすれ気味の声で解説してくれました。
そして、
「準備が出来たようなので演奏します。」と。
ハプニングに対し、咄嗟の機転と堂々たる解説。
そして、そんなハプニングをまったく感じさせない見事な演奏。
久しぶりに聴いた「展覧会の絵」。
前は難解でおどろおどろしいイメージが強かったのに、今回はまろやかな印象でした。
そして、初めてこの曲を「美しい」と感じました。
最後にまたマイクを持った牛田くん。
「皆さま、今日は楽しんでいただけましたでしょうか。」
拍手が起こります。
「今からアンコールで僕が編曲したラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲、第18変奏を演奏させていただきます。」
そしてキラキラの水面のような優しい音色を振り撒きます。
深々と頭を下げ、袖に入り、舞台に戻ってきたとき、「んー、どうしようかな。弾こうかな?」と言うようにお茶目な表情でピアノを見つめ、やっぱり弾こう!と言うように椅子に腰を下ろして弾き始めたのは、
ああ…。
冷たい冬の夜空から星が降ってくるようなキラキラしたメロディ。「きよしこの夜」でした。
あまりの美しさにうっとり。
・・・からの、乙女の祈り。この流れ、たまりません!
☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜
12月10日(土)14:00~
かつしかシンフォニーホールヒルズにて
牛田智大 ピアノ・リサイタル
298席という、アットホームなホール。
両側の壁も、レンガのように組み合わされた木で出来ていて、ぬくもりを感じました。
正直に書きますと、この日の私、新しく始めた仕事が大変だー、ということの方にどうしても頭がいってしまい、
残念ながらあまり演奏に入り込むことが出来ませんでした。
なので曲の感想は割愛します。
プログラムは8日と全く一緒。
牛田くんはジャケットに赤いネクタイ。
そして、やはりマイクを手に登場し、今日演奏する曲目を紹介してくれました。
アンコールはちょっと意表をついて愛の挨拶に始まり、きよしこの夜から子犬のワルツ。
さらに、パガニーニの18変奏と大サービスでした。
会場でお会いできたファンの皆さま。
再びお会いできて言葉を交わせたこと、とても嬉しく思います。
いつも真っ先に「いいね!」をしてくださるpさん。
久しぶりにお会いできて感激でした。
新しい仕事が大変だと弱音を漏らした私に、「芽々さんならきっと大丈夫です。」とおっしゃってくれた言葉、心に深く刻んで頑張りたいと思います。
耳を患った時もそうでしたが、あなたの言葉にいつも力づけてもらっています。
別れ際、ご挨拶が出来ずにごめんなさい。
そしてこの日私を気遣う長いメールをくださったファン智さん。
ホームで抱き合って泣いてしまったファン智さん。
ありがとう。心から。
このように時間も心も余裕のない今の私。
雑なレポートになってしまいましたこと、お許しください。
感謝と愛をこめて。








