行ってまいりました。
2016年1月16日(土)15:00~
青葉区民文化ホール フィリアホール(神奈川)
ニュー・イヤーコンサート2016
モーツァルト[饗宴]
青葉台駅からすぐの商業ビルの5階という行きやすい場所にあるフィリアホール。
ビルの入り口では、こんな看板がお出迎えしてくれました。
ありゃ?なんかが反射して、牛田くんがシマシマに…(^_^;)
三つ折りになったプログラムのパンフレット。
チラシの写真にも使われていた広大な葡萄畑(?)の写真。
開くと出演者の紹介の中に、それぞれのサインも。
くりくりお芽々目々の牛田くんのサイン、最近にしては珍しいですね。
なんとなく、最近の慣れた感じとも違うし、もしかしてこれは、デビューした頃書かれたものでは?
≪ Program ≫
モーツァルト
♪ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271
「ジュノム」
(ピアノ:牛田智大)
♪歌劇「フィガロの結婚」K.492より
「恋とはどんなものかしら」
「私の胸は喜びに高鳴る(K.579)」
♪モテット「エクスルターテ・ユビラーテ
(踊れ、喜べ、幸いなる魂よ)」K.165(158a)
(ソプラノ:市原愛)
~ 休憩 ~
♪ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219
「トルコ風」
(ヴァイオリン:前橋汀子)
プログラムと一緒に、演奏者それぞれのコメントが書かれた上質な厚い紙も配られました。
牛田くんのコメント:
「モーツァルトのピアノ協奏曲第9番を、N響の室内楽アンサンブルの方々と演奏させていただけること、そして、前橋汀子さん、市原愛さんと、ご一緒の場で演奏させていただけることをとても光栄に思っております。
モーツァルトの作品は、音が少なくシンプルで、必要な音以外は書かれていません。
だからこそ多様な表現が可能で、弾いていて楽しいです。
繊細で、味わい深いモーツァルトの世界を、お楽しみいただけたら嬉しいです。」
さすが牛田くん。天才ピアニストと呼ばれながらとても謙虚なお言葉(^^)
そっか。モーツァルトの作品は音が必要最低限でシンプルで、だからこそ演奏者の個性が出せて、聴いていて楽しめるし、演奏者自身も楽しいのね♪
それにしても、モーツァルトはもちろん、いろんな作曲家の作品を熟知しているからこそのこの言葉。
牛田くん、さすが!
約500席という、やや小さめのホールに入ると、既に真ん中に置かれているスタンウェイのピアノ。
牛田くんはトップバッターです。
ピアノを取り囲むように、半円状に並べられた椅子の数も少なめ。
舞台が明るくなり、黒い衣装のN響室内アンサンブルの方達の登場です。
(あとで数えてみたら、アンサンブルの人数は16人でした。)
元々冷え性の手が、緊張と期待でさらに冷たくなる私。
次は指揮者登場?と思いきや、登場しました、牛田くん。
いつものベスト姿の衣装を見ると、なぜだかホッとします。
今日のネクタイは赤字に細い斜めのストライプが入ったもの。
手には使い捨てカイロ。
拍手の中、にこやかに登場し、客席に丁寧なおじぎ。
前知識のほとんどなかった私。
そっか。指揮者がいないのか!
ピアノの前に腰をおろし、メンバーに「いいですよ。」というように頷きます。
そして始まったピアノ協奏曲第9番「ジュノム」。
この日のために、何度か聴いてお勉強してきましたが、私、この曲の冒頭が大好きです。
オーケストラの短いフレーズと、ピアノが可憐に呼応するようなこの出だし。
ピアノがこんなにすぐ登場する協奏曲って珍しいですよね。
オケ:「こんにちは。」
ピアノ:「ごきげんよう♪今日はとっても素敵な日。小鳥が歌って空は青く輝いてますね。」
そんなふうに、たわいもない会話を、上品に可愛らしく交し合っているみたい。
今日のピアノの音色、真綿に包まれたように柔らかく、とっても心地よく響いてきました。
室内楽の音色をさらに彩るような牛田くんのトリルの美しいことときたら!
オケ部分のみの時は、カイロで手を温め、右足でリズムを取り、膝の上で指揮をするように人差し指を立てて小さく動かしていました。
ああ、牛田くん、楽しそう♪
そう。大ベテランの先輩方の演奏を後に控え、初披露の曲でありながら、牛田くん、口許に微笑みを浮かべて、とっても楽しそうなんです。
去年の最後のリサイタルの時の表情が、ちょっと固かっただけに、彼の踊るような軽やかな演奏と、心から今この瞬間を味わい楽しんでいる、といった表情は何にも増して嬉しかったです。
それにしても、指揮者がいないということは、コンマスがなんとなく全体の舵を取るのでしょうが、この曲、ピアノのカデンツァ(ピアノの独奏部分。覚えたての言葉を使ってみました(///∇//) )の部分がかなり多い。
つまり、実質、ソリストの牛田くんが全体を牽引している形になるんです。
これって、凄いことではないでしょうか?
牛田くんのコンチェルトは何度も見て(聴いて)きましたが、必ずいつも指揮者がいましたので、このようなスタイルは初めてです。
カデンツァ(再び使ってみた(///∇//) )の時の牛田くん。
気負う様子もなく、広い野原を自由に駆け回るように、伸びやかに演奏します。
白い鍵盤の上を、白く長い指が、細やかに軽やかに動き回ります。
そして、再びオケの演奏と一緒になるときは、視線をしっかり彼らの方に向け、呼吸をそろえて見事にオケと融合します。
この時私の頭に浮かんだのは、ファンの間で有名な、ドラマ「ぼくの夏休み」の主題曲「未来へつなぐ空」の収録シーン。
当時まだ12才の牛田くんが、真剣な表情で、オケの方に何度も顔を向け、呼吸を合わせて演奏する姿。
まだ「可愛い」という表現がピッタリだった牛田くんが、一人前の立派な演奏家としてやけに大人に見えた大好きな動画。
モー
何度鬼リピして見たことか(〃∇〃)
(ここに動画を入れたかったのですが、なぜか途中だとうまく入らないので最後に添付しておきます)
もしもP席があったなら、そこに座って、そんな牛田くんの表情をしっかり見たかった。
そんなふうに思わせる、見事な呼吸の合わせ方でした。
第1楽章が終わり、落ち着いた様子でアンサンブルの方達の方を向き、2回ほど頷きました。
第2楽章は、モーツァルトにしては珍しい短調。
家事をしながら予習した時は特に印象に残らず、知らないうちに第3楽章に入っていたりして、あわてて第2楽章の頭から聴きなおしたほど印象が薄かったのですが、
牛田くんが演奏すると、どうしてこうもすんなりと耳と心に入り込んでくるのでしょう。
哀しげでせつなげな第2楽章を、時々眉根を寄せ、苦しそうな表情さえ浮かべて演奏する牛田くん。
特に弱音は本当に素晴らしく、弱く弱く弾いているのに、ちゃんと真綿にくるまれたような音色が会場中に響き渡る。
鍵盤とペダルの押し方の絶妙なさじ加減。併せてホールの大きさを熟知しているかのよう。
よく見ると、ん?また背が伸びた?
ズボンと靴下の間からチラリと素肌が顔をのぞかせています。
思わずガン見(ゲス野郎の私を許して(/ω\) )。
でも、立ち上がった時は特にズボンの丈が短い印象はなかったので、座った時にスボンが上に上がったのでしょう。
私がそんなしょーもないことを考えている間に、ゆったりと、せつない恋を語るように、でも、とても自由にカデンツァ(カッコイイ言葉を覚えたため濫用(///∇//) )を奏でる牛田くん。
ちょっとショパンが作りそうな感じもする第2楽章。
短調でありながらとても美しい。
天使的と言われたモーツァルトも、苦悩したことだってたくさんあるんだろうなあ。
第3楽章は、ほとんど間をおかず、牛田くんの独奏から始まりました。
勢いよく、まっすぐな道を全速力で駆け出すように。
悩んでいたすべてを振り切るように。
牛田くん、真剣に鍵盤に向かい、口が少し開いたまま。
そのうち舌が顔を出し、ぺこちゃんみたいな横顔に思わず「可愛い!(≧▽≦) 」と萌えてしまう。
指が見事なくらい素早く動きます。
昨日たまたまテレビでピアノの得意な芸能人・著名人のピアノ対決を見て、平常心で皆の前で演奏することがどれだけ大変なことなのかを実感したばかり。
彼らとプロの牛田くんを一緒にすること自体、失礼なのかもしれませんが、
つくづく牛田くんはすごいなあ。。。
柔らかなモーツァルトが、会場中を幸せな空気で満たします。
もう全部がモーツァルト・・・というより牛田くん色。
一気に全力疾走して、ゴールのテープを切るようにフィニッシュ!
会場からは大きな拍手!
立ち上がり、自らコンマスの方に手を差し伸べてしっかり握手。
そして、客席の右側に、左側に、後方に、丁寧にご挨拶。
やりきった!という充足感と、音楽を心から楽しんだ喜びが溢れているように見えました。
一度袖に戻るも、鳴り止まない拍手に再び登場。
胸に手をあて、心のこもったお辞儀をして、袖に戻って行きました。
アンコール曲は無しかあ。残念。
でも、今日はリサイタルじゃないし、先輩方の演奏も控えてるしね。
瑞々しい若葉のような「ジュノム」が聴けただけでも大満足です(^^)
ささっとピアノが片付けられ、続いて登場したソプラノの市原愛さん。
華やかなピンク色のドレスで登場し、会場はさっきまでとはまた違った空気に包まれました。
私、ちゃんとコンサートで歌を聴くのは始めてですが、彼女のにこやかで愛らしい様子と、その伸びやかな歌声に魅了されました。
とっても楽しそうな表情で歌うので、「躍動感」「生きる喜び」が伝わってきました。
上はビスチェスタイルのドレスのスカート部分がヒラヒラと華やかで、なぜか昔、親戚のおばさんに真珠島のおみやげにもらった人形を思い出しました。
似た画像を探したら、これが一番近かった。
これ、ケーキだそうです(笑)
(お写真お借りしました)
さっきまで普通に音楽を楽しんでいた隣のおじさんが、急に生き生きと身を乗り出したのが分かりました( ´艸`)
この方が、みっちょんこと芳本美代子に似てることに気づいてからは、みっちょんにしか見えず…。
みっちょんの歌が終わると休憩。
なんと、休憩時間にはロビーでスパークリングワイン
の無料サービスが!
ロゼのワインをいただいて、ファン智さんとおしゃべりしているうちに、なんだかほろ酔い気分に…。
なんせ、次も心地よいモーツァルトだし、ヤバい。睡魔に襲われちゃうかも…。
グラスのワインを飲み干して(さすがにおかわりは自粛)、席に戻るとなんだか体がポッカポカ。
ああ、ほんとに寝ちゃうかも…。
…という心配は、前橋汀子さん登場の瞬間に吹っ飛びました。
演奏活動50周年という前橋さん。
そう。確か、高校の頃、信号待ちをしてる時、この方の演奏会のチラシを目にして
「汀子…珍しい名前の人だな。」と思った記憶が。
真っ赤な袈裟のようなお衣装に身を包んで颯爽と登場したこの人の貫禄ときたら!!
(衣装イメージ)
(画像はご本人とは全く関係ありません)
でも、なんか、こう、両手を合わせて拝みたくなるの(^▽^;)
演奏しながら、正面を向いたり、コンマスたちの方を向いたりしながら、
時々「フーーンッ!」っていう鼻息が漏れるのが聴こえてくるんです。
失礼ながら、調べてみたら、おん年72歳!
モー!
さすがすぎます。
演奏ももちろん素晴らしかったです。
けど、仁王立ちして演奏するそのお姿の迫力と、何度も聴こえる「フーーンッ!」がインパクトありすぎて…(^_^;)
おかげで最後までウトウトもせず、興味津々で楽しく聴くことが出来ました。
何度も何度もアンコールに応えて出てきて両手を広げる大仏様前橋さん。
いやあ、圧巻でした。
50年後の牛田くんは、いったいどんな演奏家になっているのかなあ。。。
というわけで、
今年の牛田くんの初コンサート。
楽しく行ってくることが出来ました。
ありがとう!
牛田くんも元気そうで、楽しそうでよかった(*^.^*)
あ、それとひとつお知らせ。
今夜9時からの『クラシック音楽館』。
チョ・ソンジンさんがピアノ協奏曲第1番を披露してくれるそうですよ♪
最後になりましたが、「未来へつなぐ空」を演奏する牛田くんです。
2016年1月16日(土)15:00~
青葉区民文化ホール フィリアホール(神奈川)
ニュー・イヤーコンサート2016
モーツァルト[饗宴]
青葉台駅からすぐの商業ビルの5階という行きやすい場所にあるフィリアホール。
ビルの入り口では、こんな看板がお出迎えしてくれました。
ありゃ?なんかが反射して、牛田くんがシマシマに…(^_^;)
三つ折りになったプログラムのパンフレット。
チラシの写真にも使われていた広大な葡萄畑(?)の写真。
開くと出演者の紹介の中に、それぞれのサインも。
くりくりお
なんとなく、最近の慣れた感じとも違うし、もしかしてこれは、デビューした頃書かれたものでは?
≪ Program ≫
モーツァルト
♪ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271
「ジュノム」
(ピアノ:牛田智大)
♪歌劇「フィガロの結婚」K.492より
「恋とはどんなものかしら」
「私の胸は喜びに高鳴る(K.579)」
♪モテット「エクスルターテ・ユビラーテ
(踊れ、喜べ、幸いなる魂よ)」K.165(158a)
(ソプラノ:市原愛)
~ 休憩 ~
♪ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219
「トルコ風」
(ヴァイオリン:前橋汀子)
プログラムと一緒に、演奏者それぞれのコメントが書かれた上質な厚い紙も配られました。
牛田くんのコメント:
「モーツァルトのピアノ協奏曲第9番を、N響の室内楽アンサンブルの方々と演奏させていただけること、そして、前橋汀子さん、市原愛さんと、ご一緒の場で演奏させていただけることをとても光栄に思っております。
モーツァルトの作品は、音が少なくシンプルで、必要な音以外は書かれていません。
だからこそ多様な表現が可能で、弾いていて楽しいです。
繊細で、味わい深いモーツァルトの世界を、お楽しみいただけたら嬉しいです。」
さすが牛田くん。天才ピアニストと呼ばれながらとても謙虚なお言葉(^^)
そっか。モーツァルトの作品は音が必要最低限でシンプルで、だからこそ演奏者の個性が出せて、聴いていて楽しめるし、演奏者自身も楽しいのね♪
それにしても、モーツァルトはもちろん、いろんな作曲家の作品を熟知しているからこそのこの言葉。
牛田くん、さすが!
約500席という、やや小さめのホールに入ると、既に真ん中に置かれているスタンウェイのピアノ。
牛田くんはトップバッターです。
ピアノを取り囲むように、半円状に並べられた椅子の数も少なめ。
舞台が明るくなり、黒い衣装のN響室内アンサンブルの方達の登場です。
(あとで数えてみたら、アンサンブルの人数は16人でした。)
元々冷え性の手が、緊張と期待でさらに冷たくなる私。
次は指揮者登場?と思いきや、登場しました、牛田くん。
いつものベスト姿の衣装を見ると、なぜだかホッとします。
今日のネクタイは赤字に細い斜めのストライプが入ったもの。
手には使い捨てカイロ。
拍手の中、にこやかに登場し、客席に丁寧なおじぎ。
前知識のほとんどなかった私。
そっか。指揮者がいないのか!
ピアノの前に腰をおろし、メンバーに「いいですよ。」というように頷きます。
そして始まったピアノ協奏曲第9番「ジュノム」。
この日のために、何度か聴いてお勉強してきましたが、私、この曲の冒頭が大好きです。
オーケストラの短いフレーズと、ピアノが可憐に呼応するようなこの出だし。
ピアノがこんなにすぐ登場する協奏曲って珍しいですよね。
オケ:「こんにちは。」
ピアノ:「ごきげんよう♪今日はとっても素敵な日。小鳥が歌って空は青く輝いてますね。」
そんなふうに、たわいもない会話を、上品に可愛らしく交し合っているみたい。
今日のピアノの音色、真綿に包まれたように柔らかく、とっても心地よく響いてきました。
室内楽の音色をさらに彩るような牛田くんのトリルの美しいことときたら!
オケ部分のみの時は、カイロで手を温め、右足でリズムを取り、膝の上で指揮をするように人差し指を立てて小さく動かしていました。
ああ、牛田くん、楽しそう♪
そう。大ベテランの先輩方の演奏を後に控え、初披露の曲でありながら、牛田くん、口許に微笑みを浮かべて、とっても楽しそうなんです。
去年の最後のリサイタルの時の表情が、ちょっと固かっただけに、彼の踊るような軽やかな演奏と、心から今この瞬間を味わい楽しんでいる、といった表情は何にも増して嬉しかったです。
それにしても、指揮者がいないということは、コンマスがなんとなく全体の舵を取るのでしょうが、この曲、ピアノのカデンツァ(ピアノの独奏部分。覚えたての言葉を使ってみました(///∇//) )の部分がかなり多い。
つまり、実質、ソリストの牛田くんが全体を牽引している形になるんです。
これって、凄いことではないでしょうか?
牛田くんのコンチェルトは何度も見て(聴いて)きましたが、必ずいつも指揮者がいましたので、このようなスタイルは初めてです。
カデンツァ(再び使ってみた(///∇//) )の時の牛田くん。
気負う様子もなく、広い野原を自由に駆け回るように、伸びやかに演奏します。
白い鍵盤の上を、白く長い指が、細やかに軽やかに動き回ります。
そして、再びオケの演奏と一緒になるときは、視線をしっかり彼らの方に向け、呼吸をそろえて見事にオケと融合します。
この時私の頭に浮かんだのは、ファンの間で有名な、ドラマ「ぼくの夏休み」の主題曲「未来へつなぐ空」の収録シーン。
当時まだ12才の牛田くんが、真剣な表情で、オケの方に何度も顔を向け、呼吸を合わせて演奏する姿。
まだ「可愛い」という表現がピッタリだった牛田くんが、一人前の立派な演奏家としてやけに大人に見えた大好きな動画。
モー
何度鬼リピして見たことか(〃∇〃) (ここに動画を入れたかったのですが、なぜか途中だとうまく入らないので最後に添付しておきます)
もしもP席があったなら、そこに座って、そんな牛田くんの表情をしっかり見たかった。
そんなふうに思わせる、見事な呼吸の合わせ方でした。
第1楽章が終わり、落ち着いた様子でアンサンブルの方達の方を向き、2回ほど頷きました。
第2楽章は、モーツァルトにしては珍しい短調。
家事をしながら予習した時は特に印象に残らず、知らないうちに第3楽章に入っていたりして、あわてて第2楽章の頭から聴きなおしたほど印象が薄かったのですが、
牛田くんが演奏すると、どうしてこうもすんなりと耳と心に入り込んでくるのでしょう。
哀しげでせつなげな第2楽章を、時々眉根を寄せ、苦しそうな表情さえ浮かべて演奏する牛田くん。
特に弱音は本当に素晴らしく、弱く弱く弾いているのに、ちゃんと真綿にくるまれたような音色が会場中に響き渡る。
鍵盤とペダルの押し方の絶妙なさじ加減。併せてホールの大きさを熟知しているかのよう。
よく見ると、ん?また背が伸びた?
ズボンと靴下の間からチラリと素肌が顔をのぞかせています。
思わずガン見(ゲス野郎の私を許して(/ω\) )。
でも、立ち上がった時は特にズボンの丈が短い印象はなかったので、座った時にスボンが上に上がったのでしょう。
私がそんなしょーもないことを考えている間に、ゆったりと、せつない恋を語るように、でも、とても自由にカデンツァ(カッコイイ言葉を覚えたため濫用(///∇//) )を奏でる牛田くん。
ちょっとショパンが作りそうな感じもする第2楽章。
短調でありながらとても美しい。
天使的と言われたモーツァルトも、苦悩したことだってたくさんあるんだろうなあ。
第3楽章は、ほとんど間をおかず、牛田くんの独奏から始まりました。
勢いよく、まっすぐな道を全速力で駆け出すように。
悩んでいたすべてを振り切るように。
牛田くん、真剣に鍵盤に向かい、口が少し開いたまま。
そのうち舌が顔を出し、ぺこちゃんみたいな横顔に思わず「可愛い!(≧▽≦) 」と萌えてしまう。
指が見事なくらい素早く動きます。
昨日たまたまテレビでピアノの得意な芸能人・著名人のピアノ対決を見て、平常心で皆の前で演奏することがどれだけ大変なことなのかを実感したばかり。
彼らとプロの牛田くんを一緒にすること自体、失礼なのかもしれませんが、
つくづく牛田くんはすごいなあ。。。
柔らかなモーツァルトが、会場中を幸せな空気で満たします。
もう全部がモーツァルト・・・というより牛田くん色。
一気に全力疾走して、ゴールのテープを切るようにフィニッシュ!
会場からは大きな拍手!
立ち上がり、自らコンマスの方に手を差し伸べてしっかり握手。
そして、客席の右側に、左側に、後方に、丁寧にご挨拶。
やりきった!という充足感と、音楽を心から楽しんだ喜びが溢れているように見えました。
一度袖に戻るも、鳴り止まない拍手に再び登場。
胸に手をあて、心のこもったお辞儀をして、袖に戻って行きました。
アンコール曲は無しかあ。残念。
でも、今日はリサイタルじゃないし、先輩方の演奏も控えてるしね。
瑞々しい若葉のような「ジュノム」が聴けただけでも大満足です(^^)
ささっとピアノが片付けられ、続いて登場したソプラノの市原愛さん。
華やかなピンク色のドレスで登場し、会場はさっきまでとはまた違った空気に包まれました。
私、ちゃんとコンサートで歌を聴くのは始めてですが、彼女のにこやかで愛らしい様子と、その伸びやかな歌声に魅了されました。
とっても楽しそうな表情で歌うので、「躍動感」「生きる喜び」が伝わってきました。
上はビスチェスタイルのドレスのスカート部分がヒラヒラと華やかで、なぜか昔、親戚のおばさんに真珠島のおみやげにもらった人形を思い出しました。
似た画像を探したら、これが一番近かった。
これ、ケーキだそうです(笑)
(お写真お借りしました)
さっきまで普通に音楽を楽しんでいた隣のおじさんが、急に生き生きと身を乗り出したのが分かりました( ´艸`)
この方が、みっちょんこと芳本美代子に似てることに気づいてからは、みっちょんにしか見えず…。
みっちょんの歌が終わると休憩。
なんと、休憩時間にはロビーでスパークリングワイン
の無料サービスが!ロゼのワインをいただいて、ファン智さんとおしゃべりしているうちに、なんだかほろ酔い気分に…。
なんせ、次も心地よいモーツァルトだし、ヤバい。睡魔に襲われちゃうかも…。
グラスのワインを飲み干して(さすがにおかわりは自粛)、席に戻るとなんだか体がポッカポカ。
ああ、ほんとに寝ちゃうかも…。
…という心配は、前橋汀子さん登場の瞬間に吹っ飛びました。
演奏活動50周年という前橋さん。
そう。確か、高校の頃、信号待ちをしてる時、この方の演奏会のチラシを目にして
「汀子…珍しい名前の人だな。」と思った記憶が。
真っ赤な袈裟のようなお衣装に身を包んで颯爽と登場したこの人の貫禄ときたら!!
(衣装イメージ)
(画像はご本人とは全く関係ありません)
でも、なんか、こう、両手を合わせて拝みたくなるの(^▽^;)
演奏しながら、正面を向いたり、コンマスたちの方を向いたりしながら、
時々「フーーンッ!」っていう鼻息が漏れるのが聴こえてくるんです。
失礼ながら、調べてみたら、おん年72歳!
モー!
さすがすぎます。演奏ももちろん素晴らしかったです。
けど、仁王立ちして演奏するそのお姿の迫力と、何度も聴こえる「フーーンッ!」がインパクトありすぎて…(^_^;)
おかげで最後までウトウトもせず、
何度も何度もアンコールに応えて出てきて両手を広げる
いやあ、圧巻でした。
50年後の牛田くんは、いったいどんな演奏家になっているのかなあ。。。
というわけで、
今年の牛田くんの初コンサート。
楽しく行ってくることが出来ました。
ありがとう!
牛田くんも元気そうで、楽しそうでよかった(*^.^*)
あ、それとひとつお知らせ。
今夜9時からの『クラシック音楽館』。
チョ・ソンジンさんがピアノ協奏曲第1番を披露してくれるそうですよ♪
最後になりましたが、「未来へつなぐ空」を演奏する牛田くんです。