日本馬匹輸送自動車株式会社
キズナ号





・シャシ(車体)/ フロント
日野 17プロフィア
・架装
東京特殊車体(株)
・年式(運用開始)
2022年
・登録番号(車両ナンバー)
土浦100
き 18-22
・車の特徴
厩舎スタッフ募集ラッピング対象車です。

キズナ(2010~)
栗東 佐々木昌三厩舎  牡馬 青鹿毛
父 ディープインパクト 母 キャットクイル
(母父 Storm Cat)

主な勝ち鞍
毎日杯(2013)
京都新聞杯(2013)
東京優駿(2013)
ニエル賞(2013)
産経大阪杯(2014)

名前がまだ無い頃にキャットと呼ばれていた子馬は後に「人との繋がり」を意味する言葉を冠する事になる。切っ掛けは2011年に発生した東日本大震災が密接に関わっている。国内が大混乱してたのは言うまでもないが、多くの人々が途方に暮れたが、その中でも人々は互いに支えあって懸命に復興しようとしていた。そんな中、馬主の前田幸治氏が頻繁に聞いた「ある言葉」をその年の一番良い馬に名付ける事にした。その馬が第80回日本ダービーを制し、騎手に五回目のダービーの冠をプレゼントする事になるのが後のキズナであった。

デビュー戦は京都競馬場の1800mから始まり、一番人気に推され二馬身差で初勝利を飾り、次走も同じ京都1800mで勝利。その勢いに乗ってラジオNIKKEI杯2歳ステークスに出走し二番人気であったがエピファネイアに粘り負けし初の3着となった。しかし鞍上の佐藤哲三騎手が落馬して重症を負ってしまった。この出来事から主戦騎手が武豊騎手になった。

年明けは皐月賞トライアルの弥生賞に出走する事に。自身に初の敗北を味会わせたエピファネイヤ、前走の重賞を勝ったカミノタサハラなどがいる中、三番人気と前走から一つ格下げされた状態であった。結果は5着とここで初の上位以下の着となり、皐月賞の出走権が取れなかった。しかし陣営は毎日杯の出走を選択、一部からは馬に無理を強いているのではないかと言う批判があった。そうした中であったがキズナは一番人気に推される事に。無理を強いているという疑惑や批判を消し飛ばす末脚を見せ、三馬身での快勝を果たし見事皐月賞の出走権を取れる程の金額となった。だが陣営は弥生賞の出走後の時点で皐月賞を回避する事を決めており、目標を日本ダービーに絞っていた。次走の京都新聞杯も出遅れがあったが一馬身で勝利を果たし、いよいよ目標となる日本ダービーの日が近付いて来た。

この年の日本ダービーは第80回と節目の年として競馬場には約14万人の観客と大いに盛り上がっており、過去のダービー馬の名を冠したレースも行われ、刻一刻とメインレースの時間が近付いて来た。かつてディープインパクトが勝ち取ったレースにその産駒が出走し同じ騎手が選ばれ、この時は1枠1番、騎手や陣営もこのレースを絶対に勝ち取る決意がより一層強くなり、そうした中で当日キズナは堂々の一番人気に選ばれ、まもなく出走時刻となり第80回日本ダービーが始まった。出遅れも無く好調な走り出しとなり、無理に前に出ずに後方待機の策を選択し残り200mでスパートを掛けた。さながら三冠馬である父を彷彿とさせる末脚を見せ、大外から一気に差し返した。8頭目となる親子でのダービー制覇、更に父仔共に同一騎手がダービーを制したのも初であり、ゴール後の競馬場には約14万人の豊コールが響いた。
この時の青嶋達也アナウンサーの実況「さあ、横一線だ! 横一線!大外キズナ! 大外キズナ!真ん中に…いるが!キズナが捉えた!キズナ勝ったー!」は今でも名実況として語り継がれている(ネタ込みでもあるが)

そしてダービー後は凱旋門賞を目指す為暫しの休養に入り、9月1日に日本を出国しフランスに到着した。到着後は前哨戦のニエム賞に出走する事に。初の海外遠征であったが勝利をもぎ取り、いよいよ凱旋門賞の時がやって来た。この時2011年の三冠馬オルフェーヴルも出走しており、前年の凱旋門賞2着という結果を残してた為よりキズナも期待されていた。結果は4着と初の凱旋門賞出走としては素晴らしい結果を残し帰国、有馬記念の出走を予定してたが諸々の理由で回避し放牧して年明けを過ごした。

年明け最初の目標は産経大阪杯に定めた。この時8頭と少々少なめであったが、どの馬も猛者であり菊花賞馬のエピファネイア、天皇賞(春)を勝ったビートブラック、牝馬二冠馬メイショウマンボというメンバーの中キズナは二番人気に推され、人気に応える様に差し切り勝ちを果たした。次走の天皇賞(春)はゴールドシップやオルフェーヴル等の猛者を抑えて一番人気に推されるがフェノーメノに敗れる。この時骨折を発祥した為来年の2月15日までレースに出る事はなく療養になった。
復帰戦の京都記念では3着、続く産経大阪杯では2着、天皇賞(春)では7着と中々1着を勝ち取れない状態であったが屈腱炎を発症し、そのまま引退し通算14戦7勝でターフを去った。

その後は社台スタリオンステーションで種牡馬として現在も活躍しており、エリザベス女王杯を制したアカイイト、安田記念を制したソングライン等のG1馬を送り出している。因みにアイルランドに同名のキズナが存在している。そちらはキズナII(セカンド)と呼ばれており、更にその馬との交配からオールアイズオンという父母両方キズナという馬が誕生してその名の通り注目されている。

筆者がいつか会ってみたい馬でもある。

↓社台スタリオンステーション公式サイト↓