ご無沙汰しております、さつきです。
すごいジャパンカップでしたね…!
当ブログではかねてより「今年のジャパンカップはすごいことになるかもしれない」ということを申し上げてきましたが、いざ行われてみれば、GⅠ馬8頭の豪華メンバーで、1~5着は1~5番人気という結果。
実力を出せた馬が多かったがゆえの結果だと思います。
今回は、ジャパンカップ前の下馬評と、当日の振り返りを行ってみたいと思います!
今回は運よく現地観戦できましたので、パドック中心ではありますが、撮影してきた写真と一緒にお届けします♪
◻︎ジャパンカップ2023開催前の情勢
個々人の感情は置いておくとして、世間は大きくみると2強、いや、1.5強としてもよいムードでしたね。
無敗の凱旋門賞馬など世界の強豪を抑えてレーティング1位を保持し続け、1ヶ月前の天皇賞(秋)を世界レコードで圧勝したイクイノックス。
底を見せない圧倒的な強さで牝馬三冠を達成し、JCと同じ舞台では6馬身差の圧勝劇を演じた、3歳牝馬リバティアイランド。
アローワンスによって、リバティアイランドの斤量が4 kg優遇されていたということからも、”三冠牝馬がどれほどイクイノックスに迫れるか”というような情勢だったと感じております。
実際、最終的にはイクイノックスが1.3倍、リバティアイランドが3.7倍、それ以降は2桁以上という単勝オッズでした。
しかし、天皇賞(秋)では展開が向かず苦渋を舐めたドウデュースやダノンベルーガ、近ごろ適性の高い舞台で走ることができていなかった中でも好走を続けた二冠牝馬スターズオンアース、天皇賞(春)での一頓挫からの復帰戦を2着に善戦し復活の兆しを見せたタイトルホルダーなど、2強のどちらかだけでも崩せたかもしれないメンバーはたくさんいました。
実際、ここで挙げた馬を本命にしている方もたくさんいらっしゃいましたし、私はリバティアイランドよりもタイトルホルダーに重い印を打ちました。
そうした中で、枠順が発表されました。
①リバティアイランド(川田J)
②イクイノックス(ルメールJ)
③タイトルホルダー(横山和J)
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東京2,400 mにおける永遠の有利枠である1枠に、2強がそのまま入ってしまったのです…!
しかも、前に行く競馬が予想されるタイトルホルダーも3番。陣営から大逃げが示唆されていたパンサラッサ(4枠8番)よりもさらに前に行きやすい好枠です。
一方でスターズオンアースは不利とされる8枠を引き、半年以上の休み明けということもあってか人気を落としてしまった形になりました。
◻︎決戦
15:02ごろ、彼らが我々の前に姿を現しました。
しかも、世界ランク1位が他馬を先導して歩いていくるではありませんか。
レース後には血管が浮き出て白目の面積も増えて若干怖いくらいのイクイノックスですが、パドックでは大人しく、目もクリクリで可愛いですよね(笑)
その後もゼッケン番号順に、ドウデュース、ダノンベルーガ、パンサラッサ、ディープボンド、スターズオンアースなど、日本競馬を盛り上げてきたメンツが次々と入場。
周りにいた人と一緒に仕上がりの高さを感じたのは、ドウデュースでしたね。
筋肉はムキムキで張りがあり、2,400 mのGⅠ勝ち馬には見えないくらいでした。
そして、ラストにリバティアイランドというなんともエンターテイメント性の高い登場に(笑)
イクイノックスとリバティアイランドは双方95点くらいの印象でした。
前者は現状維持、後者は前走より仕上がっているなぁという雰囲気でしたが、どちらもまだ見せていない底があるような馬体をしていた気がしますね(もっとも、仕上げすぎというのも考えものなのですが)。
落ち着いている馬が多く、流石は「世紀の一戦」に集った名馬たちです。
少し元気すぎていた気がするのはスターズオンアース。休み明けの影響でしょうかね。
(レディの写りの悪い写真をネットに上げるというのも失礼な話なんですが…笑)
ほどなくしてジョッキーが集合し、本馬場へ向かって行きました。
和田さんだけニコニコだったのが印象的でしたね。
素敵なコンビです。
パドックを最後まで見届けてからスタンドに行くと、すでにスタンドには入れないくらい人で溢れかえっておりました((((;゚Д゚)))))))ガクブル
人混み越しに撮ったゲートの写真でもどうぞ(笑)
結局メモリアルスタンドの方まで歩いて、ようやくギリギリ見える位置を確保しました。
輪乗りも見られたので、即興で見つけた場所にしては良い位置だった気がしますね。
極端にゲート入りを嫌がる馬などもおらず、いざ、スタートです。
これは友人からもらった写真ですが、スターズオンアース(薄いですが白枠で囲いました)、いつになく好スタートだったんですよね。
パトロール映像を見ると、スターズオンアースは即座に内に切れ込むことはせず、〇〇メートルほどまっすぐ進んでいるのが確認できます。
凱旋門賞などでもよく見られる光景ですが、誰もいないところをただ1頭で走ることで折り合いをつける作戦だったのだと思われます。
スタートを出したところも含めて、流石はビュイック騎手ですよね…!
あとはJRA公式やカンテレのログで分かるかと思いますので、YouTubeで何度でもお楽しみください。
今年の天皇賞(秋)では馬なりで先頭に立ったイクイノックスが、4コーナーではすでに促されていたことから、そのあたりから大歓声です。
しかし、すぐにタイトルホルダーをつかまえ、グングン加速し先頭に立つと、さらに歓声が大きくなりました。
好メンバーが実力を出しての上位人気決着。場は拍手に包まれ、パドックでは震えるほど寒かったことも忘れる暖かさでした。
◻︎振り返り
リバティアイランドとドウデュースは、距離延長の影響か、道中はかかり気味のまま進んでいましたね。
馬体にも現れていますが、両馬とも、特にドウデュースは、もう少し短い距離で楽しみかもしれません。
リバティアイランドは年内休養というプランが示されています(ソース:)が、ドウデュースは、中山2,500なら距離の誤魔化しも効きますし、もつかもしれませんね。
一方、パドックではうるさかったスターズオンアースは、ビュイック騎手の思うがままに先行策。
リバティアイランドをマークし続け、かつイクイノックスの後ろという好ポジションから伸びてきました。
半年以上の休み明けにもかかわらず、よくやったと思います。
有馬記念に出てきてくれればそれは嬉しいですが、どちらかといえばドバイ、衰えてはくるかもしれませんが来年の天皇賞(秋)、ジャパンカップなども盛り上げてくれるかもしれません。
そして、これは贔屓目ありなのは承知なのですが、タイトルホルダーは強い競馬をしてくれたと思います!
追い切りで積極的に新・美浦坂路を活用していた成果が出たか、イクイノックスに交わされた後も、スターズオンアースやドウデュースとは並ぶ場面も見られるくらい粘っていました。
有馬記念に出てくることができれば、仮にイクイノックスが相手だとしても楽しみですね。
最後に、この馬の話をしないわけにはいきません。
イクイノックスは、パンサラッサから20馬身くらい離れていたことを考えると、道中はだいぶ楽に追走していたと思われます。
でも、パンサラッサを交わしたあたりで手前を変えていたので、流石にキツくはあったのかもしれません。
とはいえ、これで上がり最速(33.5秒、2位ドウデュースから-0.2秒)を出されては、いよいよ日本の歴史的名馬をぶつけないと勝ち負けには届かないですね…。
そういう意味では、タイトルホルダーはじめ、イクイノックスをマークしていた2〜4着馬は、レーティング1位に楽をさせすぎたというとらえ方もできます。
しかし、タイトルホルダーは和夫Jからマイペースを大事にしてもらえる馬です。
タイトルホルダーを最も知る専門家が「タイトルホルダーにとってのベストペースはあのペースだ」と判断したわけですから、文句の言いようはありません。
他馬にとっても、そのタイトルホルダーを途中で交わしにいくというのはリスキーですし、イクイノックスの手応えを考えても、結局ああなったような気がします。
じゃあイクイノックスより前に行っていたら…?これもおそらく苦しくなるでしょうね。
イクイノックスは、父と同様に、競走馬として完成してきていると思います。
キタサンブラックは、「付いていったら潰れるし、ノーマークにしたら追いつけない」という強さをもった馬でした。
親子なんですね。
「イクイノックスより前に行ったら差されるし、後ろからでは追いつけない」わけで。似てるんですよね。(笑)
私がイクイノックスに惚れたのは、皐月賞でした。
初めてリアルタイムで観るクラシックに、5ヶ月の休み明けで出走してきたイクイノックスは、大外からの競馬。
行きたがってしまい、前走とは異なって先行する形となりましたが、直線でステッキを入れられた瞬間の伸び方が、瞬発力が、とにかく凄かった。
この皐月賞2022の話は、またどこかで語らせてください(笑)
◻︎イクイノックスの今後
合田さんから”Japan Cup could be … could be his swan song.”(ジャパンカップはひょっとすると、イクイノックスにとって最後の舞台になるのかもしれません)という発言がありましたが(ソース:)、流石にシルクレースホースの米本代表がそれを匂わせてきましたね(ソース:)。
引退を惜しみ、来年も現役続行するべきとの意見が散見されますが、私は種牡馬入り賛成派です。
GⅠ・6連勝中という現状は、イクイノックスの種牡馬価値を極限まで高めています。
これ以上連勝を続けたとしても、安田記念を勝つとかして距離適性の幅を下に広げない限り、種牡馬価値が格段に向上するとは考えにくいんですよね。
ここまで来ると、馬の価値は種牡馬としてのそれとほぼ等しくなってくると思います。
ここで大して種牡馬価値の向上にも繋がらないレースを下手に負けると、イクイノックスの価値そのものが下がることになりかねません。
それはファンとしてとても悲しいことです。
種牡馬価値というものを念頭に置いたときに、連勝の流れは切りたくありません。
そうすると、勝てそうなGⅠに出続けるという、ありがたくこそありますが、なんとも面白味のない惰性のような現役続行になってしまいそうな気がします。
欧州やアメリカへの遠征は、今年のドバイSC後に宝塚記念に行った時点で難しいとの判断だったのだと思います。
イクイノックスは無敗馬でもなんでもなかったわけですから、行くなら下手に勝ち星を重ねる前に実験的にPoWでも出して、いけそうなら凱旋門賞、無理そうなら天皇賞(秋)→ジャパンカップ、みたいな2択をつくることもできたわけです。
それを、GⅠ・6連勝という最高級の箔がついた今、現役続行して来年敢行するかといえば、答えは明白でしょう。
長く走ってくれることはファンとしては嬉しいばかりですが、有馬記念で引退すると、種牡馬入りのスケジュールがタイトになると効きます。
かつては5ヶ月もレース間隔を開けないと使えなかったような馬が、中3週のローテで圧勝してくれたわけです。
イクイノックスのマイナスポイントはそこだけだという声もたくさん耳にしたくらい、詰まった間隔のレースというものに不安がある馬だったんです。
おそらく、ジャパンカップを4馬身差で勝ったことで、国際レーティングは130〜132くらいになると思います。
引退は妥当、と、寂しい気持ちを押し殺しながら記しておきます。