演劇アレルギーは治さない方がいい | 馬鹿日報・弐

演劇アレルギーは治さない方がいい

先日行ったライブがあまりに面白かったので
過去のライブもめちゃめちゃ気になってしまい、
タワレコで「エレ片コントの人8」の
DVDを買ってしまいました。

エレ片8


往年のアイドル歌手を扱ったネタ等は
(著作権の問題などで)カットになっていましたが、
他も地上波じゃ絶対に流せないコントの数々。

おっそろしいのはほぼ全てのコントが
実在の人物をモデルにしていて、
(タワーマンションの低層階に住む人、
 子供の前で大説教される父親、
 誰よりもサブカル女子なのにサブカル女子を嗤う人、
 卑屈な怠け者(片桐さんへの当て書き)等々)
物凄くとげとげしいのに思い切り笑える…という。


…中でも個人的に最高だと思ったのが
「ねじまきミドリ」というコント。

こちらに画像付きの解説があります)

これは「ダメな劇団」をモデルにしていて、
片桐さん演じるブスな座長が
今立さん演じる(洗脳されきった)若手劇団員に
自らを「可愛い」と連呼させるショートコントを演じて
コントの大会に出ようとして、
やついさん演じる放送作家に
ボロッボロにこきおろされる(のに全然懲りない)
……という。

どーも副音声での解説を聞く感じでは
キングオブコントの一回戦にこの手の集団がよくいるらしく、
(+片桐さんが役者業で見てきたエッセンスも)
やついさんが肚の底から幾度となく
「演劇最悪だな!!」
と叫ぶのは、本当に圧巻。


自分もなんだかんだで多ければ年10本くらい
演劇(や舞台)を観たりするし
正直「ハズレ」率もなかなかのものなので、
「うわー、コレ絶対にありそう!」と
このコントにはかなり胸のすくものがありました。

(ちなみに、今回のタイトル
「演劇アレルギーは治さない方がいい」は、
 片桐さんの相方である
 小林賢太郎さんの本から引用しました)

演劇を観に行って「わからんな~」と思って
帰ってくる率は正直結構なものなのですが、
(演劇に詳しいお友達からは「感じればいい」と
 言われたりするわけですが)
「ハズレ」と感じてしまうのが
自分の理解力の問題だけなのかなぁ…と常に思うわけで、
(映画はつまらなかったとしても大体「わかる」しな~)
これが舞台芸術をなーんか「高尚」っぽく
見せている理由でもあり、逆にいえば
大衆的にできていない理由なんだとも思います。

(もう中学の演劇部とかの時点でその臭い出てるもんな~)



…と書いてきましたが、かといって
先のコントで描かれたような「演劇」の人たちを
否定する気も全然ないんですよね。

というのも、マイナーな劇団出身でも
結構なキャリアを重ねてから
映画やテレビに出て役者として成功している人って
かなりいたりするからです。

(そこがゴールかどうかはわかりませんが)

自分が観ていた劇団からも
そういうことは発生したし、
本当にNHKの人なんかはそういうところから
ドラマにスカウトしたりしますからねぇ……。
(プライベートの趣味からの派生かもしれませんが)


…しかしまあオチとして、自分が行った中で
「二度と行くか!!」と言いたくなった
劇団のエピソードをひとつだけ。

内容に関してあーだこーだを言う気はありませんが、
結構な年月を重ねているらしく若手がいないせいか
モデル事務所から女優を引っ張ってきて
胸元に大きな穴を空けた衣装を着させていたのに
「こすいな~」と思った(けど結局見ちゃうんだよな…)ことと、
(ストーリーを全く覚えていないのはそのせいか?)
後々送られてきたDMで
名前と住所に計4箇所の誤字脱字があったこと。

結局、芸術だとかどーだとか言う前に、
下心が透けていたり、
礼儀が「ちゃんとしていない」のって
舞台にも出ちゃうんじゃないかなぁと思います。
舞台も「人」ですからねぇ。


…まあ自分のキャパにも問題はあると思いますが、
それでも結構なチケット代を払っているわけだし、
たまには先に挙げたコントライブくらい
チケット代を大きく上回って満足できるものに
(いい芝居だってちゃんとあるわけだし、もうちょっとハイペースで)
出会えればいいなぁ………と思います。