虚構の劇団、またもや面白かったです。 | 馬鹿日報・弐

虚構の劇団、またもや面白かったです。

先々週末の話になっちゃいますが、
鴻上尚史主宰「虚構の劇団」第6回公演
『アンダー・ザ・ロウズ』
を観てきました。


いや、とても面白かったです。
前作『エゴ・サーチ』もよかったですが、
(半年以上経ってたのね…)今回も負けず劣らず。

ストーリーを大雑把に言えば、
学生時代に友達がいじめに遭っているときに
何もできなかったことを後悔している主人公が
パラレルワールドでは逆に友達を
いじめから救ったことで英雄扱いされ、
それがいじめっ子への報復行為を扇動してしまい
(そこを一切否定しない世界っていう設定が恐ろしい)
様々な復讐劇が展開されようとしている…という。

結構展開の早いストーリーではありつつも
全然着いていけるし、
役者さんも10人いるのに各々キャラも立っていて
とても楽しめました。


特に、自分もこの「虚構の劇団」は
劇団名がつく実験公演時代から全部観ていますが、
このところ「緊張と弛緩」のメリハリが
めちゃめちゃ良くなった印象があります。

当初何作か観てきた中で、自分的には
舞台装置やスペースの使い方の上手さには感心するものの
明らかに笑いを取りにきているシーンで
全然笑えないのが引っ掛かっていて、

「お笑い番組で審査員なんかしているのに
 鴻上尚史って寒い人なのか?」

などと思っていたのですが(スミマセン)、
今作・前作は声出して笑えたし
(初見の友達もかなりウケてました)
シリアスなシーンとの繋がりも自然で、
作品世界に素直に入れました。


一応コンプリートしている身から
ちょっと偉そうに言うなら、
(ホメばかりもうすら寒いでしょう)
「これなら安心して友人知人を誘えるなぁ」
という感じでしょうか。

当初、この劇団の役者さんである
大学の後輩・渡辺芳博くんとの繋がりで
観に行っていたわけですが、
そこを抜きにしても仮に今後誰かと
「舞台観に行こうか」って話になったら、
自然に提案できる気がします。

チケット代も高くないし(平日割なら4,000円)、
役者さんがみんな若いっていうのと
テーマも即時性が高いことを含めて、
特に若い人にオススメです。


最後におまけ。
毎度要所要所で強烈なキャラを放り込んでくる
(おそらく他の劇団でこういう役回りの人はいないだろう…)
渡辺くんの個人サイトのリンクを。

http://obebe.jp/

こう見えて(?)毎回手書きの封書で
新作の連絡を送ってくる、
めちゃめちゃ礼儀正しい男です。
(告知だけじゃなくちゃんと手紙にもなっているので、
 そういうのってやっぱ受け手的には嬉しいですよね)

そんな彼の、劇団以外での
(ある意味本領発揮とも言える)活動も知りたくば
どうぞ……。

彼を含めて、こういう人たちに負けたくないと
少しは人前に出ようとしていた時代が
(10年近く前だな)懐かしい……。
自分ももっと頑張って
どこかでまたコネクトできればいいな、と。