泣いてるヒマがあったら、笑おう。 | 馬鹿日報・弐

泣いてるヒマがあったら、笑おう。

今日は仕事終わりに
映画『毎日かあさん』を観てきました。
これまた、かなりよかったです。

何をして「これまた」かといえば、
昨年末にある意味この作品と対になっている
『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』も
よかったから、です。
(その時の感想はこちらです)


大雑把なアウトラインを言えば、
『毎日かあさん』は
マンガ家・西原理恵子さんが
毎日新聞で描いている
エッセイマンガが原作。

それに対して『酔いが~』は
故人である西原さんの元夫・鴨志田穣さんの
アル中病棟を舞台にした私小説が原作。

それで、この二つの作品には
リンクしているエピソードが
かなりたくさんあるわけです。


で、昨年『酔いが~』を観て
めちゃめちゃよかったので、
どちらかといえば話題先行の
(キョンキョン・永瀬正敏のリアル元夫婦共演、という)
『毎日かあさん』は
結構しょっぱい出来なんじゃないかと
予測していたんですが、
(かつて小泉今日子がやはり女流マンガ家を演じた映画が
 個人的にはかなりしょっぱかったのも理由)
そこをいい意味で裏切ってくれました。

今、『毎日かあさん』は
アニメもやっているし、
そのへんのイメージもあって
キレイゴトに走るんじゃないかと
予想していたんですが、
そうならなかったところがひとつ好感触。

あとは末期ガン患者を演じるために
12kg減量したという永瀬正敏の演技に
かなり強く惹かれました。
(鴨志田さんの亡くなる直前の写真とも
 かなり近いイメージになっていました)

正直、クライマックスでは
マンガでは幾度も読み返したシーンで
次にどんな台詞が出るかも予測できていたのに、
それでもやられてしまいました。

21時半スタートで
劇場も閑散としていましたが、
周りから結構なすすり泣きの音が聞こえたり
目を拭う人も多くて、
やはりそれだけ響くものはあったんだと思います。

『酔いが~』で浅野忠信・永作博美が
演じた夫婦もよかったですが、
こちらも甲乙つけがたい出来でした。

なんとなくな感じでいえば
夫婦・文学寄りが『酔いが~』で、
家族・エンターテインメント寄りが『毎日かあさん』
というところでしょうか。


で、最後に。表題にした
「泣いてるヒマがあったら、笑おう。」
というのはこの映画の
キャッチフレーズなんですが、
ラストシーンとの兼ね合いも含めて
個人的にはかなり突き刺さる言葉でした。

わりと最近、ある友人が
身内に不幸があった際に
同じようなことを言っていたんですが、
特にマイナス思考に陥りがちな自分には
そういうものの考え方って
凄く大事だよなぁ、と痛感させられました。


原作のエッセンスをきっちり取り入れた映画で
それゆえ上品とは言い難いシーンも
多々ありますが、やっぱ人が生きて死ぬって
キレイゴトじゃないと思うし、
よほどの潔癖性でもない限り
響くものは絶対にある映画だと思います。

興味のある方、観てみてくださいな。