確かにプレミアだった。 | 馬鹿日報・弐

確かにプレミアだった。

早稲田大学・大隈講堂にて開催された
映画「ノルウェイの森」の
ジャパンプレミアに行ってきました。
いんやー、ゴージャスでした。
あんな多くの人の列に並んだの、いつ以来だか。

自分は試写会のチケットが当たったので
館内で監督・役者陣による
舞台挨拶を見たりしたんだけど、
その前には外で随分華やかな
セレモニーが行われていたようです。
レッドカーペットなんて、初めて見た(笑)。


※ここから先、ネタバレ満載です!!




映画の感想は……、一言で言うと
「2時間14分のダイジェスト」
という感じでした。
原作を読んでいない人に行間を読ませるにも、
いささか限度があるのではないかと……。

なんつーか、
映像は写真的でめちゃめちゃ綺麗だし
(「四季」は日本映画の最大の武器だと思う)
音楽もよかったけれど、
さすがにあの時間では
登場人物一人一人の背景が描かれず。
講師だった某コピーライターの方の
言葉を借りるなら、
「ディテールをすっ飛ばしている」
感が否めないなあ、と。

個人的に好きだったエピソードや、
また作品の「痛さ」を語るうえで
絶対に抑えてほしい部分が
カットされていたのが残念でした。
緑が料理を作るシーンだとか
緑が生乾きのブラジャーを身に着ける
悲哀を語ったくだりとか、
レイコさんの過去(ここが自分的に一番)だとか…。

原作未読の一緒に見た人も言ってたけど、
「主人公が性欲に負けて色々な女性と寝る話」
と誤解されても致し方ないのでは。
特に、レイコさんとワタナベが関係を持つシーンでは
前後にもっと含みがあるのに、端折り過ぎではと…。

あと、逆の話を言えば
原作通りだとリアルな会話に向かない台詞が
(村上氏自身、意図的にそう書いているそうです)
まんま使われちゃっていて、
「こんな会話、有り得ないだろ~」と
若干ノイズになる部分もあった気が。
(ちょいとイジワルかもしれませんが)


そんなこんなで、終演後せっかくなので
レッドカーペットの上を歩いていたところ、
ポスターのコピーで特別賞を獲った
講座の盟友・日野原くんとともに
「めざまし」のマイクを向けられたんですが、
忌憚ない意見を述べたため自分のはおそらく全カット、
お茶の間にアホ面晒す危険もないでしょう(笑)。


しかし何はともあれ、過去にない体験が色々できて
個人的にはとても楽しかったです。

映画自体の感想がポジティブじゃなくて
申し訳ないですが、他で挙げるなら
LPジャケットを模したパンフレットは凄くよかったです。
あと、ロビーにいて間近で見たんだけど
緑役の水原希子さんが顔が小さくてどえれえ美人でした。

当初キャスティングを見て
若干訝しい気にもなったんですが、
役者さんはそれぞれ皆原作のイメージを壊すことなく
フィットしていたと思います。
それだけに、もうちょい「挿話」を
大事にしてほしかった、というのが
やっぱ正直な感想でございやす……。