眠れる泥沼の姫

先日、新潟市を襲った記録的な大雪から、約10日間、

ウチの相方の愛車、フォーカス姫はずっと雪の中に埋まっていました。

広い未舗装の青空駐車場にとめてあるので、一時はドコに埋まっているかわからないほどでしたが、
先週末に降り続いた雨のためにやっと、フキノトウのように雪の間から顔を出しました♪

そこで、相方が日曜日にフォーカス姫でお友達のところに出かけたいと言うので、
前日に発掘作業を試みましたよ！

車の上にのっている雪は、固まっているので簡単にスルスルっと落ちてくれましたが、
周辺の雪はやっぱり湿っていて重くて大変でした。

でも、あの雪の降る寒い日に雪かきをしていた方々よりはきっとだいぶ楽をしているこでしょう。

駐車場の真ん中アタリにとめてあるので、出口まで雪を平らにして
スタックしないように固めて道を作り、無事救出成功！

汗もかいて、いい運動になったなぁ～♪

次の日は晴れ間も出て、相方も安心して出かけていきましたよ。

そして、もうそろそろ遊んで帰ってくるはずの夕方、相方から一本の電話が・・・

『今、駐車場まで帰ってきたんだけど、ハマった・・・』と。

ええっ！　

ちゃんと平らにならしていたのに、なんで？

現場にすぐ駆けつけてみると、フォーカス姫のそばに行けないほどに駐車場はグチャグチャ・・・

昼間の太陽の日差しのせいで、雪をならして固めて作った道なんてあとかたも無くって、
膝下までシャリシャリの泥雪で、長靴無しでは歩けません。

まるで、泥沼状態ですよ。

このままではマズいと思ったボクは運転をかわり、
駐車するよりとりあえずここから脱出しようとフォーカス姫を動かしました。

最初のハマり具合は軽かったので、
前進やバックを交互にしながら何とかちょっと動いてよろこんでいたのですが、

それもつかの間、また数メートル行ってはハマっちゃいましたよ。

そんなことを何度も繰り返しているうちに、ついに前にも後ろにも動かなくなってしまったのです。

動かせば動かすほど手ごたえが無くなっていき、これぞまさに泥沼にハマった状態。

ガビ～ン！　ダメだ・・・　こうなったら、この沼地におりて雪かきだ。

スコップでタイヤの周りの雪を取り除いてっと・・・

発進！！

キュルルルルル～ルン～～～！　飛び跳ねる泥シブキ！

って、あれれ？？　まったくウンともスンとも言わないぞ？

って、もともと車は「ウン」とか「スン」とは言いませんが。

もう一度、全てのタイヤの周りの雪を取り除いてと・・・

ん？　もしかして、これって？　タイヤが地面についてない？

ええ～～～っ！　タイヤ浮いてるのこれ？

ボディーの下に雪が入って車体をジャッキアップしてませんかぁ？

もう、よく見てみたらタイヤのサスペンションが伸びきってるじゃないですかぁ！！

こりゃ、ウチの亀のズゴックちゃんがお腹の下に小さな積み木を置かれたら、
手足をバタバタするだけで何も出来ない状態と同じなんじゃないかい？！

そういう場合ズゴックちゃんは、一回ひっくり返って脱出してましたよ。

そうか、それか！　

一回フォーカスを横にひっくり返してと・・・

って、ドアホ～！！

無理無理・・・

腹の下の車体を持ち上げてる雪をスコップでかき出さなきゃ。

って、やってみようと思ったが、固い、固い！

何で、周りはシャリシャリなのにココは固いの？
車の重みで固めちまったかぁ？

っていうか、車体の下の雪を全部かき出すのって無理でしょう？

よ～し、こうなったら、他の車で牽引して引っ張り出すのがベストなんじゃない？

他の車と言えばボクのアルファロメオくん、イタリア男の力の見せ所だいっ！

・・・って、絶対無理でしょ！

ここで、アルファロメオが出動したら、動けない亀が2匹になるだけですよ。

・・・で、結局電話しちゃいましたよ。

JAF兄さんに。

長年会員だけど、めったに呼んだことのないJAF兄さんが1時間後に颯爽と登場しました。

多分4駆だと思いますが、バリバリとその泥沼に入っていきます。

そして、牽引ロープでフォーカス号とJAF号の前をつなぎ、バックで引っ張るのかと思いきや、

ウイィィィィ～～～ン

って、ウインチで力強く引っ張りあげてくれたのです。

いとも簡単に、眠れる泥沼のフォーカス姫は無事に脱出！

もちろん、JAF兄さんは『お代はいりません』と言って、また風の様に去って行きました。

キャーーーーー！　ス・テ・キ♪

まるで正義のヒーロー、いや4駆に乗った王子様ですよ。

見るも無残に泥だらけになったフォーカス姫は、すぐに洗車機に入れてあげました。

で、また泥沼の駐車場に戻すのは怖かったので、

結局、週末しか乗らないボクのアルファロメオくんを、
相方の実家の駐車場に置きに行き、その空いた場所にフォーカス姫をとめました。

やれやれ、とんだバレンタインデーのハプニングでしたよ。

あの大雪の爪あとが今になって効いてくるとは思いませんでしたが、雪国の春はまだまだ先のようです。