水は流れ、時は止まる | 馬の会長日記

馬の会長日記

「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

ちょっと遅い夏休みに出かけた3泊4日「福井&岐阜旅行」の2日目は、
「郡上八幡」の清流と名水で育った美味しいモンを食べて、
身体の中から清らかなった気がしますが、こんなところにも行きましたよ。

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って、まだ食べるんか~い!

しかも、こぼれてるし!

で、値段を見てみるとラーメンが(たしか)15,000円!  ・・・高っ!




・・・実はコレ違うんですよ。

時が止まってしまったようなこのラーメン。

もう、おわかりですよねぇ・・・コレ食品サンプルなんです。

「郡上八幡」は食品サンプルの発祥の地で、今も全国でもサンプルの生産量が高い街なのです。

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もちろん商業目的の食品サンプル工場も地場産業としてたくさんあるのですが、
観光客向けにも食品サンプルに触れ合える場所もいくつかあります。

行ったのはその一つの築150年になる町家を改造したお店、食品サンプル創作館「さんぷる工房」です。

ここでは、かわいいストラップやキーホルダーのお土産が売っていると共に、

気軽に「サンプル作り体験」も出来るんですよ。

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ボクはやりませんでしたが、てんぷらのサンプルを1人1000円で3品つくれるそうです。

中の具のエビ、茄子、かぼちゃや椎茸など、あらかじめ作ってあるものを使うんですねぇ。


昔サンプルはロウ細工で作られていたのですが、
最近はビニール樹脂やシリコンゴムに材料などに替わっているそうで、

サンプル食品のほとんどは受注生産で一品ずつ手作りされているそうですよ。

海外の飲食店にはこの様な食品サンプルが無いので、日本が生んだ独特の文化、まさに芸術品ですね。

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食品サンプル創作館「さんぷる工房」

岐阜県郡上市八幡町橋本町956番地
電話:0575-67-1870
営業:9時~17時
定休日:木曜日
駐車場:なし 
 
「天ぷらサンプル作り体験」

対象:小学生以上
料金:1人1000円  ※1人3品セット。
時間:30分~50分 ※人数によって違います。
予約:お電話にて要予約 
※土日祝日・夏休みに限り当日館内予約の場合が有ります。
 


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さらに、「郡上八幡」を散策します。

実はこのこの情緒ある町並みにはちょっとした理由があるのです。

ここ「郡上八幡」は「水の街」と呼ばれているにもかかわらず、
2度の大火で街が消失してしまったことがあるそうで、

その後の大正から昭和初期の同じ時期に建てられた家々が今もそのまま残されています。

なので、統一性のある長屋のように密接した家々の防犯や延焼を防ぐための袖壁と紅柄格子が見られたり、
玄関先には清らかな用水が走っていたりして風情たっぷりなのです。

特に、職人町や柳町、鍛冶屋町の地区はまるで、その時代のまま時が止まってしまったかのような趣ですね。

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レトロなつくりをしてあると思った観光案内所も、実は当時のままの「旧庁舎記念館」を利用されたものでした。


こんな時代が止まってしまったような街では、逆にペットは進化していくものなのでしょうか?

プードルが二足歩行で散歩をしてました・・・

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って、えぇ~~~っ!

ナンだこりゃ??




気付いてみれば、清流と、名水の城下町「郡上八幡」の散策と言っておきながら、
これまでぜんぜんお城にふれていませんでしたね。

でも、実は最初からここまでずっと、この街のシンボル「郡上八幡城」はボクの視界に入っていたのです。

というか、ずっと山の上から見下ろされていたと言ったほうがいいでしょう。

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この「八幡山」に街を見下ろす姿で構えるの「郡上八幡城」別名「積翠城」は
郡上市一帯を統一した遠藤盛数によって築かれたお城です。

現在の天守は当時は無かったそうですが、同じ岐阜県にある「岐阜県」を参考に
この模擬天守は昭和8年に造られたそうで、木造の模擬天守としては日本最古だそうです。

しかし、吉田川と小駄良川の合流点の八幡山に築城された美しい地にあるにもかかわらず、
「日本100名城」に選定されなかった悲運のお城でもあります。

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ここまで行くには「八幡山」を結構のぼらなければなりません。

しかし、歩いている人も多いのですが、体力に自身の無い方は絶対途中で後悔することでしょう。

ボクは車でものぼれると聞いたので、車で行きましたがそれはそれで難がありました。

一歩通行となっているとは言え、つづら折になっている山道はとにかく狭く
2ヶ所いっぺんでは曲がりきれなくて、切り替えしたカーブもありました。

さらに、歩いている人もいたのでなかなか緊張感がありました。

運転に自信の無い方は歩いて行くことをおすすめしますよ。

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天守の横のすぐ目につくところには重さ約350kg、長さ約1m、厚さ約30cmの
2つの大きな石がまつられていました。

これは「郡上八幡城」修理の際、城下の人夫の「作兵衛」、通称「赤髭」という人が
城下の河原から背負ってこの山頂まで運び上げた石たということなのですが、

その力量を激賞されたと共に「作兵衛」はその場で息絶えてしまったというお話があるのです。

このため、奉行はこの石は石垣への使用を禁じたということです。

作兵衛・・・なんでそこまで無理を・・・

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また、ここにも福井の「丸岡城」と同じく「人柱伝説」がありました。

むかぁし、昔、江戸時代のはじめに郡上八幡城が修理されることになったのじゃが、

一番大切なお城の主柱になる檜の巨材を運んでいる途中、
神路村という村で急に巨木が動かなくなり、
村人総出で木を動かそうとしても動かなかったそうな。

どうにもこうにもならなかった時に、その中にいた「およし」という
それはそれは美しい娘が手を添えると、なんと不思議!

巨木は動き出したそうな。

そうして結局「およし」は木を運ぶ人夫や村人たちと一緒に
お城の築造現場まで来てしまのじゃが、これがいけなかった。

ちょうどその頃、石垣の崩壊に頭を悩ませた奉行は、
その「およし」の不思議な力に注目してしまったのじゃ。

人柱になることになった当時19才の「およし」は白の振袖に白の帯をしめ、
お城の下に眠ることとなったとさ。

今でも、お城の石垣に向かって「およし、およし」と声をかけながら手をたたくと、
そのこだまが「およし」の泣き声に聞こえる場所があるというのじゃ。



・・・また、こんな悲劇があったんですね。

この当時は人の命よりも、お城の方が重かったということなんでしょうか?
19歳の美人の命がこのお城の下に消えたなんて・・・

現在、天守閣前には「およし」の霊を祀る観音堂があります。

また麓の善光寺には「およし稲荷」があって、毎年8/3には慰霊祭が行われているそうです。

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「郡上八幡城」の天守閣には、大人300円で(子ども150円)で入れるのですが、
特に歴史に詳しくないので城の中までは好奇心が湧かず、
門の外から、珍しい「石垣に根付く黒松」だけを見ました。

『また、入らないのかいっ!』って声が聞こえてきそうですが・・・

ここからの眺望は最高で、「郡上八幡」の風情ある町並みと、清流「吉田川」をゆっくりと眺めましたよ。

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「郡上八幡」といえば32夜に渡って踊られる「郡上踊り」が有名で、
特に徹夜で踊り明かす4日間は多くの観光客が訪れて賑わうそうなのですが、

平日の人が少ない時にゆっくりと、清流の音を聞きながら、
止まった時間の中を過ごすのもとってもいいもんでしたよ。




・・・そして、ついに次に目指すのはこの旅をするきっかけとなった
日本三名泉の1つ「下呂温泉」へと向かいま~す!


・・・つづく。