オリジナルの花蓮を作る | オケラ街道徒然草

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約7年間放置していたPAT用口座の通帳。久し振りに記帳してみてビックリ。
『コノキンガクホントウデスカ?』
JAR銀行に預けたお金、取り戻せるのか?

花蓮の楽しみ方の1つに
自分で新たな品種を作る、ってヤツが有ります。
蓮は自家受粉も出来る植物ですが
他品種と混ぜる事で
時に、思いも掛けない花が咲いたりします。
では、我が家の交配方法を記して行きます。
 
用意する道具は

・毛先の柔らかい絵筆
・逆ピンセット
・小細工の利くハサミ
この3つと 
 
交配の記録を花茎に貼っておくのに使う
ダイソーの園芸用テープです。
 
逆ピンセットと言うのは
文字通り、逆のピンセットで

握ると開いて
 

力を抜くと閉じるピンセットです。
無ければ普通のピンセットでもOKですよ。
 
では、蓮の花の仕組みの一部を説明します。
蓮の花は雌性先熟【しせいせんじゅく】と言いまして
開花前日、初日の雄しべからは花粉はまだ出ませんが
蓮台上の、雌しべは受粉可能な状態になる花です。

今朝、開いた小桃姫の蓮台周辺です。
雄しべが、まだ短くて花粉を出していない状況です。
交配の蓮台親には
この様な開花初日の花を使います。
 
そして、開花2日目。

雄しべが伸びて、粉っぽくなってますね。
花粉がたくさん出ている状況です。
 

コチラは開花初日の祇園です。
八重咲き品種に多く見られるのですが
八重咲き品種が小さく咲くと、雌しべが異形雌しべとなって
蓮台から飛び出したり、花弁化したりします。
この様な雌しべには受粉能力が無いので
交配を試みても種は出来ません。
 
では、実際の作業です。
第一関門は『早起きする』です。
ミツバチより先に作業しなければいけないので
遅くとも朝5時には作業を始めましょう。

【開花2日目の花】から雄しべを切り取ります。
なるべく多く切り取って使う方が受粉率は上がります。
それを手のひらに集めて整えて
 

ピンセットで挟み取ります。
 

そして、雄しべをホウキの様に使って
掃き撫でます。
画像は3日目の花ですが、必ず1日目の花に行って下さい。
 

気が済むまで撫でたら、雄しべを蓮台の上に置いて
 

絵筆でダメ押しのナデナデ。
 

心行くまでナデナデ。
気が済んだら、雄しべをそのまま置きっ放しにして終了。
 
園芸用テープに交配相手の花粉親の名前を書いて
花茎に巻き付けておきます。
 
 
学術的に、確実に狙った組み合わせで交配する場合は
開花初日の花の、花弁と雄しべを全て刈り取って
受粉作業後は保護袋を掛けてミツバチなどを遮断するのですが
素人の趣味なので、そこまで厳重にやらなくてもOKです。
 
この方法だけで受粉させても
受粉率は良くて50%くらいです。
 
ある程度、種が熟して来ると
この様に、種が黒く色付いて
種の周囲に隙間が出来て来ます。
そうしたら、脱落予防にネットを掛けます。
更に2,3日経つと
果托が硬くなります(シャレでは無い)
 
果托を軽く握ってみて、凹まなければ収穫時期です。
 
果托を手芸などに使う場合は
ピンセットなどで摘んで収穫しましょう。
ピンセットで摘んで軽く捻ると
『ぷちっ』と音を立てて外れますが
硬くて滑るので
飛んで行って行方不明にならない様に注意です。
使わない場合はバリバリ粉砕して収穫して下さい。
完熟・乾燥していると振るだけで外れます。
 
収穫した種は2,3日ほど
小鉢などに入れて室内で陰干しして
その後、袋に血統を書き込んで封入・保管します。
 
収穫時期が7月中なら
そのまま発芽処理して苗にしてしまえば
秋には小さな蓮根が出来ます。
種で一冬越すよりも
翌年の発育が格段に良くなるのでオススメです。
その際に、一般に言われる様な
冷蔵庫に入れての春化処理は不要です。
 
 
もう1つの交配方法は
ミツバチの落とし物を使う方法です。
蓮の花は蜜腺が無いので
蓮の花で花粉集めをしているミツバチが作る花粉団子は
比較的パサパサで、よく落として行ってしまいます。
また、花粉集めに集中し過ぎて
スズメバチに分解されてしまった時にも
花粉団子が落ちます。
その花粉団子を集めて蓮台に置いて絵筆で捏ねると
中々の受粉率で種が出来ます。
ミツバチの行動半径は約2㎞と言われています。
その中に、他に蓮の花が咲いてたら
サプライズな配合になる可能性が有ります。
ロマンです。
 
説明は以上になります。
綺麗な花が咲きます様に(-人-)