ボウリング場での出来事 -29ページ目

100円ゲームボーヤ

立派かどうかはわかりませんが


彼と彼女は大きくなっていました。


去年の年末頃に久しぶりにボウリング場にやって来ていました。


彼の身長は185㎝くらいにもなり、若くスリムで今風で言う小栗旬似のイケメン男なのです。


彼女の身長も高く 愛嬌のある笑顔が持ち味の昔風で言う小川範子似のベッピン女さんなのです。


あれ?今の世間の言い方で 男はイケメンで女は何て言うんだろう?何だ? まあ、どうでもいいか。


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昔は夜でもゲームセンターによく少年がいましたね。


今は条例等で地域ごとに制限時間や禁止事項など少年保護が盛りだくさんですね。


僕も少年時代はワクワクドキドキしながら夜のゲームセンターに行っていた記憶があります。


その当時でも何かしてはいけない事をしている感があり


夜のゲームセンターに行った事を さも極悪な事でもしたかのように


翌日の学校で友達に悪ぶって話した事もしばしばでした。



僕のいたセンターにもそこそこのゲームコーナーがありました。


十数年前、その当時はゲームメーカーのSEGAが入っていたと思います。


格闘ゲームが流行りましたね。やたらとめったらと流行りました。



僕がアルバイト時代にそんな格闘ゲームにはまっていた少年がいました。


当時、少年は小学校4年生くらいだったと思います。


僕は少年の名前も住んでいる所も知りません。


少年はいつも夜の9時を過ぎた頃に知らない間に現れていました。


たしかにその当時でもその時間に小学校4年生くらいの子供が


ゲームセンターにいるのは問題だと思います。


が、しかし少年は風のようにゲームコーナーに現れて格闘しているのです。


保護者がいつも不在なので僕達スタッフは少年を見つけると必ず注意しに行くのです。



僕 「ぼく!お父さんお母さんは?一緒じゃないの?ダメだよ一人は。」


少年 「・・・・・・・・・・・・・・。」むっ


僕 「ちょっと!家は近いの?一人で来ちゃダメだよ!」


少年 「・・・・一人じゃないし。」むっ



突然にゲームの影から少女が現れ言いました。



少女 「二人だよ。」目


少年と少女はニッカリと満面の笑顔で僕を見るのです。


僕 「・・・いや、じゃなくて、お父さんかお母さんじゃないとダメだよ!」


僕はその笑顔に少し面食らった感じでした。


少女 「別にいいじゃない、それより100円ちょうだい!」目


ものすごいニコニコで唐突に言われました。


僕はまたしても面を食らわされました。


僕 「・・・何であげるの?僕が?・・・いやいや、そんな事よりもう遅いから帰りなさい。お家の人が心配するから。」


少年 「・・・だって、ここで待ってる約束だもん。」むっ


少女 「だから100円ちょうだい!」目


僕はその唐突さかげんに三度も食わされました。不覚でした。


僕 「・・・100円はあげない!・・・えーと、親御さんとここで待ち合わせなの?」


少年 「まあ、そんな感じかな。」むっ


僕は心の中で思いました。(オイ!ボウズ!)



少女は少年の妹のようです。小学校2~3年生くらいに見えました。



大抵は30分~1時間くらいで知らない間に少年少女は帰っているようでした。


ゲームコーナーにいるときはいつも何度か注意しに行くのですが


大概はこんなやり取りを週に2度くらいはしていました。 


僕は時に100円あげてしまう事もありました。


しかし、少年少女は一度も家族の事や住んでる場所、自分達の名前も言いませんでした。




ある日の事、閉店20分くらい前の事でした。(その当時は夜の12時閉店です)


閉店作業をしていた僕の耳にゲームコーナーから声が聞こえてきました。


あの少年少女でした。


僕 「おいおい!遅すぎるぞ!ダメだよ!」


少年 「あー、負ける!あー!あー!あ~~~~あ!」むっ


僕 「コラ!帰りなさい!遅すぎる!」


少年 「・・・・・負けた・・・・」


僕 「こんな時間に子供だけはダメって言ってるだろ!」


少年 「・・・・・・。」むっ


僕 「しかも、今日は何でこんなに遅い?お父さんお母さんは?」


僕はけっこうな怒り気味に言いました。


少年 「・・・・・だって、仕事だもん・・・・」むっ


僕 「仕事か?迎えに来れないの?家はどこ?送って行ってあげるから」


少年 「だって、待ってなくちゃ・・・」むっ


僕 「ここはもう閉まるよ。連絡先を教えて。親御さんに連絡するから、いくらなんでも遅すぎるよ。」


少年 「・・・・・・・・・。」むっ


僕 「あれ?今日は妹ちゃんは?一緒じゃ無いの?」


少年は黙ってゲームコーナーの隅っこをチラッと見ました。


僕は死角になっている隅っこのゲームとゲームの間を見に行きました。


すると、そこに三角座りでスヤスヤと眠っている少女がいました。



僕 「おいおい、妹ちゃん!起きて!ダメだよ!そんなとこで寝ちゃ!」


少年 「おい!起きろ!」むっ


少女 「・・・・・あ~お母さんは?」目


少年 「寝ぼけんな!行くぞ!」むっ


僕 「行くぞって、迎えが来るんじゃないのか?待ってていいから、外は危ないから、ちょっとここにおりなさい。」


少女 「じゃあ100円!」目


僕 「あのな!ジュースだったら買ってやるぞ」


僕はもう面は食らわせられません。



少年 「じゃあ問題。この格闘ゲームは1ゲームいくらかかるでしょう?」むっ


僕 「100円だ。」


少年 「正解!!」むっ


少女 「じゃあ100円!!」目


僕 「あのな~・・・まあジュース買って来るから、ちょっと待ってろ。」



僕は自動販売機に行き、瓶コーラを買ってきました。


少年少女はすでにそこにはいませんでした。


僕は栓の開けた瓶コーラを飲みながら様々な事を思いました。



それが少年少女時代の兄妹を見た最後でした。



その後、十数年が過ぎた去年の年末の事でした。


書き入れ時のセンターでバタバタとしていると


見覚えのある顔が以前に見た位置よりかなり高いところにあり


あの笑顔のまんまの少年少女が青年青女となっていたのです。


若者集団の中にいた兄妹は素晴らしく大きく格好良く、綺麗になっていました。


僕は懐かしさでいっぱいになりました。



妹ちゃんは僕のほうを見て見ぬふりをしている感じでした。


兄ちゃんは僕のほうをチラチラと見ていたので僕は言いました。


僕 「何?懐かしいな、おい。」


兄 「憶えててくれましたか?おー懐かしい!」


僕 「元気か?」


兄 「はい!元気っすよ!ちょっと遊ばさせてもらいます!」


僕 「はい。いらっしゃい。」



もう100円とは言わなくなった兄妹は大変に良く育っていました。


もう大人なので夜にセンターに現れても、何も言いません。



たしかに夜に子供だけで行ってはいけませんが


あの当時にこの少年少女の行き場が無かったとしたら


夜風をしのぐ場所が無かったら


単に保護というのはどうゆう事なのか


色々思います。






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続×5 ボウリング戦隊 メカテッくん5 後編

さっき、買い物に行ったときに


酔いどれTくん選手とリアルに車ですれ違いました。


このタイミングなので ちょっと驚きましたが


軽く手を上げて笑顔で挨拶しました。


久しぶりに風格のある顔のしわ付きの笑顔が見れて


相変わらずだなと思い嬉しく思いました。


本当の事ですよ。





静かに静かに・・・


口の両端を心なしか下げ


軽いクラウチングのポーズをとり


額にしわを寄せ


上目ずかいにレーンを見据え


ゆっくりと呼吸を整え


サムの感触を確かめながら


両手で持っていたボールを


ソーっと右手の上にのせます


息を吐くと同時にオズオズと足を踏み出し


鎌のような右腕は振り子のスイングに入ります


緩やかに流れるアプローチの最後には


大きく力強い最後の一歩が踏み込まれます


その途端に長い鎌が大きく、ためらいも無く振り下ろされます


放たれる瞬間に最後の息吹きをボールに与え


生きたボールはレーンの右端から17~18枚目の板から


ガター目がけて駆け抜けていきます


レーン右から6~7枚目付近にたどり着いた時


ボールが ボール自身の回転に目覚めたかのように慌てふためき


進むべき方向にその身をひるがえし


決意したかの様な突進を始めます


その決意の通り何のためらいも無くポケットに突撃します


全てのピン達はまるで整列でもさせられるが如く全て奥に追いやられます


彼はゆっくりと振り向き


その偉大な長い手を皆に差し伸べます



外で彼を見かけるとただの


いかりや風のおっさん


しかし、今の彼はいかりや風の王様なのです


彼の存在するボウリング場で


彼のボウリングを理解した者は


彼を 彼の存在を


王様と認めるのです




メカテッくん1号!! いかりや風 スーパーカップリスト  酔いどれTくん選手!!

彼の四本のカギ爪がボールをしっかりと固定し


彼の大きな面積の親指の摩擦力が力を入れずともしっかりとボールを支え


彼のスーパーカップの改造メカテクターは激しいカップリスト作り出し


彼の素晴らしい投球フォームがボールに正確さと力を与え


彼の手から放たれる最後の瞬間にボールに命を吹き込むのです



我慢していた摩擦力が開放されたと同時に


スーパーカップによりボールを真下に近いところから


四本のカギ爪が一気にボールをかきあげ


その強さに耐え切れなくならない様に


切断されたメカテクターの部分から四本のカギ爪は拳側にしなり


さらに押し切ったその指先からボールは命をもらいます



これが彼のボウリングなのです。



彼は凄いのです。


だから彼は王様なのです。




ボウリング場での出来事
彼は王様。しかし、彼も人間なのです。


彼は酒が大好きです。彼も酔拳の使い手なのです。



僕のいたセンターには一角にレストランが併設してあります。


彼はボウリングが終ると いつもそこで飲みます。


そして飲みます、さらに飲みます、どんどん飲まれます。



酔いどれTくん選手の誕生です。



大抵は酒を飲む人、飲まない人入り混じっての数人でボウリング話をされています。


彼が酒に飲まれると1~2人が王様の直属の大臣になります。


彼は飲まれてもボウリングの話しかしません。


彼のボウリング理論を止まらず語るのです。


何度も何度も何度も・・・・・・。


彼は王様。大臣は話を止める事はできません。


しかし、王様は威厳のあるしわと笑顔とよだれで語りつづけるのです。


皆一様に王様の語る同じ事にうなずくのです。


何度も何度も何度も・・・・・・。



大臣達は王様がつぶれると王様のお帰りの準備を始めます。


時に大臣達が消えようとも、センターのスタッフ大臣が王様のお帰りの準備を始めます。


王様は酔ってどんなに大臣に煙たがられようとも


結局、大臣達が王様をお守りするのです。


それほどに王様のボウリングは皆に認められているのです。



しかし、ボウリング場に遊びに来た子供は王様だという事を理解していません。


子供「うわー!変なおっさんがよれよれでボウリングの格好してる!キモー!」


その言葉に気付いた王様は子供に言いました。


王様「はいっ!元気です!ボウリングは楽しいよ~~~○▲×□うにゃ~・・・」


王様はニコニコしながら睡眠に入られました。


大臣達もニコニコ・・・いや、ニヤニヤしながら見守るのです。



王様は翌日に照れ隠しをしながらセンターに参られます。


王様はその時の事をうすら憶えているようです。


しかし、威厳のあるしわ付きの笑顔とそのボウリングで全てを水に流させるのです。


彼は 酔いどれTくんは王様なのです。


しかし、時にすっぱだかの王様なのです。






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続 続 続 続 続 ボウリング戦隊 メカテッくん5 中編 その二

彼のことを語るには時間がかかる事に書きながら気付きました。


じれったくてすみません。



酔いどれTくん選手は達人である事


酔いどれTくん選手のメカテクターは改造してある事


酔いどれTくん選手の親指はグリップ面積が大きいため摩擦力が大きいこと



メカテクター MD3
¥14,000


この3点が前回までに書いた事です。


※フィンガーグリップ・・・・・ボウリングボールの中指・薬指の穴に接着するゴム製の円筒状の物。ボールに回転を与えやすくするために指に引っかかりやすくなっている。指との接地面は色々な形状がある。

僕はターボ社のICEグリップのセミの部分が好きです。ICEグリップはチビにくいのです。だから、交換した事がありません。


彼はスーパーカップリストです。常人では使いこなせないメカを愛用しているのです。


このメカを使うと通常の人はリリース時にボールを落とす事が多いと思います。


彼は落としません。そして生きたボールを投げるのです。




彼のフィンガードリル(中指と薬指の穴)は極端に小さい穴のみが開いています。


今となってはマイボールなら誰でも付けているフィンガーグリップも無しです。



ボウリング3点セット ボール(Sparkle2) +シューズ( S-380) +バッグ( B8-240)+ドリル+フィンガーゴム+サムソリッド
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昔のボウリングブーム時のマイボールはフィンガーの小さい穴が当たり前化していた様ですが


今はほぼ見られません。


まあ、好みもあるとは思いますが


彼のそれは第一関節まで全く入らない穴なのです。


第一関節と指先の半分あたりまでしか入らないのです。


広すぎるスパンの場合はこれで引っかかった状態で持つ事は可能だとは思います。


が、そんな事は僕はおすすめしません。




彼のドリルスパンは彼の手のサイズより短めにしてあるのです。


なので彼がボールを持つのは


握る、引っ掛けるのではなく、彼の手にのせているのです。


そしてボールが落ちるのを防ぐように


フィンガーでブレーキをかけている状態なのです。


ブレーキは中指・薬指だけではなく


人差し指・小指もその役割をはたしているのです。


フィンガーのドリル穴は中指と薬指のみです。


そうなのです、彼は4本の指をカギ爪状にしているのです。


そのカギ爪でボールを支えているのです。


彼の4本の指の先は硬いタコがあります。


すごくカッチカチです。


別に絵のように黒くは無いですが。


スゴイタコです。
ボウリング場での出来事-カギヅメ

こんな感じです。決してガチョーンではありません。


このカギ爪が彼のたどり着いた場所なのです。


そして、この指先が彼の経験なのです。




酔いどれTくん選手は達人である事


酔いどれTくん選手のメカテクターは改造してある事


酔いどれTくん選手の親指はグリップ面積が大きいため摩擦力が大きいこと


酔いどれTくん選手のフィンガー4本はカギ爪である事



彼のボウリングスタイルが集結する時がやっときました。


    つづく・・・・・・・・次回、やっと後編!がんばります!





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