ボウリング場での出来事 -20ページ目

ドラゴンブルース・・・登場

挙動不審な男がボウリング場のフロントの前に立っていました。



少しフロントから距離を置いた場所に身を置くその男は



何故かフロントに対してその不審な体を45度程度横向きにし



少しうつむいた不審な顔から覗く 上目づかいぎみのその不審な目は



こっちを見ているのか見ていないのかハッキリしない様子で



何ともじれったい空気が漂っていました。



こちらとしても極力気にはしないように努めてはいました。



が、しかし、その男からはこちら側を気にしている不審なオーラが見え隠れしているのです。



『いったい何なんですか?』 と、お尋ねしたい気持ちを抑えて



その不審な様子を伺っていました。





4~5分後の突然の事でした。



何故か、その不審な男は早足で一目散にセンターから出て行きました。



去り際にこちらをチラ見しながらでした。



一瞬、その不審な男が上目づかいに不審な笑みを浮かべたのが見えました。



『気色が悪かったなぁ~』 という記憶があります。





そして、それから、さらに4~5分後の事でした。



その不審な男が再びセンターに入ってきました。



不審にニヤケタその顔は何を言いたいのかサッパリわかりません。



そして、その男の肩にかかる物はボウリングバッグでした。



そして、そのボウリングバッグは1個入れようでした。



『何だマイボーラーか、初めて見る顔だな、それにしても何なんだその不審な行動は・・・面倒くさい。』 僕はそう思いました。



いきなりの事でした。



その不審なマイボーラーは受付フロントに立っていた僕に45度程度の角度で



スススーッと近づいて来ました。




僕 「いらっしゃいませ。」



不審ボウラー 「へへっ・・・・・・ボウリング・・・・。」



僕 「ボウリングですね、そちらの申込用紙にご記入願いますか。」



不審ボウラー 「あ、これね・・・」。



不審ボウラーは申込用紙に記入をしながら、時折にチラチラとこっちを見る様子でした。



その行為は見ているのか見ていないのかハッキリとしない感じでした。



その不審ボウラーは日焼けなのか地黒なのか酒焼けなのかはわかりませんがとっても浅黒い顔をしており



その顔の上にビッシリと生えた剛毛はとても乾燥しているように見えました。



まあようするに 爽やかでは全く無い という事です。




不審ボウラー 「あ、ちょ・・ちょっと・・・後にするわ。」



突然にその男は申込用紙の記入を止め、後ずさりをしながらフロントから離れました。



僕 「あのー、やめられるんですか?」



不審ボウラー 「・・・い、いや・・・ちょ、ちょっと後で。」



『あー面倒くさい。』 僕の率直な意見です。




そして、不審ボウラーの躊躇いがやっと理解するときが来たのです。




隅っこのレーンでボウリングを楽しんでいた数人のマイボーラーのグループが精算にやってきました。



そして、彼らの精算が終わり、エントランス方面に向いかけた瞬間でした。



不審ボウラーがすかさずに スススーッと



さっきの申込用紙を片手に受付フロントに滑り込んできました。



僕 「あっ・・・いらっしゃいませ・・・ボウリングですね・・・。」



不審ボウラー 「ぇぇええ・・・・端っこで・・・。」



僕 「はい? あっ!・・・隅っこのレーンが良いんですね?」



不審ボウラー 「へへっ・・・ハハハッ。」



不審ボウラーは恥ずかしそうに照れ笑いをしていたのです。



その浅黒い顔が俄かに赤らんでいた様に見えました。



僕はピーン!と来ました。



そして、僕は思い切って尋ねました。



僕 「あのー・・・あんまり人がいない所が良いん・・・ですか?」



不審ボウラーは恥ずかしいんだか、嬉しいんだか、何だかわからない顔で僕に微笑み言いました。



不審ボウラー 「わかる?・・・わかる?・・・ヘヘッ・・・。」



僕 「やっぱりですか、ハハッ・・・失礼な事をごめんなさい。」



不審ボウラー 「ヘヘッ・・・実はね・・・マイボールはまだ一回しか投げてなくてね・・・ヘヘッ・・・大阪の兄貴の知り合いのプロに開けてもらってね・・・ヘヘッ・・・良いボールらしい・・・ガクッと曲がるって言ってたよ・・・ヘヘッ・・・うーん俺はまだわからないけど・・・まーだ、そんなに投げてないからね・・・でも・・・曲がるかな?・・・ヘヘッ・・・だからね、人にあんまり見てもらいたくは無いんだよね。・・・ヘヘッ・・・。」



不審ボウラーは良く喋りました。



突然に、弾けたように。



そうなのです。



不審ボウラーは超ウルトラ恥ずかしがり屋さんだったのです。



そうなのです。



彼は不審ボウラーでは無く、ウルトラシャイボウラーだったのです。



しかも、その全く爽やかでは無い顔にも関わらず



屈託の無い、何とも愛らしい笑顔を滲み出すのです。



彼を得体の知れない人間だと思っていた僕の心に



何故か急に親近感が湧いてくるのを感じ始めていました。




ボウリング場での出来事-こやの1


決して変な意味じゃありませんよ。本当に。



                                 つづく


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スタッフH

ドラゴンブルース・・・まえがき

僕が以前にとても仲良くしていた男。


その男はこの不景気のあおりを受けて親から受け継いだ自営業を辞めざるを得なくなりました。


そして現在は以前の三分の一の収入で老いた母親と何とか細々と生きています。


数年前から好きだったボウリングをする事もできないでいます。


僕は彼の気さくな性格が好きでした。


何とか以前のように復活してほしいと願います。


頑張れ!ドラゴンK!


負けるな!ドラゴンK!


燃えよ!ドラゴンK!




ドラゴンK 「・・・カァァァァァ~~~ハァァァァァ~~~フゥォォォォォ~~~・・・・・・」




                                       


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