ENSO美味いもの大全~今日はこんなん出来ましたぁ~-フェアミールス

エリックカレー岐阜駅店では今年に入ってからだいたい月イチのペースで

「ミールスフェア」を開催しています。

と言ってもほとんどの人にとってはまず「そもそもミールスって何よ?」だと思いますので、

今回はまず、(主に普段のエリックカレーを知る方に向けた)ミールス入門を

一問一答形式でお送りしたいと思います。


Q1:とりあえずミールスって何なの?ざっくり三行でよろしく

南インドのカレー定食です。カレーは一種類だけということはなくたくさん付いてきます。

それを主にごはんと一緒に食べます。もりもり食べます。おかわりしながらひたすら食べます。

ほとんどのカレーは野菜や豆が主役です。肉は全く使われないか、使われても一部です。


Q2:いわゆる一般的なインドカレーとは何が違うの?

日本で一般的なインドカレーは主に北インドのカレーがルーツです。

北インドカレーはざっくり言えばこってりまったりしたものが多いのに対して

ミールスを構成する南インドカレーは調理に使う油脂も少なく、さらりと軽い印象に仕上げられる事が多いです。


Q3:普段のエリックカレーのカレーとも違うの?

エリックカレーで普段お出ししているカレーも基本的には南インドカレーがベースです。

普段のカレーは肉系のカレーが中心でなおかつある意味「カレーらしいカレー」ばかりです。

ミールスの時は菜食系カレーが中心で、「これもカレー!?」的な一般的カレーの概念を超えるカレーも登場します。


Q4:本場の南インドカレー、ってことはすごく辛いの?

辛い物も辛くない物もありますが、極端に辛いものはまずありません。

辛いカレーが本格的なカレー、というのは幻想です。

特にミールスだとカレー同士を混ぜることで辛さも調整できるのでますますハッピーです。


Q5:ナンじゃなくてご飯なの?

インドカレーと言えばナン、というのも実は日本ならではの常識です。

特に南インドは世界有数の米の生産地で、普段の食事も米が中心です。

ご飯をいかに美味しく食べるか、という知恵の集大成が南インド料理でありミールスなのかもしれません。


Q6:いつもの黄色いご飯じゃないんですね?

いつものご飯は日本米を少量のスパイスやバターと共に水分少なめでパラリと炊いたものですが

ミールスではより本場らしい味わいを楽しんでいただくため、インディカ米(長粒米)をご用意します。

軽やかな食感と食欲をそそる香ばしい香りは、南インドカレーとの相性がバツグンです。



Q7:菜食カレーって物足りなくない?

決してそんなことはない、というのが南インドカレー最大のミラクルかもしれません。

野菜からの旨味や豆のコクをスパイスやハーブが引き立てることで、驚くほど多彩で深い味わいが生まれます。

タマリンドやヨーグルト、柑橘類の酸味がうまく使われているのも独特のコクの演出に一役買っています。


Q8:ミールスはどうやって食べたらいいの?

ミールスの食べかたに決まりはありませんが、せっかくいろんな種類の料理がついてきますので

まずはそれらをちょっとずつそのまま味見してみるのもいいかもしれません。

ですが一通り味を確認したらまずは全てのカトリ(小皿)をターリ(丸盆)の外に出して

中央のごはんを少し平らにならしましょう。この時ぱりぱりに揚がったパパド(豆せんべい)も

細かく砕いてごはんにふりかけてしまうのがおすすめです。

あとはカトリ(小皿)のカレーを次々にごはんにかけて、ひたすら食べるのみ!です。

タール(丸盆)の上でカレー同士が混ざってもキニシナイ。

むしろ複数のカレーを混ぜ合わせて自分好みの味を作り出すのがミールスを最大限に楽しむコツです。

汁気のあるカレーも、炒め物のようなカレーも、スープ(ラッサム)もヨーグルト(ライタ)も

全部ごはんにかけてください。

ごはんが足らなくなったらおかわりもできます。ごはんおかわりしてカレーが足らなくなったらカレーもおかわりできます。

めいっぱいおなかいっぱいになったらゴチソウサマ。


ミールスは、はちきれんばかりにおなかいっぱい食べても

不思議とさわやか。胃もたれもしません。油が少ないから、ほとんど野菜だから、そんな理由ももちろんありますが

インドの歴史が育んだスパイスを中心とした薬膳(アーユルヴェーダ)の力をきっとあなたはその時実感することでしょう!


さて、そんなミラクルで楽しいミールスを目いっぱい楽しめるミールスフェア、

次回の開催は3月4・5日、金土二日間どちらも17:00より

くわしくはコチラ をごらん下さい!





久々に南インドレポートの続きです。

今回はケララの市場で見つけたちょっと不思議な物たちを。


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まずは不思議、ってほどでもないですが野菜の数々。

見たところ、瓜類が多彩なほかは、意外と日本と同じような野菜が多いです。

もちろんドラムスティックとかココヤシとか青バナナとかアムラーとか

そしてなんといってもカレーリーフ、このあたりが普通に売ってるのを見るとドキドキしちゃいますけど。


種類自体はそんなに多いわけではないようですね。

日本のように次々に新顔の野菜がデビューするというようなことはあまりないようですが、

中華料理の影響でヤングコーンがニューフェイスとしてプチブームだそう。


インドの野菜は総じて水分が少なく、その分組織がしっかりしていて味が濃い印象です。

生食とか「さっと火を通す」という調理法があまりないから、

日本のように柔らかくみずみずしくという方向には品種改良が進まないんでしょうね。

特にオクラとタマネギは、日本でも同じような物が手に入ると料理の仕上がりが

格段に良くなりそうな気がします。


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さすがコチ、海沿いの町だけあって肴が豊富です。

このフィッシュヘッドだけの写真では伝わらないでしょうが、意外と新鮮な状態で並んでいました。

ただ氷に当てたりとかの鮮度保持の工夫はいっさいしていないようなので、

これはもう産地が近いというそれ以上でも以下でもないですね。

魚種はそれこそアジやイワシ、シイラ、鯛、マグロ、トビウオ、マナガツオ、サワラ、サバ、イシモチなど

日本の近海魚とかぶりまくっていてなんだか不思議です。

南の国なんで沖縄みたいなカラフルな魚を想像してしまうかもしれませんが、あれはあくまで珊瑚礁の魚なんでしょうかね。

にしてもこの写真のような感じでフィッシュヘッドだけで売ってるってことはフィシュヘッドカレー的なものが

ケララにもあるんでしょう。ホテルやレストランでは見たことなかったからあくまで一部の家庭料理だけで

使われているんでしょうか。是非いつか食べてみたいものです。



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肉が売ってます。

サイズなどから判断するとどう見てもヤギや羊ではなく牛肉です。

インドでは牛肉は絶対食べない、という有名なガセネタがありますが

少なくともケララではこうやって堂々と売られていますし、おいしい牛肉料理も実際にあります。

もっともケララはクリスチャンが多いので、食のタブーに比較的寛容という面もあるようです。

なんにしても「インドでは**です」みたいな言い方は「インドの特定の地方の特定の階層では**なこともあります」

みたいに読み替えないといかん、ということでしょうね。







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これはちょっと驚きました。

干し魚や干し海老が売ってます。そんな話聞いたことありませんでした。

干し海老はイメージ的にまだわからんでもないんですが、

干し魚のほうはクサヤとか中国のハムユイみたいな匂いがします。

つまりあきらかに発酵しているんです。これがどうやったらインド料理になるのか全く想像がつきません。

ていうか小泉武夫先生も石毛直道先生もインドには魚介類の発酵食品は存在しない、

って確か言い切っていたような・・・。
どこかでこのインドクサヤの料理が食べられる所はあるんでしょうか。
あるのなら次回は草の根分けてでも探したいところ。



ENSO美味いもの大全~今日はこんなん出来ましたぁ~


師匠、渡辺玲先生です。

さすがこの風景に溶け込みっぷりったらないです。









今回のインド旅行の収穫の一つが、

現地で大量のレアな料理本を入手できたことでした。

今回はちょっと趣向を変えて、その中から一見規格外とも思える

キョーレツなポークビンダルーのレシピをご紹介します。


一部のスパイスや野菜の味やサイズは日本とインドでかなり異なるので

そこは日本で手に入る基準に合わせて若干の変換を行っていますが

それ以外はオリジナルのまんまです。

カレー作り慣れてる人なら特に、にんにくやクローブ、シナモンなどの量に

「いくらなんでもそれはないやろ」と思えてしまうかもしれませんし、

そうでなくても唐辛子4人前で20本なんて狂気の沙汰では?と思うでしょう。

酢の量も少し減らしてみたくなるかもしれません。


でも大丈夫。僕も今回半信半疑で作ってみましたが、これはすばらしいレシピです。

スパイス感や酸味の過剰さを大量のにんにくのコクがどっしりと受け止める感じの見事なバランス。

コクと甘酸っぱさがあるせいか、舌で感じる辛さは決して過剰というほどではありません。

今までいろんな店で食べたポークビンダルーや自分が作ってきたそれと比較しても、最高と思えるものでした。


ただし、あくまで個人的な好みで言えば、「クローブ30粒」だけはさすがに若干多すぎるかな、と。

半分でもいいんじゃないかなと思います。(半分でも常識を超えた量ですがw)

あと、カシミーリチリ(大きくて辛さほどほどの唐辛子)を使う事は多分重要なポイントですが、

もし普通のタカノツメで代用するなら、後でパプリカパウダーを大さじ2くらい足すと、少し近い感じになるはずです。


<ポークビンダルーについて>

ポークビンダルーは、ゴアを代表するカレーです。

ゴアはもともとポルトガルの植民地だったという歴史的な経緯があり、そのせいもあって

インドの中でも特殊な食文化が根付いています。

このポークビンダルゥも元々はポルトガルの煮込み料理が原型で、インドには珍しく豚肉を使います。

調味に酢を使用するのも、ゴア料理の特徴です。


<ポークビンダルー・レシピ(4人前)>

A:豚肉の下準備

豚肉(お好みの部位で。個人的には肩ロースがおすすめ)4cm角にカット  400g

にんにく(ペースト又はみじん切り)  小さじ1

しょうが(ペースト又はみじん切り)  小さじ1

ターメリック                小さじ1

塩                     小さじ1


B:ビンダルーペースト

サラダ油                大さじ2

カシミーリチリ(無ければタカノツメ)  20本

クローブ                  30粒

シナモン           板ガム大×2

ブラックペッパー            30粒

クミンシード              小さじ1

にんにく(粗みじんぎり)      2玉分(2カケ、ではありません!)

酢                   60cc

水                   適量(目安は50~100cc)


C:本調理

サラダオイル       大さじ4

タマネギ(スライス)          小さめ1個

トマト(ざく切り)            小さめ1個

水              500cc

塩              適量(目安は小さじ1)

ジャガリー(なければザラメか砂糖)  大さじ1



<工程>

①Aの材料で豚肉を漬け込み、最低20分置く


②Bのビンダルーペーストを作る。フライパンでサラダ油を熱し、チリ・クローブ・シナモン・ブラックペッパー・クミンシードを加え、ゆっくりと焦げないように香りが十分出るまで炒める。


*と言っても、チリはあっという間に黒っぽくなるかもしれませんがそれはあまり気にしなくてもよいです。ここでこの大量のチリを香ばしく炒っておくことが割と大事なポイントになると思います。タイミングが分かりづらければ、クミンにうっすら色が付くのを目安に。


③スパイスの香りが立ったら粗みじんのにんにくを加え、これも香りが立つまでソテーする。


*料理慣れしている方はピンとくるかもしれませんが、ここまでの工程は「ペペロンチーノ」のオイルソースを作るイメージに近い物があります。ただしにんにくの分量が分量ですから、レシピ通りのオイルの量だと若干作りにくいかもしれません。その時はオイルを少し足しても問題ないと思います。油が気になる方はこの後の最終工程のオイルは多少減らすことも可能です。


④ローストしたスパイス&にんにくが完全に冷めたら、その全てを酢と共にフードプロセッサー等でなめらかなペーストにする。必要なら水を加える


*必要なら水、とありますがまずまちがいなく必要だと思われます。特にインドでは普通の強力なブレンダーはどこにでもあるわけではないので、場合によってはシナモンなどはパウダーで置き換えるしかないかもしれません。


⑤最終工程です。分量のサラダ油でタマネギをやや色が変わるくらいまで炒めたらトマトを加える。


⑥トマトが煮崩れたら、Aの豚肉とBのペーストを全て加え、炒める。


*AとBを一緒に加えるんなら、最初からペーストで豚肉をマリネしておけばいいのに、と個人的には思います。おそらくそういう工程の方が一般的なのではないでしょうか。でもとりあえず今回は原本を尊重しました。


⑦肉にある程度火が通り、オイルがセパレートしたら水を500cc加え、とろ火で煮込んでいく


*500ccというのはおそらく広く浅い鍋で作る前提の量だと思われますので、深鍋ならもっとぜんぜん少なくていいはずです。肉がかぶるくらいで充分。極端な話、ここで加えた水分は最終的に全て蒸発させる、というイメージで煮込むといいと思います。

⑧肉が完全に柔らかくなり、グレイヴィがとろりとしてきたら、塩とジャガリー(砂糖)で味を調える。



これで完成!

作りたてでもいいですが、いったん常温まで冷ました方が味がいい意味で落ち着きます。

チャパティでもゴハンでも、あるいはパンドカンパーニュやライブレッドなんかでもいけそうです。

ゴハンでぐいぐい行くなら、冒頭でも述べたようにクローブを若干控えた方がベターかもしれません。

インドカレーマニアのみならず、大阪名物インディアンカレーあたりが好きな方にもオススメですw