なるべく落ち着いた気持ちで以下の項目を読み、下記の設問に答えなさい。
1.18時間煮込んだブフ・ブルギニヨン セルリアックのなめらかなピュレと共に
2.大河原さんの有機無農薬野菜 炭火焼
3.壬生菜とお揚げさんのたいたん
4.雪虎竹虎 魯山人好みの自家製厚揚げ炙り
5.美味しんぼレシピを再現した葱パイ
6.板長の手造り絶品胡麻豆腐
7.はじめサクサクあとからトローリのホクホクじゃがいもグラタン
8.田中シェフの贅沢セレブランチ<数量限定>
9.大海老チリソースとフカヒレ入り翡翠餃子のコラボレーション
10.やみつき!ほうれんそうのサラダ 温玉のっけ
11.決定版!俺んちの肉じゃが
12.イベリコ豚と金沢伝統野菜のグリル アンデスの秘塩を添えて
13.デザートになりたかったトマトとヴァルサミコ酢のマリアージュ
14.森の妖精たちとそよ風の円舞曲
15.黒蜜ときなこの麩レンチトースト
<設問1>
上記項目中、こめかみに青筋が浮くほどイラっとくる、許しがたいメニュー名はどれですか?
<設問2>
上記項目を以下のカテゴリーに分類してください。(重複可)
A.薀蓄系 B.セレブ系 C.なんちゃってロハス系 D.メルヒェン系
E.駄洒落系 F.突然口語系 G.オノマトペ系 H.支離滅裂カオス系
I.それはお前の勝手じゃ系 J.日本語でお系
<設問3>
この中に一つだけ、筆者が某店舗で実際に使用した物があります。どれでしょう。
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遅ればせながらあけましておめでとうございます。
さて本題に戻りますが、最近こういった押し付けがましい無駄に凝ったメニュー名に
心痛める方も少なくないであろうと思うのですが、
そういった物に運悪く出くわしてしまった場合でもなるべくなら
広い心でにっこり笑い、オトナの余裕で許してあげていただきたい、
これがわたくしの勝手な願いであります。
もちろんそれには相当の精神力や心のゆとりが必要でしょう。
かく言うわたくしもキーボードを打ちながら無理矢理心を静めるために
コーヒーをがぶ飲みしてしまったわけですが。
こういう香ばしいネーミングをひねくりだした当人達もおそらくは
皆様のコメカミの青筋に全く思いを馳せていない筈はないのです。(と信じたい・・・。)
しかしそれは百も承知の上で、半分の人でもいい、いや三分の一でもいい・・・いやサイアク一人でもいい、
これを見て、ステキだと思ってくれたら、甘い夢を見てくれたら、おのれの料理にかける熱い思いが伝わってくれればそれでよし、
そういった悲壮なまでの決意と共に勇気をふりしぼって言霊を世に送り出しているのです(と信じたい)。
そうは言うもののしかしまあ、確かに物には限度があるのも事実でありまして(←身も蓋も無いなw)
その臨界点をどのあたりに設定するか、それは名付け親たち自身の情熱と、
ひとりひとりが心の中に飼っている(と信じたい)ツッコミ小人のせめぎあいによって決定されるわけです。
創り手、名付け親たるわたくしたちの使命は、オノレのツッコミ小人をいかに
生かさず殺さず上手に飼いならすか、これにつきるのかもしれません。
ところでちょっと話はそれますが、先日ラジヲでDJがどっかの焼肉屋の紹介をしてまして、
なにやらそこで出された「塩」に感激したらしく、
「・・・その美味しいお塩の上に、綺麗なピンクの胡椒がふりかけてあるわけですよ、で、
お店の人に聞いたんですがそれって普通の胡椒じゃなくてバラの実なんですって、
なんだかすごくステキだなーと思ってうんからかんたら・・・」
嘘をつくなっ!
嘘を信じるなっ!
それを(よく調べもせず)交響の電波で垂れ流すなっ!
思わず声に出してつっこんでしまったのですが
(ピンクペッパーは確かにバラ科の植物ではありますが、あの美しい花を咲かすバラとは全く別物です)
しかし確かに「こだわりの美味しい焼き肉やさんで出された美味しいお塩の上には美しい薔薇の実」
なんてのは、とりあえずステキな物語である事は間違いないわけで、
ま、この事に限らず飲食店とお客さんの関係と言うものは
魅惑的な物語を紡ぎだしたい創り手とそれを享受したい受け手のシアワセな関係
によって成り立つ部分が少なからずあることは確かだと思います。
単に「美味しい食べ物と適正な価格の等価交換」だけならお互いこんなにつまらないものはないわけで。
そういう意味でわたくしはそういえば昔から「飲食業=プロレス論」というものを唱えているのでありました。
(詳しくはまたいつか書くこともあるかもしれませんが)
飲食店のプロレス度は、業種・業態によってけっこうなバラツキがあり、
たとえばウチの店で言うと、似たようなものを扱いながら
「鯛めしちどり」は比較的プロレス度が低く、「八十八商店」はプロレス度が高い。
そしてわたしくしの知る限り世の中で最もプロレス度の高い業態は「オーセンティックバー」というものなのではないかと。
えーと話が随分横滑りしてしまいましたが、
いまどきの飲食店というものは総じてプロレス度が上昇傾向にあり、冒頭のイタいメニュー群なんかも
そういった傾向の産物だと言えるのかもしれません。
プロレスと大きく違うのは
「ロッキーの山奥で12歳まで熊に育てられた野生の殺人鬼!」みたいなあからさまな嘘を付くと
直ちに食品偽装の呪いにかかってしまうところでもあるわけですが。
そんなわけでこれからも私達はコメカミ青筋一歩手前のエンターテインメントを模索していく事でしょう。
(ただしウソだけはダメ、絶対。)
俺の中のツッコミ小人よ、今年もよろしく頼むぜっ。