ケララ州の州都コーチン(コチ)郊外、
クリスティーン先生のご自宅でのケララ家庭料理レッスンより。
インドでは非常に珍しい「イカカレー」。海の恵みが豊かなケララ州ならではの料理ですね。
↑は何をしているところかと言うと、
いったん仕上げたイカカレーのグレイヴィ(煮汁)だけをとりわけて煮詰めているところです。
ダシ的なうま味にはあまりこだわらないようなイメージもあるインド料理ですが
特にこういったノンベジカレーに関してはグレイヴィを、そこまでやるか、というくらい煮詰めて
うま味を凝縮させるという工程を今回何度も目にしました。これはちょっとした発見です。
↑は何をしているところかと言うと、
カレーの仕上げにバイキルトの呪文をかけているところです。これにより美味しさが二倍になります。
なぜかふしぎなちからでじゅもんがかきけされてしまう日本と違い、インドでは魔法もかけほうだいです。
↑は何をしているところかと言うと、先生が大量のMPを使い召還した助手さんが
座卓の端に金物がついたような専用の器具で、生ココナツフレークを削っているところです。
こればかりは日本じゃなかなか再現できないですね。
生ココナツは実にいろいろな料理にたっぷり使います。コクがあるのにクドくない、最高の調味料です。
そのけずったココナツと粗糖(ジャガリー)を混ぜただけのあんを、米粉の皮で包んでいます。これをこのあと蒸します。
シンプルこの上ないデザートですが、これがとんでもなくうまいんです。
上手にマーケティングすればかつてのティラミスをしのぐ大ブームを巻き起こしてもおかしくない、
それくらいスゴいです。
ただし新鮮な生ココナツが必須、削りたて蒸したてが命(粗糖が溶け切らずジャリっとした食感のあるうちがうまい!)、とプロダクトとしてはなかなかにハードルが高いですね。
削った生ココナツでもう一品。一見「しもつかれ」のようにも見えますが
アヴィヤルというケララではとてもポピュラーなベジタリアン料理。
普通はヨーグルトの酸味が加わるレシピが一般的ですが、ここのはそれ自体に酸味のある
青マンゴーを野菜のひとつとして加えることで酸味を演出しています。
じゃがいもやニンジンなどの他、青バナナやドラムスティックといった独特の野菜も使われていますが、
インドの野菜の「味の濃さ」を実感できる一品でもありました。
オイルで加熱して使うことの多いマスタードシードが、生のまますりつぶされて加えられており、
ツンとしたほのかな辛味もアクセント。実は非常に繊細で技アリな料理でもあります。