かなり暑い日が続いてます。

 

菊花賞を勝った競走馬が熱中症で亡くなるという悲しい報道もありました。

アスクビクターモア号のご冥福をお祈りします。

 

人にとっても馬にとっても厳しい時期。

体には気を付けて競馬ライフを送りたいところです。

 

 

今回は歴代の中央クラシック三冠馬についてです。

牡馬のクラシック三冠といえばご存じ皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞です。

皐月賞は最も速い馬が勝つダービーは最も運のいい馬が勝つ菊花賞は最も強い馬が勝つ、という格言は有名。

 

2023年現在、それらを全て制した三冠馬は8頭います。

この8頭は有名ではありますが、古い馬も多く、意外に知らなかった事が結構ありました。

今回はそれらについて調べた事を書いてみたいと思います。

 

 

セントライト

1941年に日本で初めて三冠を制した馬。

この時の皐月賞は「横浜農林省賞典四歳呼馬」という名前で、横浜競馬場の1850mで行われていました。

 

皐月賞は2着に3馬身差、ダービー(当時の呼称は「東京優駿競争」)は8馬身差、菊花賞(当時の呼称は「京都農林省賞典4歳呼馬」)は2馬身半差と、この世代では圧倒的な力があったようです。

 

菊花賞を最後に引退。子孫に牝馬で宝塚記念を制したスイープトウショウがいます。

 

 

シンザン

1964年のクラシック三冠馬。軽種馬の日本最長寿記録(35歳102日)を達成した馬としても有名。

 

2着との着差は皐月賞(当時は東京競馬場2000m)で4分の3馬身、ダービーが1馬身4分の1、菊花賞は2馬身2分の1。他のレースを見ても意外に圧勝というレースは意外に少なかったようで、レコードで勝った事も無いようです。

ただ、この馬のすごいのは生涯戦績19戦15勝、2着4回と連対率100%だったこと。2着だったレースは3つがオープン戦、あと1つは京都杯(現在の京都新聞杯)で、八大競走など大事なレースでは負けない馬でもありました。

その走りっぷりは「鉈の切れ味」とも評されています。

 

古馬になってから宝塚記念や天皇賞秋、有馬記念を制して引退。産駒にクラシック二冠と天皇賞春を制したミホシンザンがいます。

 

 

ミスターシービー

1983年のクラシック三冠馬。

名前は生産地の千明(ちぎら)牧場から。父トウショウボーイ、母シービークイン。父と母は新馬戦で一緒にレースをしており、勝ったのはトウショウボーイ(シービークインは5着)。

母シービークインは毎日王冠や京王杯スプリングHを勝った馬ですが、繁殖牝馬になってミスターシービーを産んだあとは全て不受胎。そのためミスターシービーは競走馬としては珍しい一人っ子(ウマ娘では唯一?)。
 

この世代はクラシック時はシービーの1強だったものの、古馬になってからはカツラギエースやニホンピロウイナー、ギャロップダイナ、スズカコバンなど活躍した馬が多くいました。

逆にシービーは古馬になってからはなかなか活躍できなかったものの、天皇賞秋を制してます。これは同レースが東京競馬場2000mになってから初めての勝ち馬であり、現在も三冠馬で東京2000mの天皇賞秋を制した唯一の馬です(シンザンは3200mの時に制している)。

ちなみにG1という区分が設定されたのはシービーが古馬になった1984年。そのため正式にはこれがシービー唯一のG1勝利という事になります。

 

 

シンボリルドルフ

ご存じ1984年のクラシック三冠馬にしてG1を7勝し、「皇帝」と呼ばれた馬。

 

現役時代は皐月賞、セントライト記念、1984年有馬記念でレコード勝ち。

 

ちなみにルドルフの世代はルドルフが強かったというのもあるのですが、シービーの項目でも触れたように一つ前の世代が古馬になってから強くなった馬が多くいたため、ルドルフ以外で古馬になってG1を制した馬は宝塚記念のスズパレードのみのようです。

 

 

ナリタブライアン

1994年の三冠馬。1993年の朝日杯3歳S、1994年有馬記念も勝利してます。

 

意外にも3歳(現2歳)時は新馬戦で2着、函館3歳Sで6着、デイリー杯3歳Sで3着と3度敗れています。

4歳時も菊花賞の前哨戦、京都新聞杯でスターマンにまさかのクビ差2着で敗れ、本番での勝利が危ぶまれてました。

 

ただ勝つ時は滅法強く、皐月賞は2着と3馬身半差、ダービーは5馬身差、菊花賞ではなんと7馬身差をつけてます。

 

京都3歳S、共同通信杯、皐月賞、菊花賞でレコードタイムを記録。レコード4回は三冠馬の中でも最多。

ちなみに半兄のビワハヤヒデももみじS、デイリー杯3歳S、菊花賞、宝塚記念でレコードを4回記録してます。

 

 

ディープインパクト

ご存じ2005年のクラシック三冠馬。無敗のクラシック制覇はシンボリルドルフ以来2頭目。

種牡馬としても三冠馬コントレイルや牝馬三冠のジェンティルドンナなど活躍馬を輩出し、11年連続のリーディングサイアーに輝いてます。

 

母のウインドインハーヘアは現在もご存命。

ちなみに現在のJRA重賞勝ち馬の最高齢の馬はサクラエイコウオーですが、生まれたのが1991年6月1日(ナリタブライアン世代)、ウインドインハーヘアは1991年2月20日でエイコウオーより更に長寿という事になります。

 

ちなみにウインドインハーヘアは現役時代にアラジとの仔を受胎中にアラルポカル(バイエルン大賞)を勝ったというのはよく知られてますが、実はそのわずか10日後にヨークシャーオークスに出走しています。

ドイツからイギリスへの輸送、たった10日のブランク、しかも妊娠中。しかしそんなレースでも3着に入る健闘を見せてその後に引退してます。母恐るべし。

 

 

オルフェーヴル

2011年のクラシック三冠馬。

現役時代は凱旋門賞2年連続2着や阪神大賞典での逸走からの2着、引退レースの2013年有馬記念の8馬身差圧勝など、とにかく話題に欠かせない馬でしたね。

ちなみに意外な事に現役時代、一度もレコードはなかったようです。

 

オルフェーヴルの世代はかなり役者ぞろいで、短距離で年度代表馬や顕彰馬に輝いたロードカナロアが有名。他にグランプリボス、トーセンラーなど短距離で活躍した馬や牝馬では芙蓉ステークスでオルフェに勝ったホエールキャプチャ、あとダートでは東京大賞典を勝ったローマンレジェンドやジャパンカップダートを勝ったベルシャザールなどがいます。

 

ご存じの通り産駒はウシュバテソーロやマルシュロレーヌなど、ダートでも活躍した馬が出てます。種付け頭数も上がっているみたいなので、これからも期待が持てそうですね。

 

 

コントレイル

福永祐一騎手(現調教師)を背に2020年に無敗でクラシック三冠を果たした馬。

三冠の他では2019年のホープフルステークスと2021年のジャパンカップを勝利しています。

 

2歳時に1度だけレコードを獲った事があり、2019年の東京スポーツ杯2歳Sをムーア騎手で1分44秒5で勝利してます。後にイクイノックスも勝利したレースですが、その時の勝ちタイムは1分46秒2。それだけコントレイルが出した1分44秒5というのはかなり驚異的と言えるタイムで現在も破られていません。

 

 

 

以上です。

比較的有名な三冠馬でも、古い馬になると初めて知った事が結構ある訳で、他の有名馬でもまだまだ調べ足らない部分は結構あるな~と感じました。

 

 

ではでは~