ソングライン、安田記念連覇おめでとう!

 

前年の覇者でヴィクトリアマイルを勝っているにも関わらず4番人気。

しかしそんな人気を吹き飛ばすかのような完勝!

強い競馬でした。

 

 

今回はライスシャワーについてです。

 

ウマ娘でも大人気な競走馬。ご存じの通り、菊花賞ではミホノブルボンの3冠を阻み、天皇賞春ではメジロマックイーンの3連覇を阻んだ漆黒のステイヤーです。

どちらの勝利も2着がそれぞれブルボン、マックイーンだったため、3冠、3連覇を期待していたファンから大きなブーイングを受けることになったとされています。

 

アニメでも史実通り菊花賞や天皇賞春を勝つのですが、祝福されず、悲しみ思い悩む姿が映し出されてました。

 

 

ライスシャワーが活躍していた当時は子供だったので、うっすらとですが、確かにそんな雰囲気はあったような気はします。

なんか勝ったのに喜ばれずかわいそうだなーって当時子供ながらに思ったものです。

 

ただ具体的には当時どんな雰囲気だったのかははっきりは分かりません。

大人になって、VHSで当時の映像を見たのですが、よく噂で言われているヤジがすごかったとか、そういうのは確認出来ませんでした。

(ただ、客席の様子はほとんど映ってないので、実際にはどうだったかは分かりません)

 

では当時、マスコミではどのような報じ方をされたのか。

一度調べてみたいと思い、この前、国立国会図書館で当時の新聞報道を調べてみました。

調べたのは朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞の4誌。産経は2回目の天皇賞の記事しか見つかりませんでした。

 

著作権の問題もあるとは思うので、端的にはなると思いますが、紹介していきたいと思います。

 

 

まず菊花賞の時の見出しですが

 

ブルボン「3冠」ならず

菊花賞 優勝ライスシャワー

 

と書かれてます。

 

大見出しで、ブルボンが3冠獲れなかったということを先に書き、中見出しでライスが優勝したという構成になってます。

ちなみに小見出しでも「ブルボンの前 まだ馬がいた」と書かれており、あくまでブルボンが話題の中心になっている事が分かると思います。

 

これは読売も同じで、

 

競馬 菊花賞8日 ブルボン三冠ならず ライスシャワーが制す

 

と、ブルボンの事がが先に書かれています。

 

 

ところが、天皇賞春になるとそれが一転します。

 

朝日新聞では

天皇賞 ライスシャワー完勝

マックイーンV3逃す

 

読売新聞では

競馬 天皇賞25日 ライスシャワー完勝

武・マックの春V3を阻む

 

と書かれており、ライスが話題の中心になっています。

 

この時点でG1を2勝し、強い馬として認知されるようになっている事をうかがい知る事ができます。

 

実際、朝日の記事ではスタンドから「マ・ト・バ」コールがあったと記載しており(これはレース後引き上げる時に的場コールがあって、的場ジョッキーが手を挙げて答えてるのを一部映像で確認できます)、ブーイングもあったかもしれませんが、強い馬に魅了されたファンも多くいた事が分かると思います。

 

 

2回目の天皇賞春は

朝日新聞では

ライスシャワー、復活のV 天皇賞

 

読売新聞では

競馬 天皇賞23日 ライスシャワーが2度目の制覇 鼻差でかわす

 

と、完全にライスが話題の中心になっていますね。

 

 

ところで、読売ではライスに対して「東の刺客」という独特の表現を用いてます。

例えば有馬記念(ナリタブライアンが勝った年。ライスは3着)では

競馬・有馬記念 4冠阻むか”東の刺客” ライスシャワー9か月ぶり出走

 

という見出しです。

 

ライスシャワーに対する表現で聞いたことがあるのは「関東の刺客」。

これは杉本清アナが天皇賞春でメジロマックイーンを破った時のゴール後に「関東の刺客、ライスシャワー」と実況していたのが由来ですが、「東の刺客」というのは初めて聞きました。

 

有名なのは「黒い刺客」ですね。

これはウマ娘でも称号として使われていました。

由来は不明ですが、ウイニングポストでも称号として使われていたのは記憶してます(管理している馬が実馬の実績と近かった場合に贈られる。その他には「砂の女王」ホクトベガとか、「和製ラムタラ」フサイチコンコルドとか)。

 

 

毎日新聞は

菊花賞が

第53回菊花賞 ライスシャワー優勝、ミホノブルボンの3冠を阻止 --京都競馬場

 

1回目の天皇賞春が

中央競馬 天皇賞春 伸びてライスシャワー、マックイーン3連覇ならず

 

2回目の天皇賞春が

中央競馬 天皇賞 2度目の春、ライスシャワーV

 

と、一貫して勝った馬を先に書いてます。ここら辺の表現の違いは社風とか色々あるのかもしれません。

 

 

最後に産経新聞。2回目の天皇賞で

天皇賞 ライスシャワー2度目の「春」制覇

 

と書かれてます。

記事もレース展開やこれまでの戦績など、完全にライス中心の記事に仕上がってますね。

 

産経新聞では2015年に「おもしろ競馬学」という井崎脩五郎さんの記事が書かれてまして、

そこで「ライスシャワーのような敵役」と表現されてます。

そういうイメージは競馬通の人の中にもあったのかなと思います。

 

 

結論からすると、ヤジとかそういうものは確認出来ませんでしたが、菊花賞で「あーという悲鳴に変わりましたゴール板前」という杉本さんの実況や、読売新聞の天皇賞春の別記事で「どよめきと悲鳴が交錯した」と書かれていたことから、近いことはあったのかもしれません。

 

 

個人的にライスシャワーは好きな馬です。

ウマ娘のライスシャワーも好きですが、もっとも好きなのは競走馬のライスシャワー。

 

大人になって、当時の記憶をたどるように、レンタルビデオでライスシャワーのVHSを借りて、何度も映像を見ました。

 

天皇賞春の復活勝利の映像は本当に何度も見て、一生懸命走る姿に感動したものです。

それだけに宝塚での予後不良は悲しかったです。。。

(ちなみにVHSでは宝塚記念の時は途中で静止画になって実況だけ流れるようになり、故障の映像は見せないよう配慮されてます)。

 

 

京都競馬場も改装されましたし、暇が出来たら記念碑にお祈りに行こうと思います。

 

 

ではでは