3月25日のドバイワールドカップデーが近づいてきました。

 

シーマクラシックのイクイノックス、ドバイターフのドウデュースなど日本のトップクラスの競走馬がどんな走りを見せるか、本当に楽しみですね。

 

そしてドバイワールドカップ。14頭中8頭が日本馬!

8頭のうち6頭は6歳の牡馬ですね。

芝ではコントレイルが3冠を獲った世代。ダートでも強い馬が多く、サウジCを勝ったパンサラッサや地方のG1を2勝したウシュバテソーロ、ジュンライトボルト、カフェファラオ、テーオーケインズなどダートG1を勝った馬が勢ぞろいになりました。

 

その中でもパンサラッサの逃げに注目が集まってます。

パンサラッサの活躍で、鞍上の吉田豊騎手に興味を持った方もおられるのではないでしょうか。

 

 

吉田豊騎手はソダシやポタジェ、ゴールドアクターなどに騎乗した吉田隼人騎手の兄で1994年デビュー。大久保洋吉厩舎に所属し、同調教師が引退するまでフリーにならず、大久保厩舎所属の騎手として活動しました。

大久保調教師は自厩舎の有力馬には吉田騎手を乗せるという方針で、サイレントハンターやメジロダーリング、サンカルロなど多くの所属馬の主戦を務めました。

 

有名なのはウマ娘にも出ているメジロドーベルですね。

ドーベルは吉田騎手のジョッキー3年目にデビューした馬で、この年に阪神3歳牝馬Sで初G1を獲りました。

吉田騎手はドーベルの全てのレースに騎乗し、牝馬限定のG1レースを5勝しています。

牝馬限定のG1を5勝した馬はドーベルの他にはアパパネしかいません。

 

他の厩舎であれば騎乗ミスなどをすればすぐに降ろされてしまいますが、吉田騎手の場合、自厩舎から騎乗馬を確保出来るという経緯から、思い切った騎乗が出来る立場にありました。

その分空気を読まず、ストイックに勝ちを狙っていくという事もあり、若い頃は色々あったようです。詳しくはコチラ参照という事で。。。

実際、サイレントハンターやクリスザブレイヴなど思い切った逃げをする馬に多く騎乗しており、一般に逃げが得意な騎手とされてます。また、中央のG1を9勝してますが、そのうち8勝は牝馬であり、牝馬に強い騎手としても知られています。

 

しかし、吉田騎手が得意なのは逃げだけではありません。実際、G1の9勝のうち、逃げで勝ったレースは1つもなく、ほぼ全てが中団からの差し切り勝ちです。

リージェントブラフのように追い込みを得意とする馬もおり、実際、先週土曜日のアクアマリンステークスでも13番人気のレディバランタインを直線追い込みで制しました。

(レディバランタイン、次走は高松宮記念のようですが、ドバイの次の日なので乗り替わりのようです。残念。)

 

 

吉田騎手で個人的に注目したいレースは2つ。

 

1997年産経賞オールカマー

メジロドーベルが秋華賞前の叩きとして走ったレース。

ドーベルは基本的に先行、差し馬で、これまでは道中は中段に控えるレースをしてました。

 

しかし、このレースでは驚くことにスタート後に他の馬を抜いて、先頭に立ちます。

結局道中も先頭を譲ることなく、逃げ切りでレースを制しました。

 

道中折り合いを欠いたのが理由とされており、逃げて落ち付かせたという事のようです。

ただこういうイレギュラーな状態でも勝つ馬の力、そして冷静に対処して勝たせる吉田騎手の実力を思い知らされたレースであったと思います。

その後の秋華賞では中段に控えるレースに戻り、粘るキョウエイマーチを直線で差し切りました。

 

ちなみにドーベルがその後逃げを試したことはなく、ドーベルの唯一の逃げ切りレースとして知られてます。

(ウマ娘でもドーベルの逃げはCになってますね)

 

1998年スプリンターズステークス

(出しておいて何ですが、タイキシャトルのファンは見ない方がいいかもしれません)

 

言わずと知れたタイキシャトルの引退レース。この時同馬は12戦11勝2着1回。

このレース後に引退式が開かれる予定で、周囲はまずタイキが勝つと信じていました。

 

しかし、吉田騎手鞍上のマイネルラヴがタイキシャトルに迫ります。

マイネルラヴは元々、朝日杯3歳Sでグラスワンダーの2着になるような実力馬でした。

 

レースを見ると、4コーナーからマイネルラヴがタイキの横に付けて徹底的にマークしているのが分かります。

直線ではタイキとの叩き合いの末に抜け出し、シーキングザパールが追い込んだところでゴール。

アタマ差でマイネルラヴの勝利。タイキシャトルは3着でした。

 

タイキの敗因ははっきりしません。タイキの調子が悪かったのかもしれませんし、マイネルラヴに競られて走る気をなくしたのかもしれません。

しかし、引退レースというタイキシャトルという馬にとって大事なレースでも臆せずタイキを徹底マークし、勝ちに行った吉田騎手の騎乗はやはり同騎手の特徴を語る上でも大きいと思いました。

 

ちなみにこれが吉田騎手が唯一牡馬で制した中央のG1レースです。

 

 

 

パンサラッサに関して言うと、吉田騎手は他の騎手と比べても思い切った逃げをしている事が分かります。そういう部分がパンサラッサの馬の特性が吉田騎手とすごく合っていたのでしょうね。

 

カントリーグラマーは強いですが、出来る限り良い順位で、そして何よりケガなく無事に走り切って欲しいなと願います。

 

ではでは~