あれ?これ前の時に書かれてたやん?って言われそうですが。
前回書いたこの日記。
この閲覧率が想像以上でした。
アクセスログ確認できることを知って、初めて情報を確認したら、この記事だけで、全体閲覧数の4割を超えていたの。
この記事が温泉むすめ話題だったからなのか、「グランプリになった」という言葉にインパクトがあったのかは分かりませんが、この結果には驚きを隠せません。
ですが、有馬温泉話題が人気記事になったことを嬉しく思います。
ところで、学習勢から、こんな質問を頂きました。
『(前提条件があることは理解しましたが)具体的にキャッチコピーを考えることができません。』
確かに、文章を考えるのは大変ですね。
今回は、私が、どうやってキャッチコピーを考えていったのか。
思考プロセスを解説していこうと思います。
まずは、前提条件の振り返り。
有馬温泉の温泉むすめは2人(有馬輪花・楓花)居て、楓花回で、既にキャッチコピーがいくつか採用されている。
「有馬温泉そのものを紹介」「有馬楓花Ver」のキャッチコピーは採用済。
なので、前提条件は『最低限1作品は、有馬輪花 Verなキャッチコピーが採用されること』でした。
①まず、絶対にこれはダメっていうことをピックアップして、思考の枠から除外する。
最初にすべきことはこれです。
キャッチコピーを考えるときは、候補を絞っていくことが思考プロセスになります。
実は「有馬楓花Ver」が採用されたことにより、「金泉と銀泉を対比するだけのキャッチコピーは使えない」ってことに気づいてほしいです。
だって、グランプリに採用されるのは1作品ですよね。
ここでグランプリに「金泉・銀泉の対比」なキャッチコピーが採用されたら、結局、「有馬輪花Ver」だけ無い状況は変わりません。
この事実によって、このキャッチコピーの作成は激ムズになってます。
だって、普通は有馬温泉を表現しようと思ったら、「金泉・銀泉の対比」のキャッチコピーから考えますよね。
ですが、上記理由により、それは除外しなければならないのです。
②まずは長文でも良いので、文章のコンセプトを決める。
キャッチコピーを考えるときに、話題性とか文字数などを、最初から意識して考えていくと、大抵、何も思いつきません。
なので、大喜利を考えるときのイメージで、まずは、どのような内容にするのかだけ考えていくべきです。
つまり、その内容を聞いた人が「おおっ!」って思うところをどの点にするのか、『ターゲットを定める』ことに集中すると、比較的、考えやすくなります。
ここで重要なのは、最初に考えるのは「文章」ではなく「内容」であること。
慣れている人だと「文章」から始めることもできますが、文章から始めると、キャッチコピーとして文章を削っていったときに、その文章を変更せざるを得なくなる状況が発生して、全体が破綻するリスクがとても高いです。
ここで「内容」で読者を納得させるものにしておくと、「内容を示した文章は自由に弄れる余地がある」ので、完成に持っていきやすいのです。
では、実際の流れ。
今回は、とにかく輪花さんのキャッチコピーだと、誰が見聞きしてもわかるものにしなければなりません。
まず、楓花Verのキャッチコピーをみて、類似な対比がとれないか確認をします。
ですが、楓花のような語り掛け言葉は、「輪花はそもそも言わなさそう」な時点で使えそうにありません。
なので、構造的にこう分けました。
(1)何度でも、帰ってきたくなる場所。
(2)「ただいま!有馬温泉」
これに対して、対比がとれないか考えました。
そして、金の斧のエピソードを模倣したものを(1)に当てはめることを考えました。
(1’)あなたの入りたい湯は銀の湯ですか?それとも金の湯ですか?
この状況を作ればイメージはできました。
この内容を使う時点で、登場人物は2人居ます。
「ヘルメス神」と「木こり」です。
どちらの人物にフォーカスを当てても(2’)を考える余地はあります。
ここで、温泉むすめの物語に注目します。HPより抜粋。
各温泉地の源泉から生まれる下級の神さま「温泉むすめ」たちが、温泉文化を盛り上げ、自らの温泉地をPRするためにアイドルとなって日本一の温泉むすめを目指す、という物語です。
ここで、イメージは「ヘルメス神=有馬輪花」の構図ができあがったわけです。
すると、(2’)には木こりの言動は使えないことになります。
だって、それだと「木こり(つまり輪花さんではない)」キャラクターの説明になるからです。
なので、(2’)には木こりの言動は表現せず、「木こりの言動を受けての反応を表現する」ことが条件となります。
そこで、ここで有馬輪花のキャラクターを考えていきます。
・楓花さんに過保護なお姉さん
・読者モデルやってる美人さん。
・関東でも広報活動やってる努力家さん
・ツンデレ
簡単に列挙しましたが、上の3つは状況説明が必要です。
敢えて言うなら、「美人さん」とか「お姉さん」は、単純に表現できますが、二次元キャラクターにその特徴をピックアップしたところで、前者は可愛いのが当たり前ですし、後者はその特徴だけでは話題にもならない点で使いにくい。
ですが、ツンデレだけは性格なので、状況説明がいらなくて、表現が楽。
なので、ツンデレで考えるのです。
ここで便利なのが、感嘆詞で感情表現しちゃうテクニック。
とりあえず「!」つけとけば、ツンっぽくなるやん?っていう、安直なものです。
ですが、キャッチコピーの場合は、とにかく長文を避けたい文章作成なので、これで良しとなります。
状況はこうです。
木こりが何か言動をした。→ヘルメス神(輪花さん)「●●!」
何かツンデレっぽい反応なので、ここで驚く表現を選んでいます。
そして、元の話は正直者が自分の斧を選ぶ話ですが、このキャッチコピーでは有馬温泉の話をしたいのです。
有馬温泉は金泉も銀泉も「両方ともおすすめ」と言いたいわけですから、正直者が「正直に両方を選ぶ」内容にするのがベストとなります。
本来は素直に「金の湯も銀の湯も両方入ってもいいよ(入りなさい)」みたいな言葉かけを入れてもよいのでしょうが、すると前提となるツンデレ要素がありません。
なので、そこで木こりの言動を「両方入りたい湯だ」と設定して、それに対して有馬輪花が「えっ!両方(の湯に)入るの?」と驚いたと、キャッチコピーの内容の構想を纏めていくのです。
③作成された長文から無駄な言葉を除去、言い換えして、短文に整える。
(1’)の部分は、残念ながら短文にすることができません。
何故なら、原典がイソップ童話であり、言い回しが定着しているため、ここを下手に弄ると、ただ分かりにくくなるだけだからです。
なので(2’)をいじります。
「えっ!両方入るの?」の文章は、驚いているところを強調したいわけですから、「両方入るの?」のところも驚いて言葉が続かない様にすれば短文にできそうですね。
「えっ!両方っ!?」としてみたけれど、小さな「っ」が続いて、可愛らしさが先行している印象。
ここはツンデレ感を上げるために、前半の「えっ!」のところは、「え!」とつっけんどんな感じを増やしておきましょう。
なので(2’)は「え!両方っ!?」と整えられました。
④最後に音読して、韻が踏めるところはさらに整える。最終調整。
最後は音読。
言葉の響きを意識して読んでいきます。自分で何度も読んでください。
この場合はキャラクターの言葉の文章なので、頭の中でキャラクターの声を思い起こしながら何度も読みます。
そこで、この言葉の流れは不自然だったら直します。
同時に、韻が踏めるところは、スッキリするように言葉を変えて微調整します。
今回は、最初から構想がまとまっていたせいか、実は全く調整しませんでした。
ですが、大抵はここでちょっと迷います。
そのときは、自分の感覚に従って、好きなほうを選んでもらったら良いと思います。
最後の仕上げですね。
⑤完成。提出するのは1日以上経ってからです!
最後は注意。
必ず提出するまえに1日以上時間を空けてください。
そして、提出する文章をもう一度しっかりと見直してほしいのです。
文章を作成しているときは、そのことばかりを考えています。
だから、説明不足になっていることがよくあるのです。
時間を空けて文章を読むと、「これ伝わらない」ってなることはよくあること。
この記事を書いているときは、見直しに1日以上空けてなんてやってられないですけれどね。
ただ、最初からそういう危険性があることを理解して、慎重に文章を書いて、見直す習慣をつけておくことが大切かと。
これでいける!って思ったら、提出しちゃいましょう。
お疲れさまでした。
完成品はこちらですね。
説明は以上です。
初見では理解が難しいかもしれませんが、ゆっくりと思考プロセスをトレースしていただければと思います。
それにしても・・・このキャッチコピーを現地で見かけたことないの。
有馬温泉で見かけられる日を楽しみにしております(苦笑)
【追記】
ちょっと思い出話をさせてください。
私には、有馬温泉のある神戸電鉄の沿線「緑ヶ丘駅」傍に住んで単身赴任していた時期があります。
温むすラジオにキャッチコピーを投稿したのは、ちょうど単身赴任していた時でした。
(なので、投稿の紹介では「兵庫県の」うまい棒めんたいさんとなっているのです。)
当時は、仕事帰りに神戸電鉄に乗り込んで、地元民数人しか入浴していない閉店間際な「銀の湯」・「金の湯」に、平日回数券を購入して通っていました。
夕食も食べていなかった私は、入浴後、有馬温泉駅近辺のお店を巡るようになりました。
その時、一番親切にしてくれたお店っていうのが、私のブログでよく紹介されている「有馬273」さん。
気が付けば、(緑ヶ丘で単身赴任していたから)『みどりちゃん』と呼ばれるようになって、有馬温泉で一番訪問しているお店になりました。
そんなご縁もありまして。
有馬273さん店内には、私が考えたキャッチコピーが描かれたポスターを飾ってくれています。
聖地巡礼っぽく、ご訪問してご確認いただければなって思います。