お隣の国の事とはいえ、日本も先に同じような未婚・非婚・未経験・出生率の低下=少子化現象が続いて来たので、なんとなく他人事(他国)とは思えない気持ちです

 

この記事を読んでみると、日本以上になんか深刻な事情があるようで、韓国の合計特殊出生率が0.8台まで落ち込んだというニュースも知っていたので、

思わず持ってきちゃいました

 

※ただ・・・「理由」としている項目と内容の一部には「ちょっと考えすぎかな」と個人的な感想を持つ部分もありましたが全体としては興味深いものだと感じました。

 

(以下全文お借りしました)

 

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恋愛もsexも結婚も出産もイヤだ…韓国人の若者が「異性と関わりた
くない」と口を揃える理由


2024年1月16日 7時15分 プレジデントオンライン

※お借りしました※

なぜ韓国で少子化が急速に進んでいるのか。韓国生まれの作家シン
シアリーさんは「韓国の若者を中心に『異性嫌悪』が広がっている
。こうした流れが恋愛、性関係、結婚、出産をせず、シングル生活
を選ぶ動きにつながっているのではないか」という――。(第2回
/全2回)
※本稿は、シンシアリー『韓国の絶望 日本の希望』(扶桑社新書
)の一部を再編集したものです。



■対立の根を深める「嫌悪(ヒョモ)」
韓国の出生率が急激に低下している。ただ、この事実だけでは、韓
国で起こっている「憤怒」が「分断」を呼び「絶望」へと至る悲劇
に即座にはつながりません。たしかに、過度な社会問題が社会的分
断の現れの一つだと見ることは十分に可能です。しかし、ここで私
が提示したいのは、「憤怒が分断になる、分かりやすい具体例とし
ての合計出生率」です。


その点、実は韓国で合計出生率が急降下している背景として、もう
一つ、メディアがあまり取り上げない要因を指摘する必要があるで
しょう。そう、韓国のネット世論を知っている人なら誰もが認めな
がらも、あまり表向きにはしない話、したくない話、いつまでも「
ネットの一角で一部の人たちがやっているだけのこと」にとどめて
おきたい話。これぞ自分および自分が所属する集団以外を悪とする
“悪魔化”の一つである「異性嫌悪」についてです。男が女を、女
が男を敵視し、嫌悪(ヒョモ)する現象のことです。

嫌悪(ヒョモ)は、一時は「○○嫌悪」として、かなり流行った言
葉ですが、最近はあまり目立たなくなりました。十数年以上も同じ
テーマでブログを毎日(サボる日も多いですが)更新しているので
分かりますが、数年前までは、異性だけでなくいくつかの分野で、
「葛藤(かっとう)」の強化版としてよく記事に載っていました。

■「親ガチャ」に通じる「スプーン階級論」
たとえば、韓国では若い世代が前の世代を敵視する風潮が強くなっ
ています。また、日本にも親ガチャという言葉がありますが、韓国
ではすでに10年以上前から「スプーン階級論」など、なにがしかの
階級付けが流行りました。

主に財産、年収などで人をランク付けするもので、一見、社会的な
貧富の格差を皮肉るもののように見えますし、たしかにそんな側面
もあります。ですが、実際は単に大金持ちの子で生まれなかったこ
とを嘆くだけの内容です。

スプーン階級論における、「銀のスプーンをくわえて生まれた」と
は、貴族など豊かな家に生まれたという意味です。身分の低い乳母
(うば)が貴族の赤ちゃんに直接授乳することは許されず、いったん
銀のスプーンに乳を出して、それを赤ちゃんに飲ませていたので、
こんな表現が生まれました。

■「男女嫌悪」の実態はヘイトそのもの
また、左派政権ができた2003年から教育を受けた人たちが、「高
齢者は保守しか知らない」とし、ある種の政治的分断が起きたのも
一つの原因です。不幸中の幸い、いまのところまだ「高齢者対若者
」の物理的衝突は起きていませんが、高齢者の無賃乗車制度を廃止
せよとの請願運動が起きたり、どうも雰囲気は重いままです。

そうした際にも「高齢層嫌悪」などの言葉が普通に記事に載ってい
ましたが、最近はそんな表現は目立ちません。「嫌悪」が外国で「
ヘイト」と訳されることを気にしたのではないか、と個人的に考え
ていますが、確証はありません。とにかく、一時よりはあまり目に
しなくなりました。

本題の男女嫌悪の場合も、「男女葛藤」「ジェンダー戦争」などの
表現が主流ですが、個人的に、嫌悪がもっとも的を射た表現だと思
っています。なぜなら、その実態はヘイトそのものですから。たと
えば、女性が車に轢(ひ)かれる事故があったとして、それを「女だ
から避けられなかっただけ」とすると、称賛一色になる空間が存在
すると思ってみてください。それを、嫌悪でないとするとなんと言
えばいいのでしょうか。

■いまは20代中心でも、どんどん広がるはず
合計出生率関連の話題は世界各国でニュースになっており、日本で
も耳にタコができるほど聞いた・聞かされましたが、男(女)が女
(男)を嫌っているから合計出生率が下がるという話だけは、いま
のところ韓国以外では聞いたことがありません。

しかし、これは結構重要な問題です。主に20代を中心に広がってい
るので、これから「異性嫌悪」をさらに若い人たちが見て聞いて、
10年後には20代と30代に及んでいるでしょうし、さらに40代まで
広がるのはすぐです。このままでは「異性嫌悪」が、どんどんその
影響力を広げていくことでしょう。

私は、これ“だけ”が韓国の合計出生率急低下の原因だとは思えな
いものの、いまもある程度、確実に影響は及ぼしていて、これから
さらに影響力を広げて、文化もどきとして定着して行く可能性すら
ある、そう見ています。

なにせネットで女性による男性嫌悪、男性による女性嫌悪の流れを
見つけるのは、そう難しくないからです。”流れ”と書いたのは、
少数派の意見だけでできるものではないという意味です。

■「男性嫌悪者」とされた20代女性が自殺
男女嫌悪は大手メディア、外国メディアからも問題視されています
。まず、「朝鮮日報」(2022年5月19日)の記事から現状を読み取
ってみましょう。ちょうど、インターネット放送をしていた20代の
女性が「フェミニストだ」というレッテルを貼られ、「コメント暴
力」を受けて自殺する事件が起きました。

フェミニストは、もともとは男女に関する社会の保守的価値観以外
にも、多様さをもっと尊重しようという主張をする人たちであり、
別に悪いことをしているわけではありません(最近は相手に自分の
思想をゴリ押しする人たちも目立つので困ったものですが)。です
が、韓国でフェミニストといえば、女性の場合は男性嫌悪者、男性
の場合は女性擁護(ようご)ということになります。

先ほどの「フェミニストだ」というレッテル貼りも、「男性嫌悪者
だ」という意味になります。なにかそれっぽいジェスチャーやあい
まいな発言だけでも、いったん「そういうこと」にされると、そこ
ですべてが崩れます。


■理解しがたい「フェミニスト」の解釈
自殺した女性も、本当に男性嫌悪者なのかどうかはわかりません。
「そういうこと」にされて母親が先に自殺し、それでも「お前の母
が死んだのはお前が男性嫌悪者だからだ」などのコメントが相次ぎ
、結局、本人も母親の後を追いました。ここまで来ると、たとえ本
物の男性嫌悪者だったとしても、あまりにもひどい結果です。

外国メディアは、「韓国ではなぜフェミニストが『無条件の攻撃対
象』にされるのか」と、この現象を不思議に思っていました。フェ
ミニストという単語が、男性嫌悪者を意味する言葉、すなわち「男
性の敵」を意味する社会的雰囲気が、理解できなかったからです。

この話題の冒頭で、「『嫌悪』という言葉は最近あまり目立たなく
なった」と書きましたが、その言葉があまり使われなくなっただけ
で、「男女嫌悪などない」とするのは嘘です。隠しているだけです


■SNSが男女間の葛藤を増幅させている
「朝鮮日報」とソウル大社会発展研究所が16歳以上の男女1786人
を対象とした「2022大韓民国ジェンダー意識調査」を見てみると
、韓国民は男女葛藤が主に現れる空間として職場(49.4%)とオン
ラインコミュニティー・ソーシャルメディア(37.8%)を挙げ、「
オンラインコミュニティーが男女の間の葛藤を増幅させる」と認め
ている韓国民は、調査に応じた人の68.9%に達しました。

「男女嫌悪」は悪化する一方というのが私の個人的な認識ですが、
実際に大勢の人が問題の存在そのものには気づいている、というこ
とでしょう。言い換えれば、その分、広がっているわけです。

このような男女嫌悪が、実は出生率にも影響を及ぼしていること。
いままでこのような見解が韓国側のメディアでちゃんと記事になっ
たのは、2023年3月、一部のメディア(「聯合ニュース」など)だ
けでした。それも、外国でこの問題が取り上げられたからです。

■韓国を分断しているのは「性別」だった?
性別、経済関連を主に扱うジャーナリスト、アンナ・ルイズ・サッ
スマン(Anna Louie Sussman)氏が、この問題を2023年3月21日、
米国時事月刊誌『ジ・アトランティック』に寄稿しました。「韓国
人が子供をつくらない本当の理由」をメインテーマにした寄稿文で
、韓国メディアの記事がネット公開した部分だけまとめてみますと
、一言で、「韓国で起きている社会的『断層』は、他の国のように
人種や移民問題ではなく、実は性別である」です。


以下、韓国メディアによって公開された部分だけ整理して、サッス
マン氏の主張を引用しながら進めますが、本書での「引用」は、あ
くまで私が私の持論を展開するにおいて必要だから引用するもので
あり、その引用元の著者・記者・作家の方々の思想、活動内容など
に全面的に同意するという意味ではありません。記事ならともかく
、こういう寄稿文だとなおさらです。これはこの寄稿文だけでなく
本書全般においてそうですので、その部分もまたご理解の程をお願
いいたします。

サッスマン氏を名指ししているわけではありませんが、こういう主
張をする人たちには、理屈がおかしい、女性差別をなくす方法を男
性差別から見つけようとする人たちもいるので、もしやと思って、
改めてお願いいたします。差別で差別を解決できるはずがないのに
、悲しいものです。

■「男たちとは関わりたくない」と話す女性
さて、寄稿文の中心内容は、男性において女性が、女性において男
性が、敵対勢力、さらには敵対感情すら超えた「絶対に関わりたく
ない対象」になっており、女(男)は男(女)が何を考えているの
かまったく気にもしなくなった、というものです。

サッスマン氏が自らインタビューした韓国のある女性は、どんなタ
イプが好きだとか、または嫌いだとか、そんな内容ではなく、ただ
ただ男たちと何もしたくない、関わりたくないという趣旨の話をし
ました。サッスマン氏は、この断層、本書で「分断」としているこ
の現象こそが、韓国の低い出生率の始発点だとします。

本書もそうですがサッスマン氏もまた、これ“だけ”が原因だと安
易な主張をしているわけではありません。韓国にも養育費用など育
児に関する他国でも問題とされる多くの問題点があるし、特に住居
問題などが結婚と出産において大きな障害物であると認めています


しかし、それよりももっと「基本的な力学関係」が働いている、と
。その基本的な関係こそが、女性と男性の間の嫌悪、韓国メディア
の言う「ジェンダー戦争」であり、多くのメディアはこの点を見落
としている、軽く見過ぎている、と。

■「非・恋愛」「非・性関係」「非・婚」「非・出産」
韓国の女性たちは、もともと儒教思想の影響を強く受けた韓国社会
で、家父長的な考えに支配され、「我慢すること」を美徳のように
教えられてきました。しかし、教育水準が高くなり、女性の社会進
出が広がったこと、さらにこれまでの価値観が他国より女性に不利
なものだっただけに、余計に強い反感、いわば補償心理を抱き、相
応の権利を求めるようになりました。

彼女たちが不満を抱く現状の分かりやすい例として、男女賃金格差
があります。韓国は、26年連続でOECD不動の1位(男女賃金格差最
悪)です。

サッスマン氏は、韓国の女性たちは、肯定的な意味としてのフェミ
ニズム、すなわち性差別をなくそうなどの主張に触れる一方で、同
時に家父長制などの文化・社会的要因による差別被害を経験し、そ
の間で混乱してしまったと指摘しています。

そして、その混乱の中で、急すぎる“覚醒”をして、韓国女性たち
が取った道こそが、韓国で流行語のようになっている四つのB(「
非」の韓国語読みは「ビ」です)だとします。「非・恋愛」「非・
性関係」「非・婚」「非・出産」。すなわち積極的にシングル生活
を選択するわけです。「怒り」をも超えた「分断」の正当防衛化が
始まったのです。

■異性嫌悪が殺人事件を引き起こすことも
似たような現象が、男性からも現れています。敵と一緒に人生を歩
む気はない、と。ある人にとっては自己防衛かもしれませんが、残
念ながらオンラインという匿名空間を起点にし、この流れは嫌悪へ
と形を変えました。「もはや異性には何も関心がない」という主張
も聞こえてくる今日この頃です。「嫌う」の真の意味は、わざわざ
嫌う言動を発するのではなく「無関心」だと聞いたことがあります
が、そういったところではないでしょうか。




シンシアリー『韓国の絶望 日本の希望』(扶桑社新書)
ネットで適当に愚痴っていればまだかわいいものですが、たまに凶
悪事件も起きています。「相手が女性だから」という理由だけで男
性が刑事事件を起こしたケースは、パッと思いつくだけでも複数あ
りますが、その中でも2016年の「江南(カンナム)駅トイレ殺害事件
」が特に有名です。

「女どもに無視された」という理由だけで駅のトイレ(男女共用)
に待ち伏せして女性を殺害したと、後に加害者は陳述しています。
待ち伏せしていたトイレには被害者の女性より先に6人もの男性が
入って利用していましたが、犯人は彼らには何もしませんでした。
つまり、犯人の陳述は、その行動からも裏付けられるものでした。
この人、お母さんが忙しくてお父さんが産んだのでしょうか。

■「自分も被害者になりうる」という恐怖
すでにオンラインコミュニティーなどで女性を嫌悪する男性が多い
(逆もまた然りですが)ことを知っていた女性たちは、このような
極端な事件が「自分にも起こりうる事件」と強く感じ、恐怖しまし
た。そして、「加害者がここまで開き直ることがこの世にあっても
いいのか」と、世界観そのものが崩れる、韓国で言う「メンブン(
メンタル崩壊)」状態に陥りました。

もちろんこのような殺人事件は恐ろしく、許されないものであり、
犯人の性別を超えた、より広い範囲の「社会的問題」として重く認
識されるべきです。口では性別がどうとか言っているけど、それは
ただの「なぜ私が社会でうまくいかないのか」という不満に対する
、間違った「犯人探し」の結果かもしれないからです。犯人の成長
環境そのものから問題視する必要があるでしょう。

しかし、「虐げられてきたのに、なぜこんなことに」と認識する女
性たちは、一件の殺人事件が持つ意味よりも、さらに強い恐怖と闇
を感じたことでしょう。

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シンシアリー(しんしありー)
著作家
1970年代、韓国生まれ、韓国育ち。歯科医院を休業し、2017年春
より日本へ移住。アメリカの行政学者アレイン・アイルランドが
1926年に発表した「The New Korea」に書かれた、韓国が声高に叫
ぶ「人類史上最悪の植民地支配」とはおよそかけ離れた日韓併合の
真実を世に知らしめるために始めた、韓国の反日思想への皮肉を綴
った日記「シンシアリーのブログ」は1日10万PVを超え、日本人に
愛読されている。著書に『韓国人による恥韓論』、『なぜ日本の「
ご飯」は美味しいのか』、『人を楽にしてくれる国・日本』(以上
、扶桑社新書)、『朴槿恵と亡国の民』、『今、韓国で起こってい
ること』(以上、扶桑社)など。
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(著作家 シンシアリー)