目的地に向かって歩きながら、ふっと喫茶店の看板が目に入る。

 

「樹の花」

 

ちょっと待って、ここ前から来たかった喫茶店!

 

友人を誘って喫茶店の狭い階段をあがっていくと、扉には映画「ジョン・レノン失われた週末」のポスターが貼られていた。

 

 

 

 

 

そうここは、オープンして4日目の1979年8月4日にふらりとジョン・レノンとオノ・ヨーコが訪れた喫茶店。

 

樹の花のマダム、故成沢弘子さんが出迎えた二人は、それぞれ珈琲と紅茶と頼み、目を見つめあいながら語らっていたという。

その時のジョンとヨーコのサインが壁に飾られていたけど、お客様が語らっていらして、カメラは向けられなかった。

 

店内には「ちいさいおうち」の絵本が飾られていたり、たくさんのコーヒーカップも美しいし。きょろきょろ見まわしてしまう。

 

お店のイマジン・ブレンドも気になったけれど、その時ジョンが頼んだマンダリンとアーモンドクッキーの「レノン・セット」を頼んだ。

 

友人はカフェ・オ・レとレモンクッキーを。

 

アーモンドクッキーは薄めでカリカリのさくさく。

レモンクッキーは形までレモンで可愛い!

 

2人で半分こして味わってお喋りに花が咲く。

 

場所は中央区銀座、歌舞伎座の近く。地名は変わってしまったけれど、元の地名「木挽町通り」という通称がまだ残っているあたり。

 

かつて丸太を製材する木挽職人が住んだことから、歌舞伎座の周辺は、江戸時代から昭和26年まで「木挽町」という町名だったそうだ。その時代に思い馳せたりして。