印象派モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵展@東京都美術館へ。

 

 

 

 
 
(入口。暗く映ってしまうけれど、睡蓮の池の中に入り込んだように美しい場所に。)
 
 
「一番大切なのは空の一部を映すことによって、刻一刻とその外観を変える狭間のような水面だ。」
                                     モネ
 
何枚ものモネの睡蓮を観て来たけれど、ウスター美術館所蔵の、初めてフランスから他国アメリカへと渡ったこの睡蓮は今まで観た中で一番好きだった。
 
まさにモネの言葉の通り、揺らぐ水面は空や樹木や光を映してゆらゆらと揺らぎながら得も言われぬ色を醸し出し、水面の睡蓮の花は小さいながらも目を引く明るい色で絶妙な位置に・・!
なんて綺麗なんだろう、なんて・・・観ても観ても見飽きない。
 
図録の印刷の色が薄ぺったく感じたくらいだから、本当に本物を間近で観るってすごい体験だ。
 
(会場を出た後にある記念撮影の場所)
 
 
モネを皮切りに印象派がアメリカに紹介され、雄大な自然を描くのに印象派はうってつけ。
フランスに渡ったメアリー・カサットのような画家もいるけれど、自国で印象派を独自に自身の画風に取り入れ発展させていった画家たちの作品が次々に。
 
 
 
チャイルド・ハッサム 花摘み、フランス式庭園にて 1888年 71.1×55.1cm(写真は撮影スポットの複製)
 
1886年にパリのアカデミー・ジュリアンに留学。1888年に学校の体制に幻滅し、退学するが、パリで過ごした日々に目にしたバルビゾン派から印象派などの近代フランス絵画を応用し、独自の様式を形成。華やかな一枚。意外に小さかった!
 
ジョゼフ・グリーンウッド リンゴ園 1903年 50.8×76.2cm
(写真は撮影スポットの複製)
アメリカで印象派が人気になり、地方の画家たちも取り入れるように。ウスター出身のグリーンウッドはマサチューセッツの風景を描いた。晴れやかで心地いい。
 
 
 
デウィット・パーシャル ハーミット・クリーク・キャニオン 1910年―16年 114.3×127cm
(写真は撮影スポットの複製)
1901年にサンタフェ鉄道会社が観光の為グランドキャニオンまでの鉄道を開通。宣伝の一環として、5人の画家を目隠ししたまま現地へ連れて行き、初めてその景色を観た感動を絵に描かせたという。それはそれは衝撃だったことだろうなぁ~。明るくて広々として、雄大で。みていてすがすがしい。
 
フランク・ウェストン・ベンソン ナタリー 1917年 76.2×63.5cm
(写真は撮影スポットの複製)
旅といえばヨーロッパだった時代に、国策としてアメリカ国内への旅を提唱し始めた頃。
ベンソンは家族旅行でワイオミング州を訪れ、観光牧場ののどかな環境を楽しみ、牧場で休暇をともにしていたヘメンウェイの依頼でこの作品を描いた。完全に戸外でモデルをみながら描く姿が写真に残されていた。。
 
ジョルジュ・ブラックのフォービズム時代の作品(右端から二番目一番下のカラフルな風景画)やポール・シニャックの新印象派の作品(右から二番目、一番上の海辺とヨットの作品)なども。
 
フランス留学から帰ったばかりのザ・印象派!!な黒田清輝の作品やセザンヌの人物画もあり見どころ沢山。
 
ともかくどれもこれも明るくて華やかで綺麗!ぐるりと見渡して明るい気分に誘われる。
 
金曜の夜は20時まで。(入館は19時半)
外にでると真っ暗。美術館がとても美しく見えた。
 
記念撮影OKの場所も外からみるとこんな感じ。
 
 
 
ハッサムの絵の前でも記念撮影ができる。ぜひ白い服で!