両親を入居させた施設から電話がかかってくると、緊張感と臨戦態勢である。

 

「お時間少しよろしいですか?」

 

今回はなんだろ~か・・・。(気持ち的によろしくはないのだが。)

 

「お父様宛てに代引き7800円で干し芋とデコポン4キロのセットが送られてきましたが、お父様はご存じないそうで、ご家族様ですか?」

 

・・・そんなことあるわけないだろ~~~~~~~!!しかも7800円・・!ちょっと冷静に考えて?お小遣いをお預けしてはいるけど、日用品やもしもの出費の為なのだからして!!代引きにするわけないでしょ~~~~~!!と、内心叫びつつ・・・

 

「それ受け取り詐欺です!お金払ってしまいましたか??そしたら、配送業者に詐欺と伝えてください。あと、送り先の確認と消費者センターに連絡を!!!」

 

「え~!!払ってしまいました~~~!お調べしてまたご連絡いたします!!!」

 

確認の返事がくるまでの数分のドキドキ感。

なんだろう、どこかに父のデーターが残っていて使われちゃったのだろうか?投資詐欺にあってるし何件も。

 

「送付先、調べたらちゃんとした果物屋さんだったので、先ほど確認したところ、1月25日にお父様がお電話で注文なさっていました~💦」

 

・・・・マジですか?!電話、できたんですか???最近携帯電話電源入ってないし、ほぼ使えてないのにっ!!

 

「できたみたいです~💦で・・・お支払いは立て替えてしまったのですが・・」

 

・・・お預けしたお小遣いからお願いします・・・。また後日足します・・・。

 

 

干し芋とデコポン4キロ・・・しかも7800円分。とても本人達の管理下におけない。まずデコポンむけるのかな~??むけない気がする。しかも干し芋とか、父が母に食べさせすぎてまた腸閉塞で入院の図式しか思い浮かばない・・・。

 

結局、届いたものは施設のおやつで使っていただくことに。

 

そして今回奇跡的に?電話で注文できてしまったわけで、「すごいじゃない!」ではあるけれど、今後度々このようなことがあっても困るので、考えた末、携帯は故障ということにして、事務所預かりにして頂いた。

 

いますぐ携帯解約したいけれども、携帯を持っていることで安心感があったりすると抵抗あるかもしれないな~・・。無理やり取り上げたら、自尊心が傷ついたりすることも。しばらく事務所預かりにして頂いて自然に使わなくなったら解約がことを荒立てないかも・・??

 

30分位の間に超高速でありとあらゆる起こるかもしれないことを想定して、最善の方法を導き出す・・・。

 

電話は外出先の電車内で着信があったので、その瞬間に降りて駅のホームで対応した。

対応策は帰宅する電車内でうんうん考え・・・。事務所に対応策を相談し終えて帰宅したら、ぐったり。

 

エネルギーがいるのである・・・・。

 

 

その後の様子を1週間後に伺うと、「携帯なくしちゃったみたいなんだけど・・」と事務所に父が一度やってきて、お預かりしていますよ~と説明すると納得して帰ったそうだ。「何かあったら娘達に繋げてくれるんでしょ。」とにこやかに。ホッ。

 

この調子で使わないのが当たり前になったら、解約。(半年くらい・・様子を見てだろうか。)

 

 

母は母で、入居した6年前は刺繍が出来ていて、晒の布から布巾を何枚も作っていたが、もうできなくなって道具は散逸、危ないので今年のお正月にかなり処分をしてきた。ところが、まだうっかり針と糸があったらしく、最近の彼女のブームは針に糸を巻き付けてはまたほどくという作業だそう。そして、うっかり針をどこかに置いてしまって、先日は洗濯ものの中から発見されたとのこと・・。危ないので針と糸は回収した方が・・とのこと。

 

折り紙は先日訪問した際に、わかりやすいように机の上に置いて来たら、また小さな折り鶴作りを再開したとのことで、針と糸に代わるなにか暇つぶしを考えた方がいいですよね?部屋にも塗り絵あったらどうでしょうか?と相談。

 

ディサービス、今まではとても楽しんでいたけれど、最近は時々集中が途切れてボーっとしている場面も増えたらしい。声掛けで塗り絵や他の作業に戻るとのことで、部屋でも塗り絵があればできると思うけれど、ファイルだと無理だそう。

 

お道具箱にA4にコピーした塗り絵をいれて、机の上に置いておけば好きなものを選んで塗り絵を楽しめるかもしれない。

 

とりあえずこちらで準備することに。ぽちっとしたらすぐ届いた塗り絵。中々よさそう。

 

「脳がみるみる若返るぬり絵 花鳥風月」西東社より↑

 

「脳トレ・介護予防に役立つ美しい塗り絵 なつかしの歌と花編」世界文化社より

 

最近のもう一つの母のブームは、新聞の切り抜きで欲しいものに赤ペンで丸をつけて、事務所に持ってくること。本当にほしいわけではないのがわかり、事務所で受け取ってもらうと大満足で帰る、らしい。「こういう遊びを楽しんでいるんですよ~!」と、にこやかに愛し気に職員さんがお話してくださった。

 

私はその切り抜きを見るといつもものすごく削れてぐったりしていたものなのだけれど・・遊びなんだ!!しかもとてもかわいい!と受け取ってくださってる・・・!!

 

スポーツブラ5枚セットでいくら!とか、糖尿病食の本とか、体操の本とか・・必要ないものばかりなので、切り抜いた内容を見るとくらうのである・・・。切り抜いた瞬間、彼女は反射的にいると思ったのだろうけど・・いらんものなわけで、つらい。

 

しみじみ、介護は家族には無理だよね、と思うのはこういう時である。一緒に暮らしていたら大丈夫かもしれないけれど(日常になるから)離れて暮らして現状を目の当たりにすると、鉛のとてつもなく大きな球を胸にどすんと受けたような衝撃でしばらく立ち上がる気力もなくなる。それは、そうでなかった時代の記憶が立ち上がってきてやるせないからなのだが・・。

 

(気持ちの鉛の球攻撃でHPゼロになった時の対処法は、それ以上に大きな良い衝撃を自分に与えることで回復する。そういうわけで美術展にでかけていくわけであります(`・ω・´)ゞ筋トレもいい。頭を空っぽにして何かに集中すること!)

 

ともかく両親ともにとても愛されていて大事にされているのはありがたいことである。しみじみ良い施設に出会えて感謝。