1970年代のアメリカ中西部の街。

リズボン家の5人姉妹は、13歳から17歳、全員年子の美人姉妹。

6月、末妹セシリアが、浴室で自殺未遂を。

 

聖母マリアの絵と水に沈む少女、浴室の赤い鮮血。毒々しくも美しい光景から映画は始まる。

なぜこんなことを?と問う医師に、

「あなたは13歳の女の子じゃないから(わからない)」と答えるセシリア。

 

数学教師の父、信仰深い母は、精神科医のアドバイスで近所の男の子達を招いてホームパーティを開く。

 

秘密の扉は開けられ、5人が履いたであろう小さなベビーシューズがちょこんと5つ並ぶ玄関を通って、彼らは少女たちの世界に足を踏み入れる。

 

はなやかなドレス、はにかむような笑顔。会話がしづらくて、つい先生の方へ集まる男子達がかわいい!

 

一人の男の子が、姉妹の部屋に足をふみいれる場面は最高にキッチュでなんともいえないエロスを感じる。

 

マリア様のカードや像、可愛い香水瓶、ぬいぐるみ、化粧品、ドアからたれさがるストッキング。

思わず、マザーグースの詩が思い浮かんだ。

 

What are little girls made of?(女の子って、何でできてるの?)

 What are little girls made of?(女の子って、何でできてるの?) 

Sugar and spice(砂糖とスパイス) And all that's nice,(それと、素敵な何か)

 That's what little girls are made of.(そういうものでできてるよ)

 

カエルとかたつむり、子犬のしっぽで出来ている男子には、くらくらくるような濃密な甘い異質な世界。

 

 

セシリアはパーティ―の途中で部屋に戻り、身を投げて死んでしまう。

そこから一家の歯車は軋みはじめ、残された4人姉妹も死を選び、物語は終わる。

 

重いテーマのはずが、キッチュで可愛くてお洒落で、たまらない魅力。70年代の音楽もたまらない。

 

ソフィア・コッポラ監督のデビュー作と聞いて、あ~なるほど。

男性目線から観た少女ってこんな感じなのだろうか?