企画展の最終日、10時の開館を待ってアクセサリーミュージアムへ。

 

住宅街の中に現れる私設ミュージアム。

 

わかりやすいミュージアムの説明。

1830年代から2000年代のコスチュームジュエリーの美術館。

展示フロアが・・広い?!

 

 

一階の常設展のフロア。

 

これぞ、アール・デコ!昨日観てきたばかりの東京都庭園美術館が頭に浮かび興奮してしまう!

パッグやシガレットケースもアール・デコ・・。もう溜息が止まらない。どんな淑女がこのパーティー・バッグを持っていたのだろう。高いヒール、裾は短めの柔らかに揺れるシフォンのドレス、ヒールの華奢な靴。シガレットケースから、細いシガレットを取り出して、火をつけて、煙をくゆらす姿が浮かんでくるよう。

 

 

1907年、ベルギー人のレオ・べークランドが生産化した初期の合成樹脂。安いプラスチックの登場と共に生産が減少していったものだそうだ。べークランドって、そういうものだったのかと驚く。名前は知っていても、その歴史は知らなかった。

カラフルで大振り。モダンなアクセサリー達。

 

ビーズも複雑な形、この色合いがいい。好きだなぁ・・。じ~っと見入っているうちに、ピカピカに磨かれたガラスにうっかり額がついてしまいそうになって、慌てて姿勢を変える。刺繍の見事な小さなバッグもいい。

 

 

このブローチにそっくりなものを、蚤の市で見つけて買おうかどうしようかしばし迷ってやめてしまった。こんなに状態がよくなくて。ここまでピカピカで、まるで昨日作られたみたいなのはすごい!自分がいいな、と思ったものが展示されてるってちょっと自分が誇らしい。この時代に流行ったアクセサリーだったのだろうなぁ。

 

 

 

あ~・・・チェコの雑貨店で見て、いつかほしいと思っていたこの半透明なガラスのアクセサリー!

サフィレットグラスというそうだ。1920年~30年代にボヘミアで作られていたが、生産過程で砒素を使っていたため、製造中止となったという!!知らないことがどんどん出てくる!!

 

 

ななななんて美しいカラーのパール!!

1920年代、一粒一粒手作業で10数回コーティングされて作られたロスレー社のパールだそうだ。その特殊な技法は現在では復元不可能だという・・・!!こんな美しい技法が永遠に失われてしまったなんて・・!歴史の流れは残酷。

 

 

私の大好きなセルロイドのブローチも!どれもこれも可愛い。セルロイドは火に弱く燃えることもあり、プラスチックの登場と共に消えていく。

 

セルロイドといえば、青い目をしたお人形はアメリカ生まれのセルロイド♪という歌でなじみがあったし、ルーマー・ゴッデンの「人形の家」という児童書にもセルロイドで出来たお人形・ことりさんが登場する。愛しいちいさなりんごちゃんを守るために、ことりさんはその身を投げ出し、燃えて消えてしまう。その儚さ。セルロイドは切ない郷愁を誘う。

 

アクリル樹脂のアクセサリー。どれも可愛い…欲しい!

ルーサイトやプレキシガラス。これはアクリルだったんだな~と展示の説明で初めて知る。

 

ルーサイトという響きやこの透明な材質が好きで、ブレスレットなどを持っているけれど、この時代特有のものだったのか・・と目から鱗。

 

かわいいなぁ、なんとなく好きだなぁ、身につけたいなぁ・・と使ってきたものたちの歴史や名前を知ると余計に愛しさが増す。

 

なにも知らずに、ただ、好きで惹かれて身に着けてきたものたちが、突然雄弁に自分について喋り出したような感じだ。

 

 

縦長のコーム。どうやってつけるのだろう?

 

(展示を観終わり、地下一階のミュージアムショップに田中館長さんがいらして、質問してみたところ、ダウントンアビーで髪をまとめたところにさしていたそうだ。何でも聞いて!と仰って、色々話を聞かせて下さって感激した。)

 

 

地下にエミール・ガレの花瓶やライトもあり、そちらも必見。飽和状態すぎて写真が撮れなかった。

 

静かで、美しいものたちが燦然と輝いていて、いつまでも観ていたいような展示。