アメリカ横断ウルトラクイズはアメリカ各地を移動しながらクイズを行っていました。
その中で必ずクイズ問題となるのはご当地問題と呼ばれていた問題でした。
これはクイズ地に関連する問題の事です。
挑戦者はクイズ地に到着すると必ず持参した旅の本などで、ご当地の勉強をするというのが一つの行動パターンになっていました。
中には空港で手に入れたパンフレットで、ご当地の最新の話題をチェックする人もいたり、皆さんそれぞれに研究をしていました。
その様な中でご当地の問題はせいぜい1問か2問というのが平均的な出題数でしたが、みなさん実に良く勉強していたのです。
しかし、中には例外も有りました。
例えば、第16回で訪れたキャメロンパークがそれに相当します。
ここは、カリフォルニア州の州都サクラメントから車で40分ほど走った、実に珍しい街だったのです。
何が珍しいかと言えば街の住民は飛行機好きの人間が集まって、一家に一機、中には一家に三機も飛行機を持っている家族が住んでいる街だったのです。
日本では自家用機を所有しているなどと言えば大変なお金持ちと相場が決まっていますが、お国が変われば事情も異なってきます。
キャメロンパークでは、飛行機の所有者30人をゲストに迎え、1問正解すると誰か1人を指名するのです。
そして指名された人の生涯飛行時間が2000時間を超えれば勝ち抜けというルールでした。
運良くベテラン・パイロットを指名すれば一問で勝ち抜け出来ますが、下手をすれば何人指名しても中々勝ち抜け出来ません。
これぞ時の運が大いに作用する究極の運試しと言えるでしょう。
因みにこの時に参加したゲストの中で最高は航空会社の機長さんで22,000時間。
最低は38歳の公務員の方で100時間というアンバランスなゲストの皆さんでした。
飛行機の持ち主の職業は千差万別で、布団屋さん、消防士、学校の教師、レジ係りの女性など驚くほど多彩です。
彼らはこのキャメロンパークの自宅の格納庫から道路を飛行機で走り、市営の滑走路から飛び立って、サクラメントやサンフランシスコの職場へ毎日通っているのだそうです。
この様な珍しい街ですから、ご当地問題も飛行機に関する問題が多く出題されました。
その幾つかをご紹介しましょう。
問・飛行機で二人が前後に並ぶ形式を何という?
答・タンデム式
解説
2人が前後に並ぶタンデム式は軍用の練習機にのみ残されており、民間の練習機は全て横の並ぶサイド・バイ・サイド式になっています。
問・「星の王子さまの作者サン・テグジュペリのもう一つの職業とは何?
答・飛行士
解説
1920年に兵役の義務により航空隊に入り、除隊後は民間の飛行士になりました。その経験を生かして「夜間飛行」や「南方郵便機」などの作品に生かされています。
この様に飛行機関係の問題が多数出され、中には変わり種でこの様な問題も有りました。
問・女性に乗ってもらうために「タイト・スカートでハイヒールで飛びましょう」というキャッチコピーが付けられたことのある軽飛行機は何?
答・セスナ機
解説
日本で言うなら、飛行機が軽自動車のキャッチコピーのような軽いノリで売られていたのですね。
この時に放送された問題19問中、飛行機関連の問題は実に10問ありました。
出題の50%強がご当地問題という変則的なクイズだったのです。