クイズネタの宝庫、アメリカの著名人 | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

今だから話せるウルトラクイズ裏話

17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラクイズは、アメリカ各地でクイズを行いながら旅をつづけた番組でした。
舞台がアメリカですから、アメリカを問題にしたクイズ問題が多かったのは言うまでも有りません。
クイズ問題を予測して、クイズ研究会の皆さんはアメリカの話題を良くチェックして、想定問題を作っていたのは想像できます。
従って、毎年アメリカで起きたニュースは、その年の想定問題になっていたでしょうね。
我々も、同じようにアメリカの出来事は毎年クイズ問題として作っていました。
但し、問題点を少しひねって、何とか面白くする工夫をしていました。
それでも、時事問題として、クイズ研究会の人達の正解率が高かったのは、確かでしょう。
勉強をしているのですから、当然の結果と言えるでしょう。

メリカのニュースと言えば、最新映画の情報、特に作品、主演、監督、受賞などがニュースで流れますが、その様な話題からは必ず問題が出されていたように思います。
定番としては、日本人が名前を知っているアメリカの著名人が問題の宝庫になります。

映画のスターを始め、歌手、歴史上の人物、スポーツ選手、このような人達の業績から問題が作られます。
特に多かったのは、有名作家に関する問題でした。
私はクイズ問題作家達に、アメリカの著名人はクイズ問題の宝庫だ」という事を良く話していました。
但し、作家名と作品名を結びつけるだけでは問題にならない。
例えば作品の内容を少しくらい理解している人が正解を出せるように、作品の中身に踏み込んだ問題が良い、というような注文を付けていました。
その結果、例えばテネシー・ウイリアムズで考えてみたら? という注文を出します。

Tennessee_Williams


らは、直ぐにその業績、作品などを簡単に調査して、代表作ともいうべき「欲望という名の電車に乗って」に着目、何問かの問題が出されました。

欲望という名の電車


この作品は最初、戯曲としてニューヨークで上演され、その後、映画化されていた事を掴んで問題化されていました。
映画化では主演のヴィヴィアン・りーがアカデミー主演女優賞をうけています。
また、この作品はテネシー・ウイリアムズ自身が脚本にも参加していました。
更に、ピューリッツア賞も受賞していますし、内容に関して踏み込んだ人は

「欲望という名の電車に乗って」ブランチの降り立ったのは、ニューオリンズの下町、何という名の駅? 

という問題もあったように思います。
これはフレンチクォーターが正解です。
多分、そのような問題はニューオリンズのご当地問題で出された様な気がします。

同じようにアメリカの代表的な作家の名を挙げるなら、ジョン・スタインベックウィリアム・フォークナー。ヘミングウェイなどが挙げられます。
ヘミングウェイに関しては、前回で詳しく書きましたが、スタインベックもフォークナーも、共にノーベル文学賞をもらっていますし、作品の舞台や登場人物を絡ませれば、問題はいくらでも出来そうです。

クイズ問題は、机の上でただ漠然と考えても、中々面白い問題を掘り当てるのは大変です。
しかし、照準を人物時の人話題の出来事、等に絞って、その周辺を調べると、意外な現実、面白いエピソードに出会う事があります。
その様な地道な作業の繰り返しで、ウルトラクイズの問題は成立していたのでした。
クイズ問題を作ってくれた作家は毎年50人~60人くらいいましたが、この方々の地道な努力が番組を盛り上げてくれた訳で、改めて感謝いたします。