アメリカ横断ウルトラクイズは、クイズ・サバイバルをしながらアメリカ各地を旅をする、これが基本路線でした。
しかし、番組としては収録されたVTRを見ながら、スタジオで高島忠夫さんと石川牧子アナの掛け合いで、番組を盛り上げる役目をしていました。
今回は、読者の方から、スタジオ・パートのご質問を戴き、エピソードがあれば、それも紹介して欲しいとのメッセージを戴きましたので、お答えしたいと思います。
まず、ご質問でスタジオ・パートの台本は別の構成作家が担当していたのか、とのご質問なのでお答えします。
番組のエンドロールには、構成として私の他、数人の放送作家の名前が出ておりましたが、スタジオ・パートもロケの部分も我々が全部書いて台本を作り、それに沿って進行していました。但し、ロケには台本など有りません。
でも、ナレーションはすべて、台本に沿って録音されていますので、アドリブのナレーションというものは有りませんでした。
その台本は名前の出ていた放送作家が手分けして書いていました。
さて、皆さんの興味は高島さんと石川アナの絶妙な会話にあったようです。
あの場面は台本通りですか、或はアドリブですか?とのご質問にお答えします。
石川アナはベテランのアナウンサーですから、普段はアドリブもお得意です。
しかし、高島さんは元々映画の大スターですから、台本を大切にする習慣が身に沁み込んでいて、すべて台本の通りにおしゃべりをしていたのです。
それも、大変几帳面な方なので、一字一句、間違いなくお話したいという希望でした。
そのため、マネージャーの女性が大きな模造紙にカンニング・ペーパーを書き、カメラの横でそれを掲げて収録していたのです。
高島さんはベテランのスターだけに、カンペを見ながらも、その様な事を感じさせない明るい演技で、アドリブのようにおしゃべりをしていたのです。
石川アナもその様な状況を楽しみながら、明るい雰囲気を出していました。
それが結果的に、明るいウルトラクイズのイメージを盛り上げてくれたのだと思います。
特に石川アナは、ウルトラが大のお気に入りで、第7回には進んでロケに参加して、若いスタッフに混ざって荷物運びや、ロケの後片付けなどを、積極的にお手伝いしていました。
あの頃を思い出すと、画面に出る人と、裏方で作る人が一丸となって作業をする。
その様な熱気が視聴者の皆さんに伝わる、それがウルトラ・クイズだったような気がします。