アメリカ横断ウルトラ・クイズの思い出話を書いていますが、前回ハリウッドを漢字で書くと「聖林」という話を書きました。
この様に外国の地名を漢字で書くと? という問題は何度か出題された記憶が有ったので調べて見たら、第7回のロスで出されていました。
その時の問題は以下の通りでした。
問・「桑港」と書けばサンフランシスコ。「羅府」と書けばロスアンゼルス。では「桜都」と書くカリフォルニア州の都市はどこ?
答・サクラメント
解説
日本語の桜を当て字にして、この様に表記されたのは理解できます。
しかし、ロサンジェルスが「羅府」とサンフランシスコが「桑港」は少し説明が無いと理解に苦しみますね。
そこで、ウルトラクイズの時代に遡って、その理由を解説してみたいと思います。
時は19世紀、ロサンゼルスに在住の中国人達は、中国語に音訳して「羅省枝利」と書いていたのだそうです。
当時、ロスに在住した日本人で漢詩の得意な船橋義七さんという人がいて、中国読みを参考に「羅」という文字と行政名の「府」を組み合わせて、省略してこの様に表記しようと提唱したのだそうです。
これは1894年の事で、その後1903年に「羅府新報」という日本語版の新聞が創刊され、現在は全米最大の日本語新聞に成長しているのだそうです。
お陰で現地では「羅府」の認知度は日本でよりもずっと高いのだそうです。
また、サンフランシスコの「桑港」も中国語の発音でサンが「桑」と書くのだそうです。
それに当地は港町なので、この2文字を合成して「桑港」と表記するようになったというのが、真相のようです。
外国の都市の漢字表記は、中国語の2番煎じのようなお話ですが、漢字は元々中国から伝わったものなので、これは自然の流れ と言ってよいのでしょうね。