在米日本人のお話 | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

今だから話せるウルトラクイズ裏話

17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラ・クイズで、我々がアメリカを訪れていたのは70年代の後半から90年代にかけてでした。
最初の頃は、アメリカ旅行をする日本人もまだ少ない時代でしたが、途中から急激に増えてきました。
最初は、アメリカでロケをしていても、見物のお客さんに日本人は居ませんでしたが、10年を過ぎた頃から、パラパラと日本人の見物客が顔を見せるようになりました。
中にはアメリカに住んでいる方が、我々ロケ隊の動きを知っていて、見学に来る等という事もありました。
今の時代なら、インターネットで情報が飛び交っているので、何も不思議ではありませんが、当時我々は何処からそのような情報を入手するのか不思議でなりませんでした。

る時、アメリカ在住の日本人がどの位の数居るのか調べた事があります。
当時の情報では相当数いて、例えばニューヨークでは、日本人が一寸した社会現象を起こしていました。
それは「ニューヨークにオリエント急行が走る」という記事でした。

オリエント急行


これはクイズ問題になるか? とよくよく読んでみると、日本人の働きバチぶりを皮肉った記事で、アメリカ人は残業というものをあまりしません。
だからニューヨークの地下鉄も、マンハッタンのビジネス街から郊外へ向かう電車は、PM5:00~6:00頃がラッシュ・アワーとなります。

れに対して、勤勉な日本人は残業をするので、7時頃まで働くらしいのです。
となると、8時頃から郊外へ向かう電車に乗るわけですね。
そのため8時過ぎの郊外へ向かう電車は日本人のビジネスマンで混雑する、従ってこれはオリエント急行だ、と記事はまとめていました。

満員電車


折角面白そうな見出しでしたが、これではクイズ問題は出来そうも有りません。

ウルトラクイズではご存知のように、ロケ地では必ずご当地問題というのを出題していました。そのため、こうした情報を集めていましたが、これもご紹介したお話のように、クイズのネタとしては空振りが多かったのです。
1問作るのにも、このような裏の努力がある、という裏話でした。