アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題に関しての思い出を書くと、コメントが沢山寄せられます。
これは、皆さんがこの番組のクイズ問題に関心が高かった証と私なりの理解で、とてもうれしく感じます。
先日、「面白いクイズの作り方は?」を書いたところ、色んな質問が寄せられました。
中でも、是非この場を借りてお答えしたい質問が有りました。
それは、先にクイズの答え有りきで問題を作るのか、面白い発想から答えを見つけ出し、問題として作り上げるのか?どっちが多いという質問でした。
この二者を比べた場合、問題として面白いのは、多分後者でしょうね。
例えば、歴史の問題で、この様なのがありました。
元号に関する問題です。
これはクイズ問題の素材としては、数多くの問題が作られている分野でしょうが、元号を全て並べて、一欄表で眺めて見れば、何かしらクイズ問題として思いつく材料が転がっているはずです。
例えば、最初の元号は何?
1番短かった元号は?
逆に1番長く続いた元号は?
このように一欄表からクイズ問題は沢山発想できるでしょう。
しかし、今私が例に挙げた問題ですと、単なる歴史の知識で「教科書問題」という否定的な言葉で、会議を通過するのは難しかったかもしれません。
この問題の作者は、その表の中から亀という文字に着目したのです。
よくよく眺めると、何と5個もこの亀という文字が元号に使われていたのです。
715年の霊亀、724年の神亀、770年の宝亀、1,501年の文亀、それに1,570年の元亀と5回です。
これを発見したところで、もう立派なクイズ問題が出来上がったも同然です。
問・日本の元号に最も多く登場する、おめでたい生き物は何? という問題になりました。
答・亀
正解者は、恐らく確実な正解を知っていたわけではないでしょう。
この様な古い時代の知識を、きちんと頭の中に整理している人間など、そんなに沢山いるはずは有りません。
そこで我々は、問題の中に大きなヒントを含ませて置きました。
おめでたい生き物、これがキーワードとなって挑戦者は早押しボタンを押したのでしょう。
日本でおめでたい生き物、と言えば鶴と亀しか有りません。
諺にも「鶴は千年、亀は万年」と言われますよね。
こうなったら、2者択一で亀に賭けて、ボタンを押したのだと思いますよ。
クイズに勝ち抜く人は、時にはこのようにヤマ勘で早くボタンを押す決断力がある人なのですね。
亀は鈍間ですが、堅実な生き物として、ウサギとカメ のお話でも知られ、元号には相応しいと先読みしたのかもしれませんね。