アメリカ人はモニュメントがお好き! | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

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17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラクイズで、アメリカ各地を回っていると、アメリカらしいスケールのバカ大きいものにお目にかかる事があります。
例えばニューヨークの摩天楼のような巨大な高層ビル群も、今では世界各地で見られるようになりましたが、最初に完成させたのはアメリカでした。

Manhattan


そらく初めてアメリカを訪れた人達は、一様にあの摩天楼を目の当りにし、度肝を抜かれた事でしょう。
それも昔の話という事で、今の若い人にはピンと来ない例えで、時代はどんどん変化していると言う事です。

て、バカ大きい物がお好きなアメリカ人の自慢に、巨大なモニュメントが有ります。
因みに辞書でモニュメントを引くと、
「公共的な記念の目的から、特定の人物や事件などを長く後世に伝えるため、設立される建造物の総称」
と定義されています。

このブログでも以前に「ラピッドシティの親日家」という項でも触れましたが、サウスダコタ州の国立公園ラシュモア山に彫られた巨大な4人の大統領の彫像がありました。

ラシュモア山


このモニュメントは、サスペンス映画の巨匠ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」の格闘シーンの舞台として、世界中に知られるようになった名所です。

れに、勝るとも劣らない大きさの彫刻が、アトランタにあったのです。
アトランタは古くは名作映画「風と共に去りぬ」の舞台として有名でした。

風と共に去りぬ


近くではオリンピックですね。
アメリカ南部のビジネスの中心地であり、世界中で飲まれているコカコーラの本拠地があるのでも知られています。

々がこのアトランタを訪れたのは、オリンピックよりも4年前の第16回の時ですが、ここのストーン・マウンテン公園がクイズ会場に決まったのです。
名前の通り、正面に大きな石の山がそびえ立っていたのです。
この山は世界的には、オーストラリアのエアーズロックに次ぐ、巨大な石の塊だそうです。

ストーンマウンテン


この中腹に、南北戦争の英雄リー将軍を始めとする4人の将軍の像が彫られていたのです。
歴史の浅いアメリカとしては、このようなモニュメントを全国各地に創り、世界に威厳を示したいという気持ちも理解できます。
それにしても、このようなバカ大きい彫刻を、自然の中に溶け込まして作ってしまうアメリカのエネルギーには、ただただ脱帽と言うしかありません。
ウルトラクイズ第16巻の表紙にもなっています。

16巻表紙


もし、これが日本だったら「自然破壊、反対!」という市民団体の動きに抵抗され、とても実現は出来ないでしょうね。

ストーン・マウンテン公園は、アトランタ・オリンピックではマラソン、カヌー、アーチェリーなどの競技会場として、世界の注目を集めましたが、我々はその4年前にこの場所でクイズを行ったのでした。

この将軍達のモニュメントと、クイズ形式を何とか関連付けるアイディアを考えましたが、ピッタリと来る物が出て来なかったのです。
そこで実施されたのは、「私がママよ」という、現地の子供とお母さんを使ったクイズでした。

小学校低学年の描いた似顔絵をヒントに、その子の母親を当てたら勝ち抜け、子供の指名権は2問正解で得られるというルールです。

ここでは、知力と勘を働かせて、挑戦者達は結構苦戦しました。
何故って、似顔絵と母親があまり似て居なかったからです。
こればかりは、事前のチェックでも小学生に向かって
「もっと上手に描けないの?」
なんて言える訳がありません。

そんな悪条件でも、
「現場を楽しく盛り上げるのが司会者の腕だ」
といって若い福沢アナに注文を付けていたスタッフが居ました。

前任者、福留さんの時にはとても言えないセリフでしたがね。
今では福沢アナもフリーになって、立派な売れっ子ですが、ウルトラに出てきた当時は若手の新人アナで、まだまだスタッフに鍛えられていたのでした。