アメリカ横断ウルトラクイズのアイディア会議では、大体3つの事が討議されていました。
第1にクイズ問題の選定です。
これは番組の根幹ですから、結構議論も白熱し、時には採、否を巡って険悪な雰囲気になる事もありました。
特に重箱の隅をつっ突くような問題は却下されるのですが、それでも作者は納得せずに食い下がるのです。(作った身になれば当然でしょうが‥)
また、単なる知識問題は「教科書問題」と白眼視され通過するのは、難しいという状態でした。ですから、採用された問題を今読み返しても、中々面白い視点で問題が作られていたのがわかります。
例えば、○×問題で、
ペンギンもしもやけになる
などという傑作もあり、強く印象に残りました。
ペンギンもしもやけになる
などという傑作もあり、強く印象に残りました。
この正解は×でした。
第2はクイズ地でどのような形式でクイズを行なうか?
これも会議の重要な議題といえます。
グアムの「泥んこクイズ」やその他「ばら撒きクイズ」「大声クイズ」のように場所を変えての定番のクイズ形式もありますが、我々は常に新しい面白い形式を模索していましたので、新規の形式を発明しなければなりませんでした。
第3はどのような罰ゲームを行なうか。
番組の人気はこの罰ゲームにかかっていたと言っても良いほど、楽しみにしていた視聴者も多かったので、真剣にアイディアが出され検討されました。
番組の人気はこの罰ゲームにかかっていたと言っても良いほど、楽しみにしていた視聴者も多かったので、真剣にアイディアが出され検討されました。
アルカトラズ刑務所はサンフランシスコ湾に浮かぶ小島です。
あの有名なギャングスターのアル・カポネも服役していたと言うほど、堅牢な刑務所で、1963年までは連邦刑務所として、囚人達には恐れられていた場所でした。
ですから今回は刑務所の中でクイズを実施し、罰ゲームも中で行うという事が検討されたのです。
刑務所の歴史の中では、軍隊の制服などを洗濯するというのが日課になっていたそうです。
その他、規則違反の囚人達に与えられた罰は、写真付きで展示されていましたので、それらを採用すれば良いわけです。
ということで、ロケハン中に罰ゲームのアイディアは沢山出て来ました。
ところが、世の中は甘くありません。
肝心のクイズのアイディアが上手く出てこなかったのでした。
肝心のクイズのアイディアが上手く出てこなかったのでした。
刑務所の中ならではの気の利いたクイズ形式。
しかも誰が見ても面白い。
このように条件を絞ると決定まで行くアイディアは出て来なかったのです。
結局、この回はクイズ会場としてのアルカトラス刑務所はあきらめるしか仕方がありませんでした。
折角、罰ゲームのアイディアはあるのに……。
ただし、体力に自信のない人を救う意味で、大型のコンボイに早押し機がセットされ、座ったままクイズに答えても良いのですが、こちらのコースは3ポイントで勝ち抜け。
一方、体力勝負を選んだ人は、坂道をマラソンしながら1ポイントで勝ち抜け。
いずれにしても己の自由意志で選択するという方式でした。
そして罰ゲームは再度アルカトラズへ、と目論んだのですが、流石にこれは却下され、坂道を自転車で宅配便を配達をするという過酷な罰が与えられたのでした。
これもその頃、サンフランシスコで自転車の宅配便が流行っていたという事実を取り入れたものでした。
マラソンクイズで体力をさんざ消耗された挙句、更に罰ゲームで追い討ちを掛けるなんて、鬼のようなスタッフだったのです。